飲食店のように設備を必要としない雑貨店は、比較的独立開業しやすい分野といえます。
当記事では、雑貨店での開業について解説していきます。
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様々なタイプがある!?
雑貨店と言ってもそのタイプは色々あります。扱っている商品は、昔ながらのよろず日用品雑貨、装粧品雑貨、リビングウエア中心雑貨店、ハンドメイドウエア雑貨店、園芸関連雑貨など様々です。また、最近ではオーナーなどのセンスをいかした小物雑貨を扱う店も増えてきています。
必要な手続き
雑貨店の開業については規制される法規はなく、販売資格も不要で自由開業できます。
個人事業主として出店する場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
発火性危険物の取扱については所轄消防署、薬物関連商品については最寄りの保健所に相談をし、商品取り扱い上の注意(取扱管理資格者、取扱 量、在庫保管方法、販売記録等)について詳細を入手することが必要です。
雑貨関係の取扱商品には、環境対策商品、家庭用品安全基準認定商品、危険物該当商品、あるいはGマーク商品や業界推奨マーク入り商品など、多くのマーク入り商品が存在しています。基礎知識として、販売士2・3級程度持っておいた方がいいです。
雑貨店開業のタイプ
雑貨店を開くためには、店舗を持つ方法とオンラインストアを持つ方法があります。それぞれのタイプについて説明します。
店舗で雑貨店を開業
物件を借りてご自身で雑貨店を作る場合は、以下などをすべて行う必要があります。
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・開業資金
・備品の購入
・仕入先の開拓
・内装 など
自由度が高く、理想のお店を作れる点が大きな魅力です。ただし、開業のための資金は最低でも500万円は必要になります。もし雑貨店で働いたことのない方は、店舗のオペレーションを学ぶためにも一度、実店舗で経験を積んでから開業することをおすすめします。
フランチャイズを利用する
フランチャイズに加盟して雑貨店を開業する方法もあります。経営ノウハウが蓄積されており、仕入れも確立したルートがあるため、リスクを軽減できる点やスムーズに開業できる点が魅力です。
ただし、展開するお店は本社のコンセプトに合わせる必要があり、自由度は低いです。フランチャイズを検討していらっしゃる方は、ご自身がイメージするコンセプトとマッチするかを事前によく検討しましょう。
ネットショップで雑貨店を開業
実店舗を持たず、ネットショップで雑貨店を開業する方も年々増加しています。物件や内装、店舗に設置するレジなどの備品代を節約できるため、開業費用を大幅に抑えられる点が魅力です。
最近ではBASEという無料のネットショップサービスが人気です。可愛らしいデザインが魅力で、アプリも展開しているため集客も期待できます。ネットショップで雑貨屋を開業するにあたり、最も重要なのはオンラインからの集客です。商品が魅力的であれば、ブログやSNSが拡散し、海外からの集客も見込めます。
仕入れ方法
雑貨店の仕入れ方法としては主に以下の3つになります。
メーカーとの直接取引
ギフトショーなどの展示会で取引交渉をしたり、連絡先へ仕入可能かを問合せます。新作商品を優先的に仕入れられたり、大口取引やお付き合いが長くなると掛率が下がる場合もあります。但し、最低受注金額が大きい場合は在庫を抱えてしまうので小さなお店では条件が難しい場合もあります。
問屋で仕入れる
複数のメーカーの商品を、実際に手に取って見ながら仕入れ出来るのは大きな魅力。問屋さんが売れ筋商品などを教えてくれたりアドバイスを受けられる場合もあります。但し、その問屋にあるものしか手に入らず、現地に行かなくてはならないため交通費と時間がかかるのでスケジュールは計画的に行いましょう。
インターネットで仕入れる
24時間仕入れができるのはインターネットならではです。小ロットで注文できるので、開業費の節約や過剰在庫も避けられるという利点もあります。そして送料がかかっても、時間と交通費を考えれば断然お得な場合もあります。但し、手に取って商品を見られないことが弱点。初めて取引する場合はサンプルで仕入れたり、サイズ等の商品情報はよく確認しましょう。
開業にあたり留意点
出店立地の競合調査をし、顧客層を把握する事が重要です。平日、土日、朝、昼、夜など、様々な時間帯の人通りを見て「どんな人たちがいる場所なのか」をリサーチしましょう。
そして、雑貨店は異業種競合が高いです。CVS・スーパー・DIY・リビングショップ等から化粧品店や園芸用品店など、それぞれがその業態に関連した雑貨を販売しています。これらの店舗の状況を事前に観察し、自店でしか取り扱えないような商品対策を考えることが必要となります。
最後に、お店が成功するか否かは仕入れが大変重要になります。どんな商品を置くかは最重要ポイントです。
まとめ
自分の趣味や好きなものに囲まれて仕事をできるという点では大変魅力ありますが、物件や仕入れ、人材採用、広告宣伝などお金がかかる事も事実なので、起業・開業時にはある程度自己資金を持った状態にしておきましょう。