【日本商工会議所・東京商工会議所】日商調査「最低賃金引上げ、6割超が負担感」

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日本商工会議所と東京商工会議所がまとめた「最低賃金引上げの影響および中小企業の賃上げに関する調査」によると、現在の最低賃金額について「負担になっている」と回答した企業割合は65.4%、過去6年間の引上げ(合計132円)で経営に「影響があった」と回答した企業は61.0%に上った。ただ、今年の最低賃金額の改定について「引上げるべき」と回答した企業は前年調査より13.6ポイント上昇して41.7%を示し、「引下げるべき」「現状の金額を維持すべき」の合計39.9%を上回った。

昨年10月の最低賃金引上げ(全国加重平均28円、902円→930円)を受け、最低賃金を下回ったために賃金を引上げた企業(直接的な影響を受けた企業)は40.3%。引上げが1円(901円→902円)にとどまった後に実施した前年調査(2021年)と比べて21.4ポイント増え、2020年の41.8%に迫る割合となった。

最低賃金額の負担感を業種別でみると、コロナ禍で大きな影響を受けている「宿泊・飲食業」(90.9%)をはじめ、「介護・看護業」(81.4%)、「小売業」(81.4%)、「運輸業」(79.4%)といった労働集約型産業が「負担になっている」と答えた割合が高い。

2022年度に「賃上げを実施予定」と回答した企業は45.8%。業種別では「情報通信・情報サービス業」が54.4%、「製造業」が52.5%、「建設業」が51.4%と高い一方で、「運輸業」は27.0%、「宿泊・飲食業」は24.2%と2割台にとどまり、業種によって大きく差が出ている。また賃上げ理由として「社員のモチベーション向上」が85.4%、「人材の確保・採用」が68.6%となっている。

調査は最低賃金が2016年以降、2020年を除いて毎年3%台(25円~28円)の大幅な引上げが行われてきたことを踏まえ、中小企業の経営への影響や負担感を把握することが目的。全国の中小企業6007社を対象に、2月7日~28日に商工会議所職員による訪問などで実施し、3222社から有効回答(回答率53.6%)を得た。

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