商工組合中央金庫(商工中金)が今年7月に実施した「中小企業のカーボンニュートラルに関する意識調査」によると、カーボンニュートラルの影響に対し、方策を「すでに実施している」「検討している」との回答が44.2%を占め、2年前の前回調査(2021年7月)に比べ、比率が2.2倍に増加した。製造業・非製造業ともに2倍以上の伸びで、幅広い業界に広がっていることが浮き彫りとなった。
実施・検討している具体的な方策としては、「太陽光などの自家発電設備の導入」「太陽光設備等以外の省エネ設備の導入」が上位を占めた。ただ、「自社のCO2排出量の測定」や「自社のCO2排出量の削減目標の設定」といった項目は実施・検討を合わせても10%前後にとどまった。
この調査では、カーボンニュートラルに関して「省エネルギー化」「電気自動車の普及」「化石燃料の削減」「環境税導入などエネルギーコスト増加」「消費者の環境負荷への配慮の高まり」という6つの想定事象を設定。それぞれについての影響(好影響・悪影響・影響なし)を聞いた。
その中で、1つでも好影響・悪影響いずれかの「影響がある」と回答した割合は76.1%を占め、2年前の前回調査(2021年7月)に比べ5.5ポイント増加した。
具体的な事象別にみると、「環境税などのエネルギーコストの増加」について「悪影響」とする割合が63.2%と前回調査に比べ8.4ポイントも増加。ここ数年のエネルギー価格上昇が反映された形となった。他の5項目では「影響なし」が5割を超えたが、6項目のうち4項目で「悪影響」が「好影響」を上回った。
調査は、商工中金の取引先中小企業9927社を対象に郵送またはWEB画面による回答形式で実施され、有効回答数は5233社(回収率52.7%)だった。
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