日本商工会議所が9月30日に発表した9月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、9月の全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)は、前月比3.8ポイント悪化のマイナス33.2と、前月から一転、悪化した。コロナ禍による営業制限、イベント中止で飲食・宿泊などサービス業や小売業が悪化。公共工事に下支えされた建設業は底堅いものの、鉄鋼や木材など原材料価格の上昇、天候不順による野菜価格の上昇で中小企業の景況感はなお厳しい。
このうち建設業は前月比2.2ポイント好転のマイナス18.7、製造業は同5.6ポイント悪化のマイナス18.1、卸売業は同4.3ポイント悪化のマイナス35.0、小売業は同3.6ポイント悪化のマイナス48.0、サービス業は同5.9ポイント悪化のマイナス43.8 だった。
2021年10月から12月の先行き見通しDIは、9月に比べ2.2ポイント好転のマイナス31.0。ワクチン接種進展で経済活動正常化へ期待感はあるものの、当面は感染対策が求められ受注・売上減少や客足回復の遅れが続くため、経営への影響を不安視する声が多い。10月からの最低賃金引き上げによる人件費上昇もあり、先行きも予断を許さない状況だ。
調査は9月13日から17日、全国337商工会議所の経営指導員や職員が会員2644社に調査票を配布。77・4%にあたる2047社の回答を得た。