個人事業の廃業手続きについて解説

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個人事業主から法人にする場合や、個人事業主から会社勤めをする方など、個人事業を廃業する場合には手続きをする必要があります。

今回は、個人事業の廃業手続きについて解説します。

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個人事業の廃業手続きについて


個人事業の廃業手続きに必要な手続きや書類は以下になります。

「個人事業の開業届出・廃業等届出書」以外に、青色申告をしているか、消費税を納めているか、従業員などに給与を支払っているかなどで、提出する書類と提出期限が異なってきます。

    ・個人事業の開業届出・廃業等届出書
    ・所得税の青色申告の取りやめ届出書(青色申告で確定申告をしていた場合)
    ・事業廃止届出書(消費税を支払っていた場合)
    ・給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書(従業員などを雇い給与を支払っていた場合)
    ・都道府県税事務所へ「※事業廃止(廃止)等申告書」
    ※都道府県により書類の名前が異なることがあるので注意してください。

    個人事業の開業・廃業等届出書

    個人事業主が廃業を決めた場合には、所得税法第229条に基づき、「個人事業の開業・廃業等届出書」を作成し、所轄の税務署に提出する義務があります。この場合、対象となる個人事業主は、事業所得や不動産所得、山林所得を得られる事業を営む人で、届出書の提出期限は、廃業後1ヵ月以内です。期限当日が土日祝日にあたる場合には、その翌日が期限となります。

    ちなみに、税務署のほとんどは、平日の朝8時30分から夕方17時までが受付時間となっています。土日や祝日に書類を提出する場合は、税務署の時間外収受箱に投函ができます。なお、税務署に直接行けない場合は、書類の郵送でも受け付けてもらえます。

    「個人事業の開業・廃業等届出書」書き方

    所得税の青色申告の取りやめ届出書

    青色申告をしている個人事業主は、所得税法第151条に基づき、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。提出期限は、青色申告をやめようと予定している年の翌年3月15日となります。

    事業廃止届出書の提出

    消費税に関する手続きです。事業を廃止する以前に、消費税を支払っていた個人事業主は、「事業廃止届出書」を提出しなければなりません。なお、事業を廃止する場合には、必要経費の処理について、特例がありますので、ご注意ください。

    給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書

    従業員および事業専従者等に対して給与を支給している場合は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書」が必要となります。廃業をしてから1ヵ月以内に税務署へ提出する決まりとなっています。

    都道府県税事務所へ「※事業廃止(廃止)等申告書」

    税務署への届出に加えて、所轄の都道府県税事務所への廃業届を提出することも必要となります。使用する様式については、それぞれの都道府県により書類の名前が異なります。また、提出期限についても、各都道府県税事務所によって異なりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

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    個人事業主が法人成りをするときの注意点

    個人事業の開業届出・廃業等届出書の提出は忘れずに

    前述でもお知らせしましたが、「個人事業の開業届出・廃業等届出書」は事業を廃止した日から1カ月以内に納税地を所轄する税務署に届け出の提出は忘れずに行いましょう。

    最後の確定申告を忘れない

    法人成りをするときは個人事業を廃業することになりますが、その際に、廃業届などの書類を提出するだけで安心していてはいけません。個人事業主としての最後の確定申告をする必要がありますので、忘れずに行うようにしましょう。また、この確定申告では、法人への資金の移行に伴う譲渡所得なども計上することになるので注意が必要です。

    廃業後の事業税の支払い

    確定申告のほかにも、廃業後1ヶ月以内に、所得税の申告とは別に事業税の申告の必要もあります。確定申告とあわせて、忘れないようにしましょう。この事業税は確定申告後の8月頃に通知がきて支払うことになります。つまり、廃業後の支払いになるため、事業税を経費として処理できないのです。そこで、廃業した年の所得税の確定申告は、事業税の見込額を経費として計上できるという特例があります。

    屋号付きの個人事業の銀行口座

    屋号付きの個人事業の銀行口座についてですが、屋号には法的な効力はないため、通常の個人の銀行口座と特に変わりはありません。そのため、廃業後もそのまま使っていても問題ないですが、銀行口座に関することなので、念のためお使いの銀行へ問い合わせることをおすすめします。

    廃業届を出すタイミング

    廃業理由にもよりますが、廃業のタイミングを個人事業主自身が自由に選べるのであれば、廃業日を年の切り替えとなる12月31日に近づけると、手続きの煩雑さを防ぐことができます。場合によっては、支払う所得税が少なくなることもあります。

    理由としては、個人事業主が納める各種税金などは、1月1日から12月31日の1年間を基準として算出することが主な理由ですが、毎年行っている確定申告と同時に廃業の事務処理を進めることで、処理の漏れも防ぐこともできるからです。

    まとめ

    個人事業を廃業する際には、廃業に関する届け出が必要となりますが、青色申告をしているか、消費税を納めているか、従業員などに給与を支払っているかなどで、提出する書類と提出期限が異なってきます。

    その中でも注意するべき点は、廃業届けを提出する時期です。廃業しても、廃業した年の事業所得を確定申告しなければなりません。廃業を決めた際には、廃業届けに記載する提出日について考慮しましょう。

    慣れない事ですので、個人事業主で廃業を検討されている方は、税務署や司法書士、税理士などに事前に相談してみると良いでしょう。

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