起業家必見!経験豊富なアドバイザーが教える成功への5ステップと10の鍵

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最近では、個人事業主・法人問わず気軽に起業ができる環境が整ってきております。会社を創業して、社長になることは難しいことではありませんが、経営者としてビジネスを展開し、継続してしていくためには、いくつかの知識が不可欠になります。

株式会社で起業する場合、資本金・発起人をそろえ、登記の手続きさえすれば設立はできます。現在は、資本金も1円から起業できますし、2022年1月1日から以前は一律5万円だった定款認証手数料が資本金100万円以上300万円未満の場合、5万円→4万円に、資本金100万円未満の場合、5万円→3万円と実質値下げになりました。

さらに、起業を支援するために様々なクラウドサービスや公的な創業支援も増え、また資金調達の方法も日本政策金融公庫や信用保証協会の低金利の公的融資やベンチャーキャピタル・エンジェル投資家の出資による資金調達、クラウドファンディングによる資金調達など、方法が増えており起業のハードルが下がりつつあります。起業は、医者や士業と呼ばれる弁護士・税理士・社会保険労務士などとは違い、特別な資格や経験はいらないので「起業したい」と思えば誰でも起業することができるのです。

ただし、起業することと起業して成功させることは全く違います。統計的には、会社を設立した場合、1年で2割が廃業(倒産)。5年後には約半数が廃業します。ただし、最初の壁を乗り越えて軌道に乗ると、今度は9割は廃業することなく事業を継続することができるという統計データもあります。

そこで今回は、過去に起業相談を1,000人以上行ってきたアドバイザーが、起業を成功するためのステップやポイントについて解説していきますので、「起業を成功」するために参考にしてみてください。

そもそも起業とは?

起業の意味を文字通りに捉えると、新しく業を起こすことです。色々な場面で使われていることからも分かる通り、非常に幅広い意味を持ちます。

使用範囲が広い理由は、事業の種類は何でも良いからです。業は仕事、職業全般を指すため、大企業を立ち上げる事業も1人で行う事業もどちらも「起業」です。そのため、会社設立の有無に関係なく営利を目的とした経済活動をしていれば、それは「起業した」と言えます。大々的な経済活動だけでなくお小遣い稼ぎでも立派な起業です。そう考えると、起業は私たちに非常に近い存在になります。

また起業と同じような意味で使われている「開業」「独立」「創業」、それぞれの間にはどのような違いがあるのか以下で説明します。

開業

「開業」も同じく事業を始めることを意味しますが、ここにも違いがあります。ポイントは「誰が事業を始めるのか」という点です。結論から言うと、法人ではなく、個人が新しく事業を始める際に「開業」を使うことになります。「飲食店を開業する」、「古着屋を開業する」などがこれに当たるでしょう。

この呼び方は、個人が事業を始める際、「開業届(個人事業の開廃業届出書)」を税務署に提出することに所以があるようです。法人として申請を行う場合は「法人設立届出書」を提出することになります。

独立

「勤めていた会社を辞めて独立する」というと、「起業する」に近い意味合いを感じますが、実際は「独立」と「起業」は別物です。

独立とは、「他に頼らない」ということ。つまり、会社を退職しどこにも属していない状態が独立であり、その先にあるアクションが起業ということなのです。

創業

実は、「創業」の意味は起業と同じく「事業を始める」ということ。ただし、それらは全く同じというわけではありません。例えば、普段よく耳にする言葉で「創業○周年記念」や「明治○年創業」などといったフレーズがありますが、「創業」という言葉は事業が始まる時点が過去である場合に用いられるのが一般的とされています。

起業という言葉は「来年起業する」のように未来に向けて使うことができるのに対し、「来年創業する」というように創業を未来に対して用いることは適切とはされていません。

STEP①:起業の目的や理由を考える

まず、自分がなぜ起業したいのか、その目的や理由をしっかり考えておくことが大切です。単なる思い付きだけでは、起業してもモチベーションが長続きしない可能性があります。起業をすると、仕事のやり方やライフスタイルもそれまでとは大きく変わるかもしれません。例えば、下記のようなことを自問自答し、起業後の姿を具体的にイメージするといいでしょう。

起業することが自分にとってメリットがあるか

「自分の好きな分野、得意な分野で仕事ができる」「束縛されることなく、自分の判断で事業を進められる」など、起業にはさまざまなメリットがあるといわれています。しかし、一般的なメリットが、すべての人に当てはまるわけではありません。起業することで、自分にはどのようなメリットがあるのかを具体的に考えてみることが大切です。

また、「今勤めている会社が激務なので、起業して自分の時間を作りたい」と考えていても、起業後は休日もなく、仕事に明け暮れるようなケースもあります。起業することによって、起業前よりも暮らしや気持ちの面で幸せになれるイメージが持てるかなども冷静に考えてみるといいでしょう。

自分自身が納得できる起業の目的や理由があるか

起業する理由は人それぞれで、起業に必要な理由や目的はありません。自分自身が納得したうえで、意思を固めることができれば、あとは実行する覚悟を決めるのみです。他人の意見や状況に流されることなく、「なぜこの道を進むのか」と確認する作業が、起業の第一歩といえるでしょう。

STEP②:アイデアをまとめる

起業は、やりたいことや夢を実現するための手段になります。そのため、まずアイデアの発見が起業の出発点になります。しかし、ビジネスとして花開くようなアイデアは、そう簡単に見つかるものではありません。日頃からアンテナをはり、起業のアイデアにつながりそうな出来事を見逃さないことが大切です。

起業アイデアの見つけ方

何を始めようかアイデアが浮かばないという人は、以下の角度から何か生み出せないか考えてみてください。

・自身の経験・経歴に沿う内容で考える
・既存サービスを発展できないか考える
・既存サービスを組み合わせて新しいものを考える
・人が「面倒くさい」を解決するものを考える
・自分の趣味や特技が活かせないか考える
・海外の成功モデルを輸入できないか考える

起業の成功の一番の近道は「自身の経験・経歴」の中で考えることです。政府系金融機関である日本政策金融公庫の調査結果によると、経験のない事業を始めた場合と経験のある事業で始めた場合では、経験のある事業で始めた方が廃業率が低いという調査結果が出ています。まずは自身の経験・経歴がある事業をブラシュアップして起業のアイデアをまとめていきましょう。

またSNSや質問サイトなどでアンテナを張っていると、「これが不便だな」「こういうサービスがあればいいな」という世間の声を見つけられるかもしれません。家族や友人との会話で、何かひらめきを得ることもあるでしょう。起業アイデアは、いろいろなところに転がっています。また、起業家のインタビューを読んだり聞いたりするのも参考になるでしょう。自身のビジネスがどのような時に思いついたものなのかを語っている起業家もいます。そういった起業家の思考を知ることで、自身の起業アイデアも探しやすくなるはずです。

そしてアイデアは大量に考えましょう。より多くのアイデアを考えることで、新しいビジネスモデルの成功率は高くなります。もしアイデアが思いつかない場合は、成功事例を参考にすることがおすすめです。他業種の成功事例を自分が進出する業界に活用できないか、複数の事例を組み合わせるといいでしょう。

アイデアが見つかったら実現の可能性を検証する

起業のアイデアが見つかったら、ビジネスとしての実現可能性を検証します。顧客は誰か、顧客の課題をどう解決するかなど、「誰に」「何を」「どのように」の3つの視点でアイデアをまとめていきます。これを「事業コンセプト」と言い、起業の方向性を示すコンパスになります。事業コンセプトがシンプルに分かりやすくまとめられるアイデアは、筋のいいアイデアといえます。

起業のビジネスモデルを考える

次のステップでは、起業アイデアが見えてきたら、それらを現実的なビジネスモデルに落とし込んでいきます。ビジネスモデルとは、利益を生むための仕組みのこと。これを効率よく考えるために、「ビジネルモデルキャンバス」というフレームワークを用いるのもおすすめです。

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスの構造を可視化したフレームワークです。ビジネスの全体像を俯瞰しやすく、各項目の整合性が確認しやすいということから、現状確認や認識の共有化に使いやすいツールと言えます。これを作ることによってさまざまな角度からビジネスを見つめることができます。

要素を以下の9つに分けて解説していきます。アイデアを整理したい方は必見ですので、参考にしてください。

・顧客セグメント
・提供価値
・販路
・顧客との関係
・収益の流れ
・キーリソース
・キーアクティビティ
・キーパートナー
・コスト構造

顧客セグメント

ビジネスモデルに大切な顧客(ターゲット)についてです。「誰に価値を提供するのか」「重要な顧客は誰なのか」を書き出します。顧客の年齢や性別といった属性、利用目的や法人か個人かなどを明確にしましょう。

提供価値

ターゲットとする顧客に対して「どのような価値を提供するのか」を書き出します。自社が提供する商品・サービスを指し、顧客から選ばれる理由になります。自社の強みを活かし、他社と差別化できるのかがポイントです。すでに世の中にあるサービスと内容が被っている場合は、再度アイデアを練り直しましょう。

販路

販路は「顧客へどのように価値を提供するか」です。仕入れや輸送の方法ではなく、プロモーションを含む認知を上げる方法という意味があります。ターゲットが若者であればネット販売、年配向けなら店舗型など、価値が顧客へ的確に届くルートを選びましょう。

顧客との関係

顧客セグメントと「どのような関係を構築するか」を書き出します。商品を販売したら終わりなのか、アフターケアまでするのかなどです。顧客との関係は、長さと深さの組み合わせで考えるといいでしょう。あわせて「関係を維持する方法」も考え出します。電話やメール、訪問といった手段と頻度を決めましょう。

収益の流れ

マネタイズの方法や料金体系など、収益の流れを書き出します。「顧客がなにに対してお金を払うのか」「どのように支払うのか」を明確にしましょう。

キーリソース

キーリソースとは「顧客に価値を提供するために必要なリソース」です。ビジネスモデルを実行するために必要とされるものを明確にします。資金はもちろん、人や機械、時間やノウハウといった無形のものも含まれます。

キーアクティビティ

「価値を提供するのに必要な主要活動は何か」という、ビジネスモデルの実行のための活動についてです。ビジネスモデルの基幹となる重要なパートと言えます。キーアクティビティは「価値を提供するための活動」と「キーリソースを確保するための活動」の2つの観点で考えることが大切です。

キーパートナー

ビジネスモデルを構築するうえで「協力する替えのきかないパートナー」を書き出します。小規模な事業であっても、自社だけでビジネスが完結することはありません。仕入先や提携先、代理店などがキーパートナーの例です。

コスト構造

コスト構造では「ビジネスを実行するために必要なコスト」を明確にします。具体的には、社員の人件費や製造にかかる費用などです。なおコスト構造は、固定費と変動費を分けて考えるのがポイントです。月々や年間にかかるコストを正確に計算しましょう。

STEP③:事業計画を作成してみる

起業のアイデアがまとまったら、市場調査や競合分析を行い、事業計画書に落とし込みます。事業計画書というと堅い印象があるかも知れませんが、収益や費用はどのくらいか、資金はどのようにして調達するのかなど、頭の中のイメージを数値として具体化することで、起業後の事業進捗を客観的に評価することができます。事業が停滞し、改善策を検討する時にも役に立ちます。

また、事業計画書は、外部の協力者や資金提供者の理解と協力を獲得するためにも欠かせません。客観的な事業の魅力、製品・商品・サービスの独自性、販促手段から売上目標まで細かく検討し、作成する必要があります。ここは、ある程度時間をかけても掛けすぎることのないステップです。

計画書は、収支計画や資金繰り計画など、やや込み入った内容を扱うため、数値の設定や作り方で悩んでしまうこともあります。そんな時は、公的支援機関の起業・創業相談窓口などで、専門家に相談してみるのがオススメです。公的機関の相談窓口は、基本的に相談無料で回数に制限もありません。

事業計画書の作成、作り方、書き方

事業計画書はどのように作って、また、何を書けばよいのでしょうか。以下の項目を中心に書いていきます。

・企業の概要
・事業の概要
・事業のコンセプト
・従業員の状況
・競合や市場規模など環境面
・自社の強みと弱みなど現況
・サービスや商品の概要
・販売戦略やビジネスモデル
・体制や人員計画
・財務計画

それぞれについて説明していきます。

企業の概要

商号(会社名)から、この企業はどこにあり、連絡先はどこか、代表者と役員は誰か、株主構成、電話番号とメールアドレス、ホームページのURL、主要取引先、主力商品、従業員数など、創業前であれば予定を記載します。創業時は代表者の経歴を詳細に書くとよいでしょう。これまでの事業に関連する経験をどれくらい積んできたのか、どれくらいノウハウやスキルを保持しているのか、代表者の事業に対する思いまでまんべんなく書きましょう。ここで、客観性の高い数値とともに、代表者の事業に対する本気度をアピールします。

事業の概要

どのような事業を始めようとしているのかを具体的に書きます。ここで意識するのは「誰に」「何を」「どのように提供するか」の3点です。ここを明確にするだけでも大まかな概要を相手に伝えられます。関係者が多く単純な言葉で伝えるのが難しい場合は、サービスの流れや事業の全体図を示すと分かりやすくなるでしょう。

事業のコンセプト

なぜこの事業をやる必要があるのか、この事業で何を成し遂げる予定なのかを明確にする箇所です。できるだけ簡潔に分かりやすく表現しましょう。事業を通じた自社のミッションや、自社の特徴、自社ならではの強みのほか、顧客のメリットを記載します。

「この事業を通じてこのように社会貢献がしたい」「こんなお客様に喜んでほしい」という情熱を盛り込むと、相手に熱意が伝わり、ビジネス経験が乏しい創業者でも資金調達を実現する足掛かりになるでしょう。また、事業を運営する中、迷ったときに立ち返る道しるべにもなるはずです。

従業員の状況

「従業員」の項目では、事業を始める際の常勤役員と従業員の人数について書きます。現在どのくらい従業員がいるのか、また、今後事業を行う上で想定している従業員の人数や、どのような従業員を雇用する予定なのかなども記載します。あまりにも事業の規模に見合わない人数を記載するのは避けましょう。

また、取締役や監査役といった役職は従業員に入らないので注意してください。従業員は雇用期間に関係なく、業務を行う人のこと。そのため配偶者や家族が事業を手伝う場合は、「従業員数」の欄と「(うち家族)」の欄に記載しましょう。

競合や市場規模など環境面

競合他社の強みなど自社を取り巻く状況や、取り扱うサービスや商品の市場(マーケット)規模はどのくらいかを記載する項目です。競合他社は3社程度設定し、それぞれの強みを分析した上で記載してください。競合の強みや弱みを分析すると、自社の独自性や強みを発見できます。

分析の際には、「何を売っているのか(商品)」「いくらで売っているのか(価格)」「どういった流通経路で売っているのか(流通)」「ブランド戦略・PR戦略など、どのような戦略で売っているのか(販売戦略)」といった軸から洗い出しましょう。

自社の強みと弱みといった現況

SWOT分析(「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」の頭文字から命名されたフレームワークのこと)などで、割り出した自社の強みや弱みなどを書きます。弱みを書く際は、どのようにそれを改善していくのかの施策も記載しましょう。強みは、技術やスキル、ノウハウ、資格、組織力、企業風土などの観点から、自社が顧客から選ばれる理由を分析します。

このときのポイントは、「顧客にとっての価値」「顧客の負担」「利便性」「コミュニケーション」などを軸にして分析を行うことです。

サービスや商品の概要

自社で取り扱うサービスや商品はどんなものか、どのように生産や提供するのか、概要を書きます。大きな売上シェアが見込めたり事業の看板になったりするような商材、品揃えなどについて、競合他社との違いも説明しながらアピールしましょう。

また、顧客に提供するサービスのうち「目に見える価値」と「目に見えない価値」、付随するサービスはどういったものがあるかを分析します。さらに自社のコストと競合他社との比較や、商品の価値、顧客のコストといった「価格」軸でも分析を行います。

販売戦略やビジネスモデル

取り扱うサービスや商品をどのようなチャネルでどう流通するか、商材のセールスポイントや市場の状況を踏まえた販売戦略・ビジネスモデルを記載します。どうやって顧客に自社の商品やサービスのことを認知させるか、購入に至るまでの仕組みについて説明するのです。

ここで重要になるのはどのようなチャネルを使うかといった販売経路と、顧客に商品・サービスを知ってもらうためのプロモーション。

事業における登場人物を設定し、顧客に商品・サービスが届くまでのプロセスや代金回収の仕組みをフローチャートにして利益を生み出す仕組みを分析しましょう。

体制や人員計画

どのような体制で事業を進めるか、人員計画を書きます。長期的な視点に立って、今後どれくらいの人員をどのように動かすかといった計画を作りましょう。たとえば、意思決定の流れと役割分担を明確にした社内組織図です。組織図を見ただけで、誰でも業務内容が想像できるようなものを記載してください。

今後、事業が売り上げを伸ばせばその分だけ人員も必要となります。ここで人件費や採用にかかる募集費用なども予測し、採用計画を立てましょう。売上計画と人員計画は密接に関わり比例するため、セットで考えるとよいでしょう。

財務計画

事業が将来どれだけ利益を挙げられるか、資産に関する財務計画を記載します。財務計画は大まかに分けて3つです。

売上に関する計画
どのように売上を挙げていくか、原価はどの程度になるかなどのフローを書いて整理しましょう。売上計画を立てる際は、商品やサービスの単位などに分けて考えます。見込み客数や公式の経営指標などを参考にして、実現可能な計画を予測して書くとよいでしょう。

また顧客ごとに分けて考えるのも効果的です。売上原価計画を立てる際も、売上計画と同様、各商品や各サービス単位などに分けて書きましょう。これにより、売上のうちどの要素を伸ばしていくのが効率的かを判断する材料にもなります。

利益に関する計画
利益計画は非常に重要視される項目です。売上や原価、販管費、借り入れ、法人税など利益を計算するための項目を記載します。利益を計算するには、売上から売上原価、人件費、減価償却費、販売費、管理費、借入利息、法人税などと順を追って予測していく必要があるのです。

利益は「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引後利益」などがありますが、この予測を立てるには、上記の費用を把握しておかなくてはなりません。利益計画を立てると「利益を出す事業になるためにはどこで売上を上げ、どこの費用を下げるのか」が見えてきます。

資金調達に関する計画
資金調達に関する計画も重要視される項目です。利益計画では利益が出ていても、現金が十分に足りているのか、それとも不足しているのかは分かりません。利益が出ている=資金があるではないため、利益計画から資金について測ることはできないのです。資金計画は、売上計画と利益計画で出した数値を、資金の増減に合わせて表を作り直すと計算できます。

売上計画や利益計画ができていれば作成できますが、ここが曖昧だと資金計画の作成も難しくなるのです。また、銀行からの借入の際、返済可能な資金があるかなどの判断を適切に行ってもらうためにも、資金計画の作成は重要となります。

事業計画書作成時に相談できる専門家や相談場所

事業計画書ができたら、まずは家族にみてもらいましょう。事業をやるからには家族の理解と協力が欠かせません。家族が反対したまま事業を始めてしまっては、うまくいく可能性は低くなるでしょう。

そもそも身近な人の理解が得られない事業計画を他人にみせたとして、協力が得られるとも思えません。家族の理解が得られたなら、次は友人・知人などにアドバイスを求めると良いでしょう。

事業計画作成の手助けをしてくれる専門家

事業計画書の作成をサポートしてくれる専門家といえば、一般的には税理士中小企業診断士です。起業家がつくる事業計画書は、収支計画や資金繰りといった金銭面のつめが甘くなりがちで、そのままでは金融機関の担当者に納得してもらえないことがほとんどです。税理士などの専門家に意見を求めれば、誰がみても納得できる収支計画になっているかどうか、アドバイスしてもらえます。

法人で事業をやる場合、決算書類の作成は非常に煩雑な作業となるため、税理士・会計事務所に依頼するパターンが圧倒的に多いのですが、税理士・会計事務所によっては決算だけでなく、起業支援や事業計画といった業務に力を入れているところもあります。融資のサポートもしてくれるので、こういった会計事務所に相談してみるのも1つの方法です。ただし、税理士がサポートするのはおもに数値の部分だというのは忘れないでください。ビジネスプランなど事業の本質的な部分は、起業家が考えるところです。

税理士

確定申告など税務書類の作成や税務調査の立ち合い、財務書類の作成、会計帳簿の記帳代理などが主な業務。税務に関する相談や代理などは、税理士の独占業務です。

中小企業診断士

中小企業の経営に関する経営診断や助言を行う、いわゆるコンサルティングが主な業務です。

事業計画作成の手助けをしてくれる相談場所

事業計画作成の手助けをしてくれる相談場所としては、商工会議所商工会よろず支援拠点などでも乗ってくれます。よろず支援拠点は全国に無料で展開しています。店舗経営を考えていて、出店候補の地域が決まっているなら、一度その土地の商工会や商工会議所を訪ねてみるのもいいでしょう。

よろず支援拠点

2014年6月2日以降に各都道府県で開設した、国が設置した無料の経営相談所で、各都道府県の商工会議所や商工会、中小企業支援組織などと連携しています。

商工会

商工会とは、商工会法に基づき設立された特別認可法人です。地域事業者が会員となり、ビジネスやまちづくりのために活動を行う総合経済団体です。

商工会議所

商工会議所とは、商工会議所法に基づき設立された特別認可法人です。「中小企業の活力強化」と「地域経済の活性化」に向けた諸事業や簿記・産業人材の育成など、さまざまな活動に取り組みます。

STEP④:資金を集める

近年では、資金調達の知識のないサラリーマンでも資金集めを容易にできるようになってきました。資金調達の手段も日本政策金融公庫や銀行からの融資だけではなく、ベンチャーキャピタルからの出資やクラウドファンディングといった方法で資金を集めるのに成功している方もいます。

起業時には、まとまった資金が必要になります。事業開始後、資金計画どおりに軌道に乗らないことも少なくありません。余裕をもって事業を運営できるよう、起業時に資金調達を行っておくことをおススメします。

起業資金にはいくら必要なのか?起業形態別の資金目安

一口に起業といっても、業種によってかかるお金はさまざまです。以下の平均や目安についてはあくまで参考情報として捉えていただき、実際にどれだけ用意すればよいのかということは、自分のビジネスに合わせてじっくりと検討しましょう。

資金の使用用途の種類

起業資金の使い道は業種にもよりますが、大きく分けて設備資金と運転資金の2種類があります。

設備資金
店舗系のビジネスであれば物件の契約費や内装費、飲食店なら冷蔵庫や業務用シンクなどの調理関係の機材(厨房機器)といったものが設備資金です。起業時に必要な資金の大部分はこの設備資金が占めます。

運転資金
開業時の仕入れや光熱費、家賃の支払いが運転資金となります。このあたりは売上が立ち始めればそこから賄っていきます。こうした運転資金を売上で賄えないと、そもそも事業として成り立ちませんので、事業が軌道に乗るまでの分の運転資金を用意しておきましょう。

なお、業種によっては売上金が実際に入金されるまでに数か月かかるというケースもあります。その間の人件費や家賃などの固定費、その他の経費も、起業資金で賄わなければなりません。

個人事業主の場合の資金目安

業種によっては数十万円からスタートすることもできます。例えばコンサルタントやエンジニア、プログラマーなどは、数十万円というケースも多々あります。このようなスキルを売るビジネスでは、大掛かりな投資も不要かつ既に売り上げが見込めている状態で起業することもあるので、そこまで起業資金ということを考慮しないことも多いのかもしれません。

飲食店など設備投資が必要なビジネスであれば1,000万円程度はかかるでしょう。自分で500万円ほど準備して、残額を借り入れなどの形で賄っている人が多いです。目安としても、物件の契約費や内装などの設備投資のための借り入れなどを考慮して、最低限これくらいは準備しておくべきでしょう。

できる限り初期費用を減らしたいという場合には、居抜きも検討してみましょう。場合によっては、設備もほぼそのまま使えるので、初期の設備投資の軽減にもなります。ただし、店舗の立地も重要です。ぴったりの居抜き物件を見つけた場合も、まずは人通りなど立地が問題ないかしっかりと検討しましょう。

法人設立の場合の資金目安

法人の場合はどのようなビジネスにしても、まずは会社設立に実費がかかります。これ以外に個人事業主の開業との違いとしては、税理士などの専門家と契約することが多いことや、社会保険料の会社負担が発生します。

あくまで目安ですが、会社としての見栄えや会社名義の銀行口座開設のために、個人事業主プラス100~200万円くらいは起業資金として準備しておいたほうがよいでしょう。

個人事業主との大きな違いは、資本金として会社に入れた分は会社のお金になるということです。個人事業主の場合は、屋号がついているような事業用口座でも、あくまで個人名義の口座です。事業主は自由に出し入れできますが、会社の資本金はそうはいきません。資本金としていくら入れて、足りない部分をいくら借り入れで調達するのかということは、慎重に検討しなければいけません。

起業の自己資金を貯める

自己資金とは、自分の蓄えの中で事業に回せる資金のことになります。自己資金だけで起業できるのであれば、毎月の返済や利息が発生しないので、有利に事業をスタートできます。

ただ、一般的には起業タイミングでの融資に比べて、起業3カ月以降の融資の方が審査が厳しくなります。なぜなら、起業3カ月以降は実績値を求められ判断される可能性があるためです。すべて自己資金でスタートしてしまうと、起業後の資金繰り悪化に伴う融資申請が断られてしまうというリスクがあります。

起業時には、自己資金に加えて資金調達を行い、余裕をもって経営をスタートすることをおススメします。

起業するための資金を調達する

起業時の代表的な資金調達の方法としては、以下のようなものがあります。

・融資(日本政策金融公庫、信用保証協会、金融機関)
・出資(ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家)
・補助金・助成金
・その他(クラウドファンディング、ビジネスコンテスト)

どの資金調達方法が適しているかは、事業内容や事業規模などによって違います。おすすめのポイントや気を付けるポイントを踏まえ、自分に合った方法を選ぶことが大切になります。

続いては、資金調達の種類別にそれぞれのおすすめポイントと気をつけるポイントを見ていきましょう。

融資

起業時の資金調達方法の選択肢のひとつが金融機関やノンバンクからの借入です。借入をした場合には、金利(実質年率)に応じた借入金の返済と利子の支払いが必要になります。起業時に利用しやすい借入方法として「日本政策金融公庫の創業融資」「民間金融機関の保証付融資」などが挙げられます。

日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

民間金融機関の保証付融資
「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

出資

出資とは、対象となる団体や事業に対し、その成長を期待してお金・財産を提供することをいいます。ベンチャーキャピタルや投資家から出資を受けることで、返済不要な事業資金を調達できます。

ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタル(VC)とは、ハイリターンを狙った投資を行う投資会社のことです。未上場の中でも、特に成長性が高いと見込まれる企業に対して出資(投資)を行います。

ベンチャー企業の株式などを引き受けることによって投資をし、その企業が株式公開するなどしたのち株式などを売却し、キャピタルゲイン(株式等の当初の投資額と公開後の売却額との差額)を獲得すること目的としています。一般的には、技術が革新的であったり、アイデア、ノウハウが優れていなければベンチャーキャピタル(VC)からの投資を期待するのは難しいのが現状です。

エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、起業家のスタートアップを助ける個人投資家です。エンジェル投資家の多くは、現起業家、引退した起業家、M&A・IPOなどで会社を売却して資金を手に入れた実業家達になります。

通常、起業後まもない時期は、資金調達の面で苦労を強いられます。起業時は説明できる実績が 無いため、銀行や金融機関などの融資やベンチャーキャピタルの出資を受けにくいからです。こうした資金調達の問題を解決してくれるのが「エンジェル投資家」の役目です。

補助金/助成金

補助金/助成金は、経済産業省中小企業庁や厚生労働省、都道府県といった、国や地方自治体が募集している支援制度になります。応募する際には、必要な書類を整えるなど手続きに一定の手間がかかり、給付を受けるのは諸経費の支払い後となりますが、この制度では返済が不要である点が最大のメリットになります。

補助金と助成金の違い
補助金と助成金は、どちらも事業のために使える資金を国や自治体から受け取れる制度で、大体が後払いで返済の必要がないという点では違いはないのですが、基本的に、補助金は申請をした審査が通って初めて受けれる対象になり、助成金は要件が当てはまれば、もらうことが出来る(返済不要)ものという違いはあります。

そして補助金は経済産業省が管轄する「起業支援」「経済発展」に関係するものが多く、助成金は厚生労働省が管轄する「雇用関係」や「研究開発」に関するものが多いのが特徴です。

その他資金調達方法

融資や出資以外の起業時の資金調達方法としてクラウドファンディングやビジネスコンテストなど選択肢もあります。それぞれ特徴や借入する際の注意点がありますので、事前に調べておきましょう。

クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を組み合わせた造語で、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める仕組みのことです。個々の出資額がわずかな額でも、多くの人から出資を募ることでまとまった資金を得ることができます。利用するクラウドファンディング会社によって条件や手続きは異なりますが、 資金の使い道は、新規事業の立ち上げや、ものづくり、社会貢献、新規商品のPRなどさまざまな用途があります。

ビジネスコンテスト
参加者がさまざまなビジネスモデルを構築、提案し、その優劣を競うコンテストのことです。最も優れたビジネスモデルを出した人にはその実現のための賞金が与えられることもあります。近年、特に学生などの若年層向けのビジネスプランコンテストや海外発のビジネスプランコンテストなどが増えてきています。自分のアイディアを世に出し、ほかの参加者と切磋琢磨しあう絶好のチャンスと言えます。

STEP⑤:起業形態を決めて、会社設立や開業の手続きを行う

起業するには、法人として会社を設立するだけでなく、個人事業主として事業を起こす方法もあります。自分が始めたいビジネスに合った起業方法を選択し、必要な手続きを進めましょう。

個人事業主と法人のどちらにするか決める

起業する際に、個人事業主でスタートするか会社を設立するかで迷うことがあるかもしれません。法人と個人事業主には、それぞれメリットとデメリットがありますが、両者の大きな違いの1つは課税される税金の種類です。税金の種類が違うことにより、同じ利益でも納める税金の額が変わってきます。また取引先が法人でなければ取引できないといった所もありますので、事前に調べておきましょう。

個人事業主になるには?

個人事業主になるにはまず開業届を所轄の税務署に提出しなければなりません。開業届の他にも、青色申告者が提出する「青色申告承認申請書」や家族を従業員にしたい場合に提出する「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」などがあります。

会社設立で起業する際の必要な手続き

現在、日本で設立できる会社の形態は、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。設立する会社形態を決めてから、それぞれに必要な手続きを行いましょう。
例えば、株式会社を設立する場合の流れは、以下のようになります。

株式会社設立の手順

・会社の概要を決める
・法人用の実印を作成する
・定款を作成し、認証を受ける
・出資金(資本金)を払い込む
・登記申請書類を作成し、法務局で申請する

上記の手順のように、会社設立の手続きは必要書類の作成や申請、認証などに意外と時間がかかるものです。希望する起業時期からスケジュールを逆算し、余裕を持って計画を立てることが大切です。また、会社を設立する場合、起業資金とは別に設立手続きのための費用がかかります。株式会社か合同会社かによっても設立費用は異なるため、会社形態に合った設立費用をチェックして用意しておきましょう。

会社登記後の諸手続き

登記が済んだら、以下の通り様々な機関に届出を行う必要があります。

法務局

会社名義の口座開設などに印鑑証明と登記簿謄本が必要となりますので、まず法務局で印鑑カードを受け取って印鑑証明を取得し、登記簿謄本も取得します。

税務署

「法人設立届」、「青色申告の承認申請書」、「給与支払事務所等の開設届出書」、「源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書」など、必要書類を提出します。

都道府県税事務所

「法人設立届」を提出します。

市町村役場

「法人設立届」を提出します。

年金事務所

厚生年金と健康保険の加入手続きを行います。社長1人だけの会社でも加入が必須です。

また従業員がいる場合には、これに加えて、労働基準監督署で労災保険に加入し、ハローワークで雇用保険に加入します。

起業する際の10個のポイント

ここからは、起業するにあたってのポイントをご紹介します。実践的な方法論から心構えまで重要な事項ばかりですので、必ず目を通しておいてください。

店舗を持たない

今起業するのであれば、店舗を持たない企業形態を考えた方が良いでしょう。店舗を一から建てるとなると莫大な費用がかかりますし、店舗を借りるとなると毎月固定費として賃料が発生してしまいます。先の見通しが立ちにくい現代では、固定費はできるだけかからない方が望ましいです。

また、店舗を持ってしまうと、社会・経済状況の変化に対応するのが難しくなります。簡単に移転できませんし、閉店も難しくなってしまいます。従業員を雇っていればなおさらです。そのため、店舗を持たずに済む起業形態を考えましょう。

在庫リスクを減少させる

同じように、在庫を抱えるのも避けるべきです。売れなければ仕入れに要した費用を回収できなくなりますし、在庫を保管するための倉庫代もばかになりません。そのため、在庫を持たずに済むような、あるいは最小限の在庫で運営できるようなビジネスを考えましょう。

柔軟に変化に対応する

最初に作った事業計画やアイデアに固執していると、社会の変化に対応できず時代に置いていかれてしまいます。常に情報をキャッチアップして、社会の変化には敏感に、そして柔軟に対応する姿勢で取り組みましょう。

経費をかけすぎない

上記の「店舗を持たない」でもお伝えしましたが、店舗や工場などの固定資産・設備を持って起業する場合に多いのが、経費をかけすぎてしまうパターンです。売上の見込みが多くなり、過剰な固定資産・設備を抱えてしまうという場合があります。失敗を減らすためには、自分や周囲の状況をしっかりと考えて把握する必要があります。自分一人で悩まず、誰かに相談することも大切です。お客様にも喜んでもらえて、お金が儲かる仕組みをいかに早く見つけ出すかが鍵となるでしょう。

人を雇うのはリスクが大きい

一人っきりで事業を継続するのは難しいことです。他人の助けが必要な時もあるでしょう。しかし、人を雇うことは大きな責任が伴います。一旦雇ってしまうと、簡単にクビにすることもできません。人件費の負担が大きいことも、人を雇うべきではない理由です。毎月の給料が売上の大小に関係なく発生し、これが固定費になってしまいます。

どうしても人手が必要なときは、短時間のアルバイトをすぐに雇うことができるサービスを利用して急場をしのぎましょう。例えば、「タイミー」などは、臨時のバイトを雇うのにもってこいです。

物販ビジネスはネットショップで行う

店舗を持たず、人も雇わないで済ませるには、ネットショップ経営が一番です。ネットショップなら、少額の資金で、しかも在庫を持たずに始めることも可能です。

またネットショップの販売相手は世界中に存在します。実店舗のように販売相手が近隣住民に限られることがないので、ビジネスチャンスが広がります。

理想にこだわらない

起業する際は、自分なりの理想を持って始める人が多いはずです。理想を持つこと自体は悪いことではありません。しかし、理想を追いかけてしまうと、臨機応変な経営ができなくなります。時代の変化に対応できないようでは、変化が激しい時代では生き残ることができません。常に変化を恐れない気持ちを持ち続けることが起業家には必要です。

起業に必要な知識は事前に身につける

起業までの手続きが一通り終わっても、実際に事業を運営して利益を上げていくためには、色々な知識が必要になりますよね。そこで以下で業種にかかわらず特に強く求められる知識を挙げてみます。

マーケティングの知識

マーケティングとは、簡潔に言えば、商品を売るために必要な色々な活動のことです。市場調査、顧客のニーズに合った商品の開発、価格設定、宣伝手法や販路の選定などが含まれます。事業が利益を上げるために必須の戦略的な部分ですので、事業計画を練る際に不可欠な知識と言えます。

会計の知識

経営は常にお金に依存します。必要な資金を計算して調達し、事業計画に沿って必要な投資を行い、売り上げが出たらその余剰を再投資にまわして事業を拡大する、といった具合です。

会社の決算作業は通常税理士に任せることが多いため、細かな知識までは不要ですが、適切な経営判断を下せるよう、貸借対照表や損益計算書については理解できるのが望ましいでしょう。

税金の知識

起業すると、納めなければいけない税金がたくさんあります。法人の場合、法人税、法人住民税、消費税、固定資産税、源泉所得税など、なんと10種類以上もあるのです。納税を怠れば罰則が課され、会社の信用にも影響してしまいます。会社の資金繰りを健全に保つためにも、どの時期にどの税金をどのくらい納めるのか、きちんと把握しておく必要があるでしょう。

法律の知識

事業を行う上で、法律は遵守しなければなりません。もしあなたの事業が何かの規制に触れることがあれば、法律を知らなかったでは済まされないのです。

個人情報保護法や景品表示法といった分野横断的なものはもちろん、事業内容によっては許認可が必要な場合もありますので、しっかりと調べて必要な手続きを進めましょう。

事業資金を貯める

起業後も継続的に事業を続けるためには、お金が必要になります。現在働いている収入の一部を貯金したり、親族の力を借りたりして資金を貯めておきましょう。起業直前に大金を用意するのではなく、普段から少しずつ貯められると安心です。「自己資金がどれくらいあるか」は、融資を受ける際の審査基準にも影響します。

また家賃や公共料金の支払いなどが遅れていると、信用度が低いために融資が認められないかもしれません。起業に備えて、十分な資金を蓄えておきましょう。

成功者の話を聞きに行く

周囲に起業に成功した方がいる場合は、直接話を聞いてアドバイスを求めましょう。同じ業界で成功した方の支えがあると、起業後も励みになります。家族や友人といった立場ではなく、一人の起業家として理解してもらうことが大切です。

「周りにそのような知り合いがいない」という方は、セミナーの参加者や講師から適切な相手を探すと良いでしょう。成功者と話すことで、知識を蓄えたり刺激を受けたりさまざまな効果につながります。

まとめ

今回は、過去に起業相談を1,000人以上行ってきたアドバイザーが、自分の起業経験や起業相談をしていてよく聞かれる内容をもとに、起業を成功させるためのステップやポイントなどについてご紹介しました。

起業前に必要な作業も把握しておくと、慌てずスムーズに対応することができます。

冒頭でもお伝えした通り、いまや起業するハードルはかなり低くなり、国からの支援策も多くなってきております。自分の持ち味を活かして、社会に貢献できる事業を立ち上げていきましょう。

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