経済産業省は3月4日、コロナ資金繰り支援の継続や増大する債務に苦しむ中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを促す総合的な支援策を展開するため、金融庁・財務省と連携して「中小企業活性化パッケージ」を策定したと発表した。3月末が期限だった実質無利子・無担保融資、危機対応融資を6月末まで延長するとともに、民間金融機関が自己資本とみなすことができる日本政策金融公庫の資本性劣後ローンも2022年度末まで継続する。
その上で事業者のフェーズに応じたきめ細やかな支援を実施する。例えば「収益力改善フェーズ」では中小企業再生支援協議会で緊急的に実施している特例リスケ支援を収益力改善支援にシフト。「事業再生フェーズ」では、中小機構が最大8割出資する再生ファンドを拡充し、コロナの影響が大きい宿泊・飲食業などを重点支援するほか、「事業再構築補助金」に再生事業者が優先採択される「回復・再生応援枠」を創設する。経営者の「再チャレンジフェーズ」に向けて、中小機構の人材支援事業を廃業後の経営者まで拡大する。
さらに全国47都道府県にある中小企業再生支援協議会を関連機関と統合。「収益力改善・事業再生・再チャレンジ」を一元的に支援する「中小企業活性化協議会」を設置する。