当記事では、不動産鑑定士での開業について解説していきます。
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不動産鑑定士とは?
不動産鑑定士とは、建造物や土地などの鑑定評価を行い、不動産そのものの適正価値を見出す専門家です。三大国家資格の一つでもある不動産鑑定士としての仕事は国家資格を持っている者しかできない独占業務となっております。
不動産鑑定士と似た専門家で土地家屋調査士がありますが、土地家屋調査士とは、土地や建造物などの「測量」や「調査」を主な業務とし、それらの情報をまとめた「登記」を作成する専門家の事になります。
不動産鑑定士のキャリアパス
何も経験せずに不動産鑑定士の資格を取得し、独立開業する事は出来ません。基本的に、不動産会社や不動産鑑定事務所、コンサルティング会社や銀行、証券会社などに勤務し、勤務先で経験を積み、不動産鑑定士として独立を目指す事になります。
不動産鑑定士の資格取得までの道のり
まずは資格を取得しなければ何も始まりません。
資格取得には、講座を受けるのが合格への近道です。カリキュラムは各スクールにより異なり、取得期間の目安は3年~6年とされています。不動産鑑定士補の登録には実務経験が2年、鑑定士にはさらに1年の実務補習が必要になります。
平成18年以降は受験資格の制限がなくなり、従来の第1次試験および第3次試験に当たるものは廃止されました。短答式(択一式を含む)試験と論文式試験の2段階で、これによって受けやすく、なりやすくなったとされています。試験合格後、実務修習、修了考査を経て不動産鑑定士の登録となります。
不動産鑑定士として開業の手続き
不動産鑑定業を営む際には、都道府県をまたがって事務所を2カ所以上設ける場合は国土交通大臣、1つのみの場合は都道府県知事への登録申請が必要です。
一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをします。
まとめ
不動産鑑定士の知名度は決して高くはなく、顧客獲得に苦しむケースも珍しくありませんので、まずは企業勤めをして仕事上のつきあいを増やし、自分の顔を売れるかは非常に重要です。
尚、現状では、国や役所などの公的な評価案件はどの地域でもベテラン鑑定士によってほぼ占拠されていますので、開業地の選定にあたっては、入念なリサーチを行いましょう。