全国中小企業団体中央会がまとめた9月末時点の「中小企業月次景況調査」によると、景況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス20.4となり、8月末時点と比べ0.1ポイント改善した。製造業を中心に改善傾向が見られたものの、物価高を背景に非製造業の景況感が低下しており、全体ではおおむね横ばいで推移した。
業種別にみると、製造業がマイナス27.6で前月比2.0ポイント改善した。半導体不足の緩和で自動車関連企業の業況が好転していることから「輸送機器」が6.9ポイント改善した。「一般機器」は5.1ポイント、「電気機器」は7.2ポイントそれぞれ改善した。一方、「化学・ゴム」は原材料・エネルギー価格高騰の価格転嫁が遅れ、7.2ポイント悪化した。
非製造業はマイナス15.0で1.4ポイントの悪化となった。物価高の影響で消費者の節約志向が高まり、「小売業」が3.6ポイント、「商店街」が5.5ポイントそれぞれ悪化した。記録的な猛暑が日中の人出に影響した。「サービス業」は4.1ポイント悪化した。卸売業は4.5ポイント改善した。
エネルギー・原材料価格上昇分の価格転嫁が遅れていることや人手不足の問題が多くの業種で収益の足かせとなっている。また、10月のインボイス制度の開始を目前に控えたタイミングで、その対応に苦慮している事業者からの声も多く寄せられた。
調査は、都道府県中央会に設置されている情報連絡員(協同組合、商工組合などの役職員約2600人に委嘱)が、所属する組合の組合員に聞いた全体的な景況(前年同月比)。