当記事では、漁師での開業について解説していきます。
漁師とは?
漁師は、川や海などで漁業をし、獲った魚介類を売ることで生計を立てる人のことをいいます。
漁場の違いによって「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠洋漁業」と分かれており、魚を捕らえる方法も「底引き漁」「はえ縄漁」「定置網漁」とさまざまな方法があります。
漁師になる為には
漁師には、特別な資格も学歴も必要ありません。年齢も関係なく、10代のうちから親の後を継ぐために漁師として修業をはじめる人もいれば、水産高校を卒業して漁師を目指す人、なかには脱サラをして漁師へ転身するような人もいます。
沿岸部で漁師として個人で仕事をしたい場合は、船を動かすための「小型船舶操縦士免許」や「海上特殊無線技士免許」などの免許や「漁業権」が必要となります。
💡漁業権とは?
詳細は、水産庁の「漁業権に関する資料」からご確認ください。
開業する場合の手続き
個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
別の仕事との両立も
漁師は、大きくは「遠洋漁業」に携わり各地の漁業協同組合(漁協)の乗組員として働く人と、「沿岸漁業」の個人事業主として働く人に分けることができます。後者の場合は会社などから給料をもらうわけではなく、自分で経営を行っていくようなスタイルになります。
漁師のなかには、漁業と同時に農業など他の仕事もしながら生計を立てている「兼業漁師」をしている人たちがいます。兼業漁師の場合、一週間のうち何日かだけ漁に出たり、あるいは短時間だけ漁に出たりというスタイルをとることで、複数の仕事を両立させています。
まとめ
近年、漁獲高の減少や原油価格の高騰など、漁業をとりまく環境は厳しくなっています。また、輸入ものや養殖ものが安価で手に入ることになったことから、獲ってきた魚が高く売れないといった事態も発生しています。
現代の漁師には、できるだけ経費を抑えて売上を伸ばすための知恵と工夫が求められています。漁師の高齢化が社会課題となっているなか、若手漁業従事者を増やすための制度や取り組みが各地で急増しており、そのようなサポートを積極的に受けることで、これから漁師を目指す人にもチャンスは大いにあります。