当記事では、ワインバーでの開業について解説していきます。
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ワインバーのタイプ
ワインバーというと基本的には、ソムリエがいるような専門店タイプを指します。このようなタイプの店では高級ワインを提供する会員制の店舗から、低価格ワインを中心にサービスを提供する店舗までコンセプトはさまざまです。
また、ワインラベルが汚れただけで中身は劣化していない高級ワインを提供するアウトレット・ワインバーという新しいタイプの店も登場してきています。ただし、ワインバーのタイプはこれだけではありません。西欧料理を扱うレストランでサービスを提供する店舗や、首都圏で増えてきているイギリスのパブやスペインのバルのような立ち飲みでワインを提供する店舗も広義の意味でワインバーに含まれるのです。
安価で提供するならば、低価格ワインを中心とする専門店や立ち飲みタイプ、高価格のサービスを提供するならば、会員制の専門店や高級レストランといった形態で開業するとよいでしょう。
必要な資格
ワインバーの経営に必要な資格や届出は以下の通りです。
・食品衛生法に基づく営業許可
・食品衛生責任者
まず開業から10日~2週間前程度で食品営業許可申請を出さなければいけません。保健所で現場検証が入ることもあるため、内装や設備などはしっかり完成させておきましょう。食品衛生責任者は半日ほどの講習で取得できる資格です。営業を開始する前までに保健所に届け出ましょう。
ワインバーの形態によって必要な届出等
ワインバーの形態によって必要な届出や許可があります。
・深夜酒類提供飲食店営業開始届出
・特定遊興飲食店営業許可
・防火管理者専任届
・防火対象物使用開始届出書
・火を使用する設備等の設置届
深夜酒類提供飲食店営業開始届出は午前0時以降もお客様に酒類を提供する場合に必要になります。警察の生活安全課に届出ましょう。
特定遊興飲食店営業許可はお店でダーツやカラオケを施設を兼ねる場合に必要になります。ただしこの許可は近くに学校や病院がないかなど細かい規定があります。そのためダーツやカラオケなどの設備の導入を検討する場合には必ず事前に警察署に確認しておきましょう。
防火管理者専任届は店舗収容客が30人以上の物件の場合に必要な届出です。消防署への届出が必要になります。これらの届出は条件を満たしているのであれば、対応する部署に必ず提出しなければいけません。提出しないまま営業してしまうと、風営法に違反し営業停止処分になってしまいます。
防火対象物使用開始届出書は建物の使用開始7日前までに消防署に届け出る必要があります。工事を伴う場合には防火対象物工事等計画届出書も提出しなければいけません。新しく厨房設備や給湯湯沸設備、温風暖房機の設置をする場合に火を使用する設備等の設置届が必要になります。これらの対象設備を設置する前に消防署に届け出ましょう。
ワインに特化した資格は必要!?
ワインを提供する飲食店は多いですが、それらの飲食店とワインバーとの違いは、その専門性にあります。ワインバーの従事者には、ワインに対する深い専門知識が求められます。社団法人 日本ソムリエ協会では、「ソムリエ」「ワインアドバイザー」「ワインエキスパート」といったタイトルの資格を試験合格者に付与しています。経営者もしくは従業員がこうした資格を取得していることも顧客からの信頼を得るために必要なことといえます。
ワインの仕入れ
ワインの仕入れに関しては、酒卸売店からの仕入、酒小売店からの仕入、海外からの直輸入のタイプに分かれます。ワインは品質の維持が難しいため、店内にワインセラーを完備して保存・管理を行いましょう。
手続き
個人事業主として開業する場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
まとめ
ワインバーに拘わらず、飲食店を行う際には様々な資格や届出が必要になります。不安な方は専門家(行政書士など)に事前に相談しておきましょう。