東京商工会議所は、東京23区内の中小企業の景況感に関する調査「東商けいきょう」の7-9月期の集計結果をとりまとめた。業況DI(「好転」の回答割合から「悪化」の回答割合を引いた数値)は、前期比2.8ポイント悪化の4.9となった。コロナ禍からの経済回復に一服感があり、業況が大幅に改善した前回から一転、悪化に転じた。
業種別では、小売業が7.4ポイント悪化の7.7、サービス業は4.9ポイント悪化の9.6、製造業が3.1ポイント悪化の0.0となるなど、3業種でDI値が悪化した。小売業では、外国人観光客は増加しているものの、猛暑による来店客数の減少や物価の高騰で個人消費が落ち込んでおり、売上が減少しているとの声が寄せられた。
同時に調査した賃金の動向は、2023年度の正社員の賃金は、「賃上げを実施」が前回調査比9.3ポイント増加の58.3%となり、全業種で増加した。一方、賃上げ実施企業の業績動向をみると、半数以上が、業績の改善がみられない中での賃上げとなった(「業績は改善している」43.9%、「業績は横ばい」45.3%、「業績は悪化している」10.8%)。