顧客・取引先に対する新年・年始の挨拶ビジネスメールの書き方について解説(文例付き)

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新しい年となり、仕事が始まると顧客・取引先に対してビジネスメールのやり取りなどで新年の挨拶を行う機会が多くなります。その際、年始の挨拶とは、いつからいつまでのことか、どのような内容を記載すればいいのか、迷う方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、顧客・取引先に対する新年・年始の挨拶ビジネスメールの書き方について解説していきます。

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ビジネスにおける新年・年始の挨拶のメールとは?

新年・年始の挨拶メールとは、新しい年を迎え、挨拶回りをしたり挨拶状を送る代わりに用いられるメールのことをさします。年賀状の代わりとして送ることもあります。

年明け早々は先方も多忙なはずです。挨拶に伺い面会する時間を割いて頂くことは相手方にとっても負担になります。また、新年の挨拶状としては年賀状が一般的ですが、会社・企業の中には経費削減の一環として年賀状のやり取りを縮小しているところもあります。このような時、メールであれば先方の空き時間に読んで頂くことができるだけでなく、経費をかけずに、即、先方に送ることができます。
 
また、メールは相手にすぐに届く点があります。こちらから年賀状を出していない相手から年賀状を頂いた場合、すぐに年賀状を出したとしても相手に届くのは松の内を過ぎてしまい、間の抜けた感じになります。年明けの営業開始日が遅い会社ならなおさら、すぐに先方に届くメールを活用するメリットがあると言えます。
 
なお、 メールで挨拶文を送る行為は、マナー上はあくまでも略式となりますので、大切なビジネス上の相手に対してはきちんと挨拶に伺うか、年賀状を出すようにしましょう。

新年・年始の挨拶ビジネスメール6つの基本

ここからは、新年・年始の挨拶ビジネスメールの基本についてお知らせします。新年・年始のご挨拶なので、気持ちよく相手に受け取ってもらえるよう、しっかり抑えておきましょう。

一斉送信メール(CC)は利用しない

たくさんの取引先やお客様、一斉で送信したい場合もあるかと思いますが、特にCCで送信するのはやめましょう。CCで送ると、送った全員のメールアドレスを見ることができるようになってしまうので、個人情報の漏えいに繋がります。また一斉送信にすると、そっけない文章となり、相手にも伝わります。

なるべく丁寧に、一人ひとりに向けて送りましょう。

丁寧な言葉づかいと、正しい日本語をつかう

新年の重要な挨拶なので、丁寧な言葉づかいと正しい日本語はマストです。注意点・マナーの部分でも説明したように、賀詞や忌み言葉に注意しつつ、正しい敬語と丁寧な言葉づかいで、文章を書きましょう。

メールではなおさら丁寧な内容にすることが大切です。文章が完成したら、誤字脱字チェックも忘れずにしてください。

年賀状でいただいたら、年賀状でお返しする

年賀状をいただいた場合は、年賀状でお返しをするのがマナーです。メールで返すことは失礼にあたるので、年賀状でいただいた場合にはきちんと年賀状でお返ししましょう。

新年の挨拶は松の内(1月7日)までに送る

新年の挨拶は松の内(1月7日)までに送ることです。松の内とは、正月飾りの門「松」を出している期間のことをいいます。

松の内はもともとは1月15日まででしたが、徳川家光公が4月20日に亡くなり、20日が大切な日になりました。15日に松の内が終わり、20日に鏡開きをするとおめでたい日と月命日が重なってしまいます。そのため、松の内は1月7日までになりました。地域によっては松の内が15日までの場合もありますが、多くの人が7日だと思っているのでそこに合わせましょう。

1月7日を過ぎてしまった場合は、新年の挨拶ではなく「寒中見舞い」として送る必要があることも合わせて覚えておくことをおすすめします。

忌み言葉は使わない

新年の挨拶には、以下のような忌み言葉は相応しくないとされています。

・去る
・失う
・絶える
・滅びる
・衰える
・枯れる

上記の忌み言葉を含む表現は、言い換えるなどの注意をしながら、言葉を選ぶ必要があります。とくに「去る」が含まれた「去年」を、新年の挨拶に使ってしまう人が多いですが、「去年」は忌み言葉にあたるため、不適切な表現です。

「去年」と伝えたい場合は、代わりに「昨年」や「旧年」などの表現を選ぶようにしましょう。

自分や相手が喪中の場合は寒中見舞いとする

自分や相手が喪中の場合は寒中見舞いとすることです。相手や自分が喪中の場合は、おめでたい新年の挨拶は行わないほうがいいといわれています。そのため、喪中の場合は新年の挨拶ではなく、寒中見舞いとして相手の幸せを願う言葉を送りましょう。

最近では、プライベートと仕事の線引のために、喪中であっても仕事では新年の挨拶をすることが多いです。自分の判断で臨機応変に対応することをおすすめします。取引先に送る際に心配な際は、上司に確認するとよいでしょう。

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新年・年始の挨拶に使える言葉

新年・年始の挨拶に使える言葉はたくさんあってどれを使えばいいのかわからない人や、そもそも新年の挨拶の言葉をあまり知らないという人もいるのではないでしょうか。

以下では、新年・年始の挨拶に使える言葉をご紹介します。

新年を祝う挨拶

新年の挨拶としてよく使われる「あけましておめでとうございます」を代表とする新年の祝う言葉を以下でご紹介します。ビジネスシーンでは「あけましておめでとうございます」だけではなく他の表現も使えますので参考にしてみてください。

新年を祝う挨拶

・謹んで新春のお慶びを申し上げます。
・謹んで新春をお祝い申し上げます。
・謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
・新春の御祝詞(ごしゅくし)を申し上げます。
・謹んで新春の祝詞を申し上げます。

昨年の感謝を伝える言葉

新年を祝う挨拶に加えて、昨年の感謝を伝える言葉を伝えるのもおすすめです。昨年の感謝を伝える際は「去年はありがとうございました」と忌み言葉の「去る」を使用しないように気をつけましょう。

以下では、昨年の感謝を伝える言葉の例文をご紹介します。

昨年の感謝を伝える言葉の例文

・旧年中は大変お世話になりました。
・昨年中は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。
・旧年中はひとかたならぬご愛顧(あいこ)を賜り、心からお礼申し上げます。
・昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。
・昨年は格別のご厚誼(こうぎ)にあずかり、まことにありがとうございました。

結びの言葉

感謝の気持ちを伝えた後は、最後に結びの言葉を簡単に記載しましょう。

よく使用される結びの言葉は以下のとおりです。

よく使用される結びの言葉

・本年もどうぞよろしくお願いいたします。
・本年もご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
・本年もご厚誼のほど、お願い申し上げます。
・本年も変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます。

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顧客・取引先に対する新年・年始の挨拶ビジネスメール例文

ビジネスメールは、基本的に以下8つの要素で構成されます。

・件名
・宛名
・挨拶
・名乗り
・要旨
・詳細
・結びの挨拶
・署名

まず仕事関係のお客様に送信する新年の挨拶メールは、なるべくシンプルな文章を心がけましょう。

内容について宛名は(株)などのように略さずに書きます。社名と部署名や役職名、敬称付きの個人名を記載しましょう。挨拶の部分で賀詞を述べ、名乗りの後に本文を続けます。

取引先への新年・年始の挨拶メール基本の文例

件名:
新年のご挨拶【〇〇株式会社 □□】

本文:
株式会社〇〇
××部
△△ 様

謹んで新春のお慶びを申しあげます。
〇〇株式会社の□□でございます。

旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり、誠にありがとうございました。
本年も一層のサービス向上を目指し、社員一同誠心誠意努める所存でございます。
なにとぞ本年も倍旧のご支援のほどお願い申し上げます。

なお、新年は、1月4日より通常営業に戻ります。
ご用命がありましたら、お気軽にご連絡ください。

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署名

取引先への具体的なエピソードを入れる新年・年始メールの文例

件名:
新年のご挨拶(○○株式会社○○部○○より)

本文:
株式会社□□ 
□□部 
□□様

謹んで新春のお慶びを申しあげます。
○○株式会社○○部○○でございます。

旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます。
特に○○(仕事内容など)では、□□様に多大なるお力添えをいただき、
心より感謝申しあげます。誠にありがとうございました。
本年も貴社のお力になれるよう、よりいっそう業務に邁進する所存です。

メールにて恐縮ですが、以上をもって年始の御挨拶とさせていただきます。

本年も変わらぬご愛顧のほど、何とぞよろしくお願い申しあげます。

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署名

取引先へ直接挨拶をできないことを詫びるメールの文例

件名:
新年のご挨拶(株式会社〇〇 ○○部○○より)

本文:
株式会社□□ 
□□部 
□□様

謹んで新春のお慶びを申しあげます。
株式会社〇〇 ○○部○○でございます。

旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます。
本年も貴社のお力になれるよう、よりいっそう業務に邁進する所存です。

末筆ではございますが、本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、
メールでのご挨拶になったことを深くお詫び申しあげます。
皆様のますますのご健勝と貴社のご繁栄をお祈りするとともに、
本年も変わらぬご愛顧のほど、何とぞよろしくお願い申しあげます。

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署名

取引先への新年・年始の返信文例

件名:
Re: 新年のご挨拶【株式会社×× △△】

本文:
株式会社××
△△様

謹んで初春のお慶びを申し上げます。
〇〇株式会社の□□でございます。

この度は、新年のご挨拶を頂戴し、誠にありがとうございました。
昨年は格別のご愛顧を賜り、△△様には深く感謝しております。

本年も△△様のご期待に添えるよう、全力を尽くします。
何卒本年もより一層のお引き立てのほどお願い申し上げます。

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署名

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、顧客・取引先に対する新年・年始の挨拶ビジネスメールの書き方について解説しました。

年始の挨拶メールは、取引きがあまりなかった顧客と連絡が取りやすくなる大切なビジネスチャンスです。1通1通丁寧に送ることが前提の、新年の挨拶メールは大変かもしれません。だからこそ送る相手を思い浮かべながら丁寧に送り、今後のビジネスに繋げていきましょう。

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