当記事では、訪問介護での開業について解説します。
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訪問介護事業の特徴
訪問介護は、ホームヘルプとも呼ばれ、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護(身体介護)や、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活の支援(生活援助)を行う事業です。その他、通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助サービスを提供する事業所もあります。
開業資金
訪問介護は、設備については通常の介護施設のような細かな設備条件も少なく、モノに対する投資はほとんどないことが通常です。ただし、逆にいうとそれだけ参入しやすいということでライバルも多く、サービスの性質上サービスに通常の介護施設のような差別化を行いにくく、営業力が必要になります。
設備投資に係る費用は少ないですが、介護業界は求人が集まらない為、求人募集に係る費用や人件費など、ヒトに係る費用が大きくなってきます。初期に数百万程度は用意できるといいでしょう。
介護報酬の改定
2019年10月に実施予定の介護報酬改定は、経験・技能ある介護人材の確保が目的とされ、「介護職員の更なる処遇改善を進める」内容となっています。介護報酬は平成24年からほぼ毎年改定されており、2025年、団塊世代が75歳以上になることからも、介護報酬の改定は続くと見られています。
必要なスキル
サービス提供責任者は、次のいずれかの資格が必要になります。
・介護福祉士
・実務者研修修了者
・旧・介護職員基礎研修課程修了者
・旧・ホームヘルパー1級課程修了者
・3年以上介護などの業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者(旧・ホームヘルパー2級課程修了者を含む)
ケアマネージャーや医師からの利用者紹介は重要です。実績を作り利用者からの評価を上げ、紹介してもらえるよう、彼らとのネットワークを構築できる営業スキルが求められます。また、利用者へのサービスや施設の案内をホームページで発信している事業者がほとんどです。選ばれる事業者になるためには、ホームページ作成を行いたい所です。
留意点
厚生労働省から出されている『訪問介護の報酬・基準について』でも書かれていますが、運営基準の中には、緊急時の対応など管理者以外のスタッフにも関わる基準が数多くあります。 訪問介護サービスを忠実に行うという意識を事業所全体で持つことが重要です。
また、実地指導により担当職員から改善命令を出され、その後改善が見られない場合や悪質な場合には、監査に進み、事業者指定を取り消されてしまう恐れがあります。
まとめ
これから高齢化社会になりますので、訪問介護の需要は多くなります。色々なスキルや運営基準がありますが、誠実に事業運営することは、利用者だけでなく事業者にも利益にもなるものですので、開業準備をしている人はよく確認しましょう。