全国中小企業団体中央会がまとめた4月末時点の「中小企業月次景況調査」によると、景況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス24.7で、前月に比べて8.9ポイント上昇した。まん延防止等重点措置の解除に伴う人流回復などにより、外食・宿泊関連のサービス業や小売業、商店街などが軒並み2ケタ台の改善を示した。一方、原油・原材料の高騰や部品の調達難に加え、円安による輸入物価の上昇などを懸念する声も多いという。
業種別にみると、非製造業はマイナス25.0で、前月に比べて11.4ポイント上昇。このうちサービス業はマイナス5.6と前月比で28.3ポイントも上昇したのをはじめ、商店街はマイナス28.3(前月比17.7ポイント上昇)、小売業はマイナス32.6(同12.4ポイント上昇)、卸売業はマイナス21.7(同7.6ポイント上昇)と、景況は大きく改善した。
製造業はマイナス24.3で、前月に比べて5.7ポイントの上昇。このうち価格転嫁がある程度進んでいる食料品はマイナス22.6と、前月に比べて22.2ポイントも上昇した。一方、電気機器は原材料不足に伴う納期遅延の影響による先行き不透明感が強く、マイナス32.0と、前月比24.0ポイントも悪化した。
調査は都道府県中央会に設置されている情報連絡員(協同組合、商工組合の役職員約2600人に委嘱)に対し、所属する組合の組合員の全体的な景況(前年同月比)を聞いた。