【日本商工会議所】消費税インボイス制度に関する実態調査

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日本商工会議所がまとめた「消費税インボイス制度に関する実態調査」によると、制度導入に向けて準備をしていない事業者は42.2%で、昨年調査の59.9%から減少したものの、「売上高1000万円以下の事業者」に限ると60.5%と、小規模な事業者ほど準備が進んでいない実態が明らかになった。ただ、年間売上高が1000万円以下とされる免税事業者の30.8%が「課税事業者になる」、20.4%が「要請があれば課税事業者になる」と回答しており、免税事業者の過半数は課税事業者への転換を考えている。

消費税のインボイス(適格請求書)制度は、取引の売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額を伝える制度。2023年10月1日に導入される予定で、仕入税額控除を受ける際に必要となる。だが課税事業者でなければインボイスを発行できないため、免税事業者は課税事業者に移行するかどうか検討を迫られる。

調査は各地商工会議所の会員企業4297社を対象に、5月23日~6月23日に経営指導員がヒアリングし、3771社から回答(回収率87.8%)を得た。それによると、すでに全体の10.5%がインボイス発行事業者登録申請を完了した。ただ「売上高1000万円以下の事業者」は1.6%にとどまり、規模が小さいほど申請が進んでいない。

一方、約3割の課税事業者が「免税事業者との取引は行わない」「経過措置の間は取引を行う」と回答し、免税事業者との取引を見直す意向を示した。そのうち約65%の課税事業者は、取引先の免税事業者に対し「インボイス発行事業者になるよう要請する」と回答した。また取引先から課税事業者になるよう「要請を受けたことある」と回答した免税事業者は8%に上った。

免税事業者が課税転換する際の課題は「消費税負担により資金繰りが厳しくなる」が62.0%で最も多く、次いで「消費税分の価格転嫁が難しく、利益が減少する」が44.8%となった。免税事業者の約3割は「課税事業者になる予定」、約2割は「要請があれば課税事業者になる予定」と回答。一方で約4割は「まだ分からない」と回答し、「廃業を検討する」と回答した事業者も4.2%あった。

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