営業から経理・総務、マーケティングまで1名または少数で始めることが多い起業直後には、日々の仕事を効率よく行うことが求められますが、その中でもタスク管理は非常に重要です。上手く管理ができていないと、優先順位の高い仕事が疎かになったり、締め切りに間に合わなかったり、自分のキャパシティ以上の仕事を受けてしまったりと不具合が生じます。
但し、タスク管理の重要性をわかってはいるものの、なかなかうまく管理できないことが多いです。そこで今回は、タスク管理の方法や、オススメツール6つをご紹介します。
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目次
タスク管理を行う方法について
『タスク管理』と言っても「どのように行うのか」「どのような優先順位で進めていくのか」などそもそも方法が分からないという方もいます。一般的に、具体的な方法や優先順位については以下になります。
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・①現状抱えているタスクをすべて書き出す
・②タスクの細分化をする
・③タスクの優先順位を決める
・④タスクにかかる時間をイメージし、スケジュールに落とし込む
①現状抱えているタスクをすべて書き出す
まずは現状自分がやるべきタスクをすべて書き出す所から始めましょう。書き出すことにより、自分が抱えている仕事量を客観的に把握できるようになります。
②タスクの細分化をする
タスクの書き出しが終えたら、次はタスクを細分化しましょう。1つ1つのタスクが大きいと、どれくらいの労力を使えば終えられるのかを把握できません。
例えば「面談」というタスクには、アポイント取得、顧客のニーズ把握、提案資料作成、見積書作成、新規ですと場所確認など、細かな要素が入ってきます。これを「面談」と一括りにしてしまうと、結局何から手をつければいいのかわからなくなってしまいます。やるべきことを明確にするために、タスクを細かく分けていきましょう。
③タスクの優先順位を決める
次に、タスクに優先順位を決めましょう。優先順位が無いと、何から始めればいいのかがわからず、大事な仕事を後回しにしてしまう可能性があります。タスクの優先順位は「緊急性」と「重要性」を軸に以下4つを基に決めていきましょう。
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・A:重要度が高く、緊急度も高いタスク
・B:重要度が高いが、緊急度が低いタスク
・C:緊急度が高いが、重要度が低いタスク
・D:重要度も緊急度も低いタスク
特に「A」「B」の時間の使い方は重要です。
Aの領域は緊急度も重要度も高く、優先順位においても最も高いタスクになります。例えば、2時間後に控えている会議で資料が要するならばその資料作成があたります。Aの領域に当たるタスクは最優先タスクになるので早急な対応が必要で、ビジネスにおいて大きな損失になる可能性がある領域とも言えるでしょう。
Bの領域は緊急性は低いが、重要度の高いタスクです。ここの領域は4つの中で最も将来への価値になるタスクが分類されます。例えば、将来に向けた長期的営業戦略や知見を高めるための研修や勉強などがこの領域に入るでしょう。多くの時間を使うことができれば会社のビジネスや個々にとって成長が期待できると想定できます。ここは緊急ではないために多少後回しにしてしまう傾向がありますが、それを続けてしまうとAの領域へタスクが移動することがあるので注意が必要です。Bの領域のタスクにおいては、意識的に着手できるようにスケジュール管理したり時間をさくことが大切です。
④タスクにかかる時間をイメージし、スケジュールに落とし込む
タスクの優先順位を決め終えたあとは、1つのタスクにかかる時間をイメージし、スケジュールに落とし込みます。1つ1つのタスクがどれくらい時間をかければ終わるのかを把握することで、日々の仕事に追われずに済むようになります。「時間が把握できない」という方も、とりあえず仮で決めてみてください。何度も取り組んでいく中で、時間が明確になってきます。
ここまで完了すれば、あとは優先順位の高いタスクに沿って仕事をこなしていくだけになります。
タスクの中には、すぐに終わるような細かなタスクも存在します。お礼メールの返信や簡単な電話対応などです。これらの細かなタスクは、緊急性が高くない限りはまとめて終わらせるようにしましょう。せっかくタスクを決めて動いていたとしても、途中で「あ、あれをやらないと」と意識が他の所に向いてしまうと、作業効率が落ちてしまいます。細かくて緊急性の低いタスクは、思い出すたびにメモをして、あとでまとめて終わらせるようにしてみてください。
タスク管理ツールとは?
タスク管理ツールとは、各タスクの期限や担当者、具体的な作業内容といった、タスクを遂行する上で必要なあらゆる情報を管理するツールのことです。タスクごとの作業内容や責任の所在が明確になって公開されるため、自己管理しやすくなります。
タスク管理ツールおすすめ6選
ここからは、起業家におススメしたい6つの『タスク管理ツール』をご紹介します。
Trello(トレロ)
チームで1枚のボードを共有し、各タスクを書き出したカードをプロジェクトの進捗に合わせて移動させていくプロジェクト管理ツール。視覚的に各タスクの進捗具合を把握できるので、どのタスクが終わっていて、どのタスクが滞っているのかをメンバー全員が簡単に確認できます。チェックリストの作成やコメント機能などチームで仕事を進める上で必要な機能が揃っている強力なサービスです。
Asana(アサナ)
Asanaは料金や機能面が平均的なタスク管理ツールで、企業で初めて導入するにはオススメです。導入をして失敗だと感じることはまずないでしょう。特徴としては追求されたUIや操作性です。あまりこのようなツールに慣れていない方でも、すぐに慣れるように作り込まれており、カンバン形式やリスト形式を選べるなど、自身が使いやすいようにカスタムすることも可能です。
Backlog(バックログ)
Backlog(バックログ)はタスクをただ管理するだけでなく、グラフ化して分析するための材料を用意してくれます。責任の所在がはっきりしないタスクがあるという状況によく陥るチームにこそにオススメなツールです。
Jooto(ジョートー)
使い方はTrello(トレロ)に似ていて、基本的にはかんばん形式を採用しています。月額500円からの有料プランもありますが、無料版でもすべての機能を利用可能です。SlackやChatworkといった大手ビジネスチャットツールとの連携もできるので、リマインド機能を使えば期日漏れも防げるでしょう。
Evernote(エバーノート)
Evernoteは、あらゆることをシンプルかつ手軽にメモすることができます。その他にも、ノートやボイス、写真等の添付機能や、検索機能、予定のリマインダ、ノートの共有といった便利な機能も備わっているため、メモアプリとしてだけでなく、タスク管理ツールとしても利用可能です。
Chatwork(チャットワーク)
Chatwork(チャットワーク)は、クラウド型のチャットツールです。コミュニケーションを取ることがメインのツールですが、タスク管理機能も用意されています。チャットの中でタスクが出てきたら、その部分を選択するだけで、期限付きのタスクが作成可能です。チャットだけでなく、自分のメモ書きとして使える場所も用意されています。
タスク管理ツールの主な機能とそれぞれのメリットについて
タスク管理ツールの主な機能と、それぞれのメリットについてご紹介しましょう。
TODOリスト
TODOリストは、タスク管理ツールで最も重要な機能のひとつといえます。やるべきことをリストに書きだすことで可視化するので、タスクの見落としがありません。
コミュニケーション
タスク管理ツールは個人的な業務管理の意味合いが強いツールですが、同じツールを利用する他の人とのコミュニケーションも可能です。同じタスクに複数人で着手している場合でも、タスク管理ツールを導入すればツール内で円滑に連絡をとれます。
ラベリング
タスクの種類や優先度などに応じてタスクにラベリングできるのも、タスク管理ツールのメリットです。設定されたラベルでタスクを絞り込んだり一括編集したりできるので、ラベリング作業自体は面倒でも、その後の作業が楽になることも少なくありません。
期日の設定・リマインド
タスク管理ツールでは、各タスクに期日を設定できます。タスクの期日が迫ると、リマインドを通知してくれるので、期日の認識漏れを防げるでしょう。ビジネスチャットツールなどの他のツールと連携させれば、他のツールからもリマインドを受信可能です。
検索機能
現在進行している作業だけでなく、過去の情報についても検索することが可能になります。検索機能がついているだけで、過去と同じ作業をすることがなくなり生産性が上がります。
まとめ
タスク管理ツールを活用することで、仕事の優先度の把握や臨機応変な対応が可能になり、納期遅れなどのミスやトラブルを未然に防ぐことができます。また導入する目的を明確にすることで、タスク管理ツールの活用を習慣化し、業務効率の改善や生産性の向上につなげることができます。
無料で使えるものもあり、有料版しかないツールも無料トライアル期間を設けているものがほとんどなので、まずは自社に合うか、本当に仕事の効率化が図れるか試してみましょう。