中小機構が9月29日まとめた今年7~9月期の中小企業景況調査(中小企業庁と中小機構が共同で取りまとめ)によると、全産業の業況判断DI(「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた値)は、全産業で▲12.8(前期差2.0ポイント減)となり、3期ぶりに低下した。産業別では、卸売業、小売業で上昇し、製造業、サービス業、建設業で低下した。
業況判断DIを産業別にみると、製造業が▲13.5(3.1ポイント減)となり、3期ぶりに低下した。業種別では、輸送用機械器具、金属製品、家具・装備品、食料品の4業種で上昇し、化学、機械器具、繊維工業、鉄鋼・非鉄金属など10業種で低下した。
非製造業は▲12.1(1.1ポイント減)で3期ぶりの低下。このうち卸売業が▲7.3(2.0ポイント増)、小売業が▲21.7(0.4ポイント増)と上昇した一方で、サービス業が▲6.3(2.3ポイント減)、建設業が▲10.6(1.6ポイント減)と低下した。
原材料・商品仕入単価DIは、全産業で73.3(0.2ポイント増)と3期ぶりに上昇。産業別にみると、小売業、サービス業、卸売業で上昇し、製造業、建設業で低下した。一方、従業員数過不足DIは▲22.5(0.6ポイント減)と2期連続で低下し、不足感が強まった。
中小企業景況調査は全国の中小企業約1万9000社を対象に四半期ごとに実施している。今回は9月1日時点の景況感を全国の商工会、商工会議所の経営指導員や中小企業団体中央会の情報連絡員が1万8830社から聴き取り、1万8017社から有効回答を得た。有効回答率は95.7%。