日本商工会議所が31日に発表した5月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス20.4で、前月に比べて5.3ポイント上昇した。3年ぶりの行動制限のないゴールデンウィークで客足が回復し、外食・宿泊などサービス業、百貨店・土産品販売など小売業で業況が改善した。ただ資源・資材価格の高騰・供給不足の長期化により、引き続き収益回復の足かせとなっている。
業種別にみると、サービス業はマイナス9.3で、前月に比べて11.8ポイントも改善。卸売業はマイナス20.2(前月比8.1ポイント上昇)、小売業はマイナス31.8(同7.7ポイント上昇)とそれぞれ改善した。これに対し、資材や燃料価格の高騰、部材の供給停滞に伴い、製造業はマイナス15.4と前月比1.6ポイントの改善にとどまり、建設業はマイナス31.3と同4.3ポイントの悪化を示した。
6~8月の先行き見通しDIはマイナス23.6で、5月に比べて3.2ポイントの悪化を見込む。需要喚起策や外国人入国の水際対策の緩和などに期待感がうかがえるも、個人消費の停滞を不安視する声が多く聞かれた。長期化するロシアのウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策による資材供給の乱れ、資源・資材価格の高止まりに企業の価格転嫁は追いついておらず、先行きは厳しい見方が続く。
調査は全国332商工会議所の会員2583社を対象に、5月16日~20日に実施した。このうち2027社から有効回答(回答率78.5%)を得た。