新型コロナウイルス感染症拡大防止のための外出自粛要請など、様々な政策が講じられ、個人及び事業にかなりの影響があるかと思います。
影響を最小限に抑える為にも、国や自治体などで様々な給付金、補助金、助成金、貸付金、また支払猶予等の支援制度の中で、どの制度が資金の流出を抑えられるのか、どの制度がどのくらいの期間で資金化できるのかを理解し、手元資金を最大化する必要があります。
今回は、国や自治体などで実施している新型コロナウイルス感染症対策で資金を確保する為の支援策をご紹介します。
※支援策は5月5日現在、その対策として公開されている情報になります。
※この記事を書いているVector Venture Supportを運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。
まずはキャッシュの流れを確認しておく事が重要
新型コロナウイルス感染症の対策として、まず、当月以降どれくらいのお金が出ていくのかを把握しましょう。それに合わせて、次の事業展開、必要な借り入れなどを考えていきます。預金通帳などを確認しながら、簡便資金繰り表に、前々月、前月の順番で実際の金額を記載して、当月以降を予測していきます。各月の入ってくるお金、出ていくお金をそれぞれA4の紙一枚に記載してまとめていっても、わかりやすいです。
新型コロナウイルス感染症対策で資金を確保する為の支援策
返済無で貰えるお金
特別定額給付金
全国民が10万円給付を受けるもので、自治体により申請受付時期が異なります。マイナンバーカードのサービスサイト「マイナポータルAP」で申請受付時期の確認ができます。
特別定額給付金 詳細
持続化給付金
新型コロナで経営に影響の出ている中小の会社、フリーランス含む個人事業主に給付されます。2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在することが条件になります。
・中小の会社=最大200万、個人事業主=最大100万円
東京都感染拡大防止協力金
都の営業自粛要請などを受けている業種が、それに従い「休止」「休業」「営業時間短縮」などに応じた場合、給付される。1施設50万円、2施設以上100万円。
借り入れできるお金(現状条件は返済有)
日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
最近1ヵ月の売り上げが前年または前々年から5%以上低下している事業者が対象になります。3,000万円まで、3年間は実質無利子。借換部分も金利優遇も受けられます。窓口が大変混雑していて、着金までは2カ月以上かかる可能性があり、ネット申請、来所予約、動画での説明などの対応しています。既存融資借換も可能です。
お近くの民間金融機関(各信用保証協会)
経済産業大臣が定める事由に起因して、原則として、最近1ヵ月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3ヵ月間の売上高等が前年同期比で15%以上減少することが見込まれる事業者が対象になります。
補助金/助成金
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む場合、通常50万円(例外100万)、2/3補助するもの。
対象経費=①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費
小規模事業者持続化補助金 詳細
新型コロナウイルス感染症対応で、①「サプラチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のいずれか一つ以上の投資に取り組む場合、別枠が新たに創設(5月1日〜)。原則100万、補助率2/3。
小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型 詳細
ものづくり補助金
中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援。最大1,000万円、補助率 [通常枠] 中小企業 1/2、 小規模企業者・小規模事業者 2/3、[特別枠] 一律 2/3、50万円以上の設備投資、システム導入などが必要になります。
[特別枠]=新型コロナの影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者
補助要件
以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行
-
・付加価値額 +3%以上/年
・給与支給総額+1.5%以上/年
・事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円
IT導入補助金
中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助します。
-
・対象経費=ソフトウエア費、導入関連費等
・補助額 A類型=30万~150万円未満、B類型=150万~450万円(IT化する業務プロセスの数、組み合わせにより補助額が異なります。)
・補助率 1/2以下
雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度です。
雇用調整助成金は恒常的に実施されている制度ですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者を支援するため、2月より支給要件の緩和が行われ、さらに緊急対応期間として2020年4月1日〜6月30日の休業実施においては、さらなる支給要件の緩和、助成率の拡大が特別措置として実施されています。(今後も断続的にさらなる制度変更が行われる可能性もあります)
まとめ
特に新型コロナウイルス感染症に関連する制度をご紹介しました。施策及び情報は、日々、更新されていますので、特にご関心のある制度については、直接、関係機関にアクセスして最新情報をご確認ください。