当記事では、陶芸教室での開業について解説していきます。
陶芸教室とは?
大人の趣味として人気のある陶芸。陶芸教室とは、「先生に教わりながら陶芸の作品を作る教室」のことです。
日本の陶磁器の産地は、福井県(越前焼)、愛知県(瀬戸焼)、滋賀県(信楽焼)、京都府(清水焼)、岡山県(備前焼)、山口県(萩焼)、佐賀県(有田焼)などが有名で、それぞれの産地に根差した焼き物の教室が、観光客などを対象に数多く展開されています。そのような産地以外でも各地で教室が開かれています。
陶芸教室で制作される陶磁器は、初心者向けとして、湯飲み、茶わん、皿などが扱われ、経験者や上級者になると、美術的な要素を含めたものまでが対象となります。
仕組み
仕組みは地域や教室で色々ですが、教室代(受講料)を払って教えてもらう、習い事の一種になります。陶芸の場合は材料(陶芸の土)が必要なので、土を購入しないといけない場合はそのお金もかかります。また、作ったものを焼いたり釉薬(表面のコーティングをしているもの)をかけるのに、「焼成費」がかかる場合もあります。道具は、その教室にあるものを使わせてくれる場合が多いです。入会金が必要な教室なら、道具をくれることもあります。
開業タイプ
開業タイプは、基本的に教室で行われます。その中でも「体験型」と「技術向上型」に分かれます。
体験型
初めて陶芸に触れるといった初心者向けの教室です。陶磁器の産地や観光地に多く存在し、陶磁器の土産物店の併設も数多く見受けられます。ターゲット層は幼児からお年寄りまで幅広い。幼児は保護者同伴であれば参加可能なところが多く、簡単な粘土細工などを教えています。電動ろくろは小学生以上で使用され、茶わんや湯飲みづくり、そして絵付けまでを体験します。料金体系は、大人(高校生以上)で、基本料金が1,000円前後のところが多いです。小・中学生向けにはより安価な設定にし、夏休みの自由研究などの需要を取り込んでいます。
技能向上型
陶芸を趣味とする人たちを対象とする技能向上を目的とした教室である。対象は、初心者から上級者まで幅広いです。立地としては、都心など人が多く集まりやすいところに教室を出し、会員制で月会費を徴収するスタイルが多いです。標準的な受講時間は、1回2.5時間程度で月4回の受講です。料金体系は、入会金と月会費(受講料、材料費、設備費の合計)から成り、入会金は1万円前後、月会費は8,000円前後である。上級コースでは、入会金が2万円~3万円、月会費は1万円~2万円の設定が目安となります。また、受講生の作る作品のレベルは高く、定期的に作品展を開催したり、ホームページ上で受講生の作品を紹介したりしている教室が多いです。
必要な手続き
陶芸教室を開業するにあたって必要な許認可などは特にありません。
一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをします。
開業に際しておさえておきたいこと
陶芸を教えるに足るレベル(少なくともセミプロと呼ばれるレベル)の技量を有していることが前提です。また、展示会などに積極的に作品を出展し、個展を開くなどして、世に自身の名前を出す努力が必要です。
コースづくりは、体験型教室の場合、生徒のスキルに関係なく、作品別に教室を開催するとよいです。陶磁器の産地や観光地であれば、地元に由来する焼き物の作り方等を教えると喜ばれます。尚、観光客を対象とする場合は、粘土で作品の型までを作ってもらい、窯焼きして仕上げた完成品を後日、送り届けることになります。
技能向上型教室の場合、生徒のスキル別に教室を開催する。初級コースでは、湯飲み、茶わん、皿といった日用品の一般的なタイプの陶器づくりを教え、上級コースでは、花瓶や急須など、難易度の高い陶器の作り方を教えるほか、生徒の自主性に任せた美術工芸品的な要素のある作品制作をサポートします。
生徒集めに関しては、ホームページや案内用看板の作成、SNSなどでの呼びかけ、地元のフリーペーパーなど、地域広報誌などへの広告掲載、周辺家庭へのチラシ配布などをします。
まとめ
陶芸教室は、40代以上の女性に人気あります。スキルはもちろんですが、集客面や出店場所などを工夫していきましょう。