建物の価値を決定づけるのが内装であり、内装業はそのための重要な仕事を担います。
今回は、内装業の独立開業について解説していきます。
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そもそも内装業とは?
内装業とは、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事のことです。
具体的には、以下のような工事を指します。
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・畳の表替え
・襖(ふすま)・障子・網戸張替え
・壁紙・クロスのリフォーム
・クッションフロア張替え
・フローリング張替え
・カーペット張替え
必要な許可
まずは内装業として独立するために必要となる環境を整えましょう。まず守らなければいけないのが法律です。建設業法において、建築工事を請け負うには「建設業の許可」が必要となります。建設業の許可には次の4つの許可要件が必要です。
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・経営業務の管理責任者がいる
・専任技術者がいる
・誠実性がある
・財産的基礎等がある
専任技術者になるためには、「一級建築施工管理技士」「二級建築施工管理技士(仕上げ)」「一級建築士」「二級建築士」などの資格や、「内装仕上げ施工」「天井仕上げ施工」「」などの技能検定の資格が必要になります。
特定の技術を磨くところからスタートするのも良いですし、さまざまな建築業務に携われるように建築施工管理技士や建築士を目指すのも良いでしょう。しかし、建設業法では「軽微な建設工事」を請け負う場合は必ずしも建設業の許可が必要というわけでないということになっています。
詳しくは、国土交通省のHPに記載していますのでご確認ください。
軽微な建設工事とは?
では、 軽微な建設工事とはいったいどんな工事になるのでしょうか?法律では下記の様に記載されています。
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・①建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
・②建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事
①については、建築工事に関することなので、 内装業で独立しようと考えた場合、必要ありません。問題は②についてです。内装工事は記載されている「建築一式工事以外の建設工事」に含まれます。よって、工事1件の請負代金が500万円未満であれば、「軽微な建設工事」に該当することになります。
但し、長くこの事業を続けていくのであれば、仕事の幅も広がりますので、専任技術者になる資格を取っておくことをオススメします。
許可申請にかかる期間・費用
建設業の許可申請にかかる期間は、1ヶ月~4ヶ月間程度です。また許可申請には、国土交通大臣に新規で申請する場合は15万円、都道府県知事に新規で申請する場合は9万円の許可手数料が発生します。
建設業許可の申請手続きは、行政書士に依頼する事業者も多いようです。
法人か個人事業主か?
内装業を開業する場合、法人として行うか、個人事業として開業するかという選択があります。ある程度自己資金があり、利益が見込めるのであれば、法人化した方がメリットが大きいです。
個人事業主として開業する場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?内装業を始める為には、必要な許可がありますが、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合には「建設業」の許可が必要ありません。
内装工事は,ゼネコンや工務店の下請けとして仕事をすることが多いです。多くの企業は,元請の指示に臨機応変に対応することで受注を確保していますが,元請が施主と取り決めた仕様の工事を行うだけでは,利益率を改善していくことは難しいので、内装工事だけでなく、照明や家具等のデザインも含めた提案力の向上に取り組むことも想定していきましょう。