起業家必見!民間金融機関によるプロパー融資と保証付き融資との違いについて解説

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起業家が資金調達の手段として、まず考えるのが「金融機関からの融資」ではないでしょうか。
そこで今回は、民間金融機関によるプロパー融資と保証付き融資との違いについて解説していきます。

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そもそも融資とは?一般的な融資の仕組みとは?

融資とは、資金調達方法の一つで、金融機関や貸金業者から事業に必要なを調達する仕組みです。

お金を借りる側(借手)は融資を受けた金額に利子を上乗せして返済することが一般的です。一方、融資する側(貸手)は、元金と利子を返済してもらう権利があります。融資は分割して返済する方法が主流であることから、安定的に元金と利子を返済できる場合に適している資金調達の方法とされています。そのため、通常は借手に返済能力があるか、貸手が審査を行います。

以下で、一般的な融資の仕組みについて説明します。

申請

融資を受けるためには、まず金融機関に対して申請を行います。申請書には、借り入れる目的や金額、返済計画、保証人の情報などが含まれます。また、必要な書類や証明書の提出も求められます。

審査

金融機関は申請を審査し、借り手の信用状況や返済能力を評価します。信用情報機関や過去の借入履歴、所得証明などを参考に判断されます。審査の結果、融資が承認されるかどうかが決まります。

融資条件の提示

審査が通った場合、金融機関は融資条件を提示します。融資金額、金利、返済スケジュール、保証人の要否などが含まれます。借り手はこれらの条件を確認し、同意する場合は契約を結びます。

融資の実行

契約が成立した後、金融機関は借り手に対して融資を行います。融資金額は一括で支払われる場合もありますし、必要な分だけ引き出すこともできます。金融機関は通常、融資金額に対して一定の金利を設定し、返済期間中に利息を支払うようになります。

返済

融資を受けた借り手は、金融機関に対して返済を行います。返済スケジュール通りに返済する場合、定期的な返済が行われます。返済期間中は、元本に加えて利息も返済する必要があります。一部の融資では、元本の一部を先に返済することも可能です。

民間金融機関による融資は大きく分けて「プロパー融資」「信用保証付き融資」

ここから本題です。まずプロパー融資と信用保証付き融資について説明していきます。

民間金融機関による融資には大きく分けて、以下になります

・銀行が直接融資をするプロパー融資
・信用保証協会による保証付きの融資

それぞれについて説明していきます。

プロパー融資

まずプロパー融資とは簡潔に言うと「銀行からの直接融資」を指す言葉です。そもそも「プロパー(proper)」という語は、「適切な、正確な、本来の意味での」という意味を持っています。たとえば正社員を「プロパー社員」と呼んだり、値下げしない定価を「プロパー価格」と言ったりします。「プロパー融資」もこの意味で、銀行による正規の融資を表わしています。

銀行の融資担当者は、事業主が融資申込時に提出する決算書や事業計画書などを見て、返済能力などを判断した後に、融資額、金利、返済期間を決定します。融資を受けた事業主からの返済が滞ってしまった場合には、銀行側が大きな損害を受けることになるため、融資審査は厳しくなります。利用できる企業も信用力の高い企業、決算書の数字などから実績のある企業とされています。

(参考記事)民間金融機関によるプロパー融資を受けられるタイミングについて解説

信用保証付き融資

プロパー融資同様に銀行が行う融資制度の中の1つでもあるのが、「信用保証付き融資」です。信用保証協会の業務を定めた法律である「信用保証協会法」に基づいて、中小企業者等の金融を円滑にするために設立された公的機関が信用保証協会であり、信用保証協会の役目としては、資金調達を行う事業主の信用保証をするという点で、事業主の融資を受けやすくすることとされています。

ただし信用保証協会へ信用保証料を支払う必要があり、地方自治体の制度融資のように補助はないのでその分費用負担は増します。この融資では長期の融資に対応していることが多いため、長期的な運転資金や設備投資等のまとまった資金を借りたい場合に適しています。融資を提供している金融機関によって仕組みや要件は異なるので、利用したい金融機関のウェブサイト等で詳細を確認しましょう。

(参考記事)信用保証協会付融資とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説

「プロパー融資」「信用保証付き融資」の違いとは?

以下で「プロパー融資」「信用保証付き融資」の違いについて説明します。

借り入れのしやすさが違う

結論から言うと保証付き融資のほうがだんぜん借りやすくなっています。理由としては、企業が融資を受ける前には、金融機関からの審査を受けますが、銀行のプロパー融資の審査はとても厳しいからです。

銀行が直接融資した場合、もし企業が返済できなくなってしまえば、銀行は貸し倒れとして損失を被ることになります。銀行としては、信用できる企業か、もしくは担保や保証があって貸し倒れリスクを回避できる企業でなければ貸したくないわけで、おのずと審査が厳しくなります。そのため、中小企業など信用度があまり高くない企業は、審査に通らず融資を受けられない場合もあります。

一方で信用保証協会の保証がつけば、もし返済できなくなっても信用保証協会が弁済してくれるので、銀行としては貸し倒れリスクを回避できます。そこで、「プロパー融資はできないが、保証がつけば融資大丈夫」というケースが出てくるのです。

実際には、中小企業ではプロパー融資よりも保証付き融資をうける企業のほうが多数を占めます。逆に、プロパー融資を受けられる企業は、銀行からの信用度が高い優良企業といえるでしょう。

融資の仕組みが違う

プロパー融資は、企業が銀行から直接借り入れをして、返済します。この場合、もし企業が返済できなくなったら、銀行は残債分を損することになります。これを「貸し倒れ」といいます。

それに対して信用保証協会の保証付き融資では、企業は信用保証協会に保証料を払って保証してもらい、銀行から融資を受けます。返済も銀行に対して直接しますが、もし返済できなくなってしまった場合には、信用保証協会が残債の80~100%を銀行に対してかわりに支払ってくれます。これを「代位弁済」と呼んでいます。

代位弁済を受けた場合、企業はそれ以降、銀行ではなく信用保証協会に残債を返済していくことになります。これがプロパー融資との違いです。

金利が違う

金利については、プロパー融資のほうが低く、保証付き融資は高くなっています。これも信用度の問題で、金利は信用度が高い企業ほど低く、信用度が下がると金利も高くなる傾向があるためです。

プロパー融資が受けられる企業は信用度が高いため、低金利で融資してもらえるわけです。信用保証協会の保証付き融資も、ノンバンクなどの融資に比べれば金利は低いですが、プロパー融資よりは高くなっています。

融資限度額が違う

融資を受けられる限度額も異なります。プロパー融資は銀行が「この金額まで貸してもこの企業なら返済できる」と判断した金額が融資限度額になります。逆に言えば上限はなく、銀行が許せばいくらでも借りられます。

一方で、信用保証協会の保証付き融資には上限があり、無担保だと8,000万円、担保があれば2億8,000万円と決められています。これ以上借りたいという場合は、プロパー融資を受ける必要があるでしょう。

申し込みから着金までの期間が違う

上記でお伝えしている通り、プロパー融資は、借入したい人と金融機関で完結しますが、信用保証協会の保証付き融資は、借入したい人、信用保証協会、金融機関の三者がかかわりますので、当然申し込みから着金までの期間が違います。

まとめ

プロパー融資は銀行にとってリスクが高い融資ですので、銀行にとってよほど信用できる会社に対してのみ行う融資です。創業時期で検討する場合には、保証協会の保証付き融資を検討・借り入れをし、会社が安定してきて、これから事業を拡大したいという時期にプロパー融資を検討・借り入れする流れが良いでしょう。

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