経済産業省がまとめた「消費税の転嫁状況に関するサンプル調査」によると、事業者間取引で「全て転嫁できている」と答えた事業者は93.7%で、前年度に比べて5.1ポイント増加した。一方、「全く転嫁できていない」と答えた事業者は1.3%(前年度比0.6ポイント減)、「一部転嫁できている」は3.1%(同0.7ポイント減)、「経営戦略上、転嫁できなかった場合など」は1.9%(前年度比3.7ポイント減)だった。
転嫁できた理由(複数回答)について聞いたところ、全体の53.2%が「以前より消費税の転嫁への理解が定着しているため」と回答。これに続き「消費税転嫁対策特別措置法により消費税転嫁拒否行為が禁止されているため」が28.5%、「本体価格と消費税額を分けることにより、交渉しやすくなったため」が16.0%となった。
これに対し、転嫁できていない理由(同)としては「自社商品等の競争が激しく、価格を引上げると他社に取引を奪われてしまうおそれがあるため」が全体の1.5%、「取引先の業界の景気が悪く、消費税率引上げ分の上乗せを受け入れる余裕がないと考えられるため」が1.3%、「自社が下請事業者であるなど、取引先との力関係で立場が弱かったため」が0.7%と続いた。
調査は無作為抽出した事業者4万社を対象に、調査委託先の東京商工リサーチが7月1日~15日に書面郵送調査で実施した。その結果、1万728社から有効回答(回収率26.8%)を得た。