『借用書』を作成してトラブルを防止!作成の際の記載事項や注意点について解説

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出来れば、親兄弟や友人・知人との間でのお金の貸し借りはしないほうがよいですが、場合によっては、お金の貸し借りを行なわざるをえないことがあるかもしれません。そのような時で借用書を作成することは大変重要です。

しかし、間違った借用書の書き方をしてしまうと、金額を誤魔化されてしまう場合や、そもそも借金をしていないと主張されてしまう可能性があります。

今回は、借用書作成の際の記載事項や注意点について解説していきます。

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借用書とは?

借用書とは、貸主と借主のあいだで金銭や物品の貸し借りがあったことを証明する書類です。金銭の貸し借りを口約束でする場合は、貸し借りがあったことを証明する手段がないため、金銭トラブルに発展するケースもあります。借用書は、貸主と借主の名前や、金銭や物品の内容、返済方法、返済期限が明記されているので、裁判の証拠としても使えるほど信用性の高い書類になります。

そして借用書は大きく分けて金銭借用書物品借用書の2種類があります。金銭借用書の場合は、借りた金額や利息、返済期限を借用書に明記します。物品借用書の場合は、物品名や使用目的、返却予定日を借用書に明記します。また、金銭借用書には種類もあるので、以下では金銭借用書の種類について説明します。

金銭借用書の種類について

金銭借用書の種類は、以下4種類あります。
 

■ 借用書の種類
    ・借用書(金銭借用証書)
    ・金銭消費貸借契約書(金銭の貸し借りによる取引を証明する書類)
    ・金銭準消費貸借契約書(債務を金銭消費貸借契約に切り替える書類)
    ・債務承認弁済契約書(債務の弁済を約束する書類)

    借用書と金銭消費貸借契約書の違いは、借用書は借主が主体となって作成する書類であるのに対して、金銭消費貸借契約書は貸主と借主の双方で作成する書類になります。また、貸主と借主の商取引上の債権を通常の金銭賃借に置き換える、金銭準消費貸借契約書もあります。債務承認弁済契約書は、すでに金銭の貸し借りがあった後に改めて作成する書類のことです。

    金銭借用書は主に4種類ありますが、これから家族や親戚、友人など個人同士で貸し借りを証明するために作成する書類は、借用書(金銭借用証書)、または金銭消費貸借契約書を作成するケースが多いです。

    こちらから。

    借用書の記載事項について

    最低限、金銭の貸し借りを証明する事項が必要ですが、利息や遅延損害金を定める場合には、それらの項目も追加しましょう。

      ・作成日
      ・借主と貸主
      ・債権額
      ・返済方法と返済期間
      ・利息
      ・連帯保証人(連帯保証人付きの貸し借りをする場合)
      ・遅延損害金・利益損失事由

      作成日

      借用書や契約書を作成した日時を記載します。

      借主と貸主

      借主と貸主の氏名を記載します。借用書の場合、署名捺印は借主だけで構いませんが、金銭消費賃借契約書を作成する場合は借主と貸主両方の署名捺印が必要です。

      債権額

      記入する数字は算用数字でも漢数字でも構わないのですが、後で金額を改ざんされることのないよう注意しなければなりません。例えば漢数字の大字を用い、金額の前に『金』、後に『円』と書くことで、空白にケタを増やして書き入れられないようにすることができます。

      返済方法と返済期間

      銀行振込による返済なのか、直接貸主に手渡しで返済するのか、返済方法を記載します。必ずしも1つの方法ではなく、選択方式でも構いません。返済期間についても設定して記載しましょう。

      利息

      元金と発生する利息について記載します。利息は元金の何%に設定するのか、支払日はいつなのか、できるだけ具体的に明記しておくことをオススメします。利息が発生しない場合は記載する必要はありません。しかし、利息を設定しなかった場合、発生するべき利息分の金額を贈与したと判断され贈与税が発生することがあるので注意が必要です。できるだけ利息を設定しておいた方が良いでしょう。

      連帯保証人(連帯保証人付きの貸し借りをする場合)

      連帯保証人は借主と同列の義務を負います。そのため、借主への請求を主張することや、借主がいなくなっても検索の要求をすることはできません。連帯保証人になることを頼まれたら、慎重に検討する必要があるのです。

      遅延損害金・利益損失事由

      返済が遅延した場合の損害金がどれくらい発生するのか、元金の何%なのかを具体的に記載しましょう。また、借主の利益が損失してしまう事由には何があるのかも具体的に記載しておくことが大切です。

      『借用書』注意するポイントとは?

      ここからは、借用書について注意するポイントをご紹介します。

      1万円以上の貸し借りには収入印紙を貼る


      借用書は課税文書であり、1万円以上の貸し借りには必ず収入印紙を貼りつける必要があります。収入印紙は返済金額によって値段は異なります。収入印紙は、コンビニ、金券ショップでも購入できますが、郵便局で購入するほうが返済金額それぞれの収入印紙も揃っており確実です。

      また、収入印紙を借用書に貼らずそれが税務署に発覚した場合は、本来収めるべき収入印紙の額にプラスしてペナルティとなる収入印紙の額の2倍の額を税務署に過怠税として納めることになります。つまり、収入印紙を貼り忘れると、収入印紙の3倍の額を支払うペナルティが課せられるということです。万が一、収入印紙を貼り忘れたことに気づいた場合は、自己申告をすれば、収入印紙の額の1.1倍の過怠税がペナルティになります。

      収入印紙の貼り忘れによって、借用書が無効になることはありませんが、収入印紙の貼り忘れは脱税行為になりますので、必ず貼るようにしましょう。

      借用書に法的効力はない?

      自身で作成した借用書は裁判の時に証拠として利用することができます。しかし公正証書はないので、借用書だけで債務者を差し押さえることができないケースもあるでしょう。

      しかし借用書を公正証書にしておくことで法的効力を発揮できるようになります。各都道府県の公証役場で公正証書を作成しておくことで、トラブルが発生した時に裁判をすることとなく債務者を差し押さえることが可能です。

      また、公正証書は借主と貸主だけでなく役場でも保管してくれるので安心です。

      鉛筆での作成は基本的にNG

      借用書は、必要事項さえしっかり記載されていれば、作成に対する形式などの決まりはありません。そのため、借用書をメモ帳やチラシの裏などに手書きで作成しても問題はありません。ただし、鉛筆やシャープペンなど書いた字が容易に消せるものは改ざんの恐れがあるため基本的には使用不可です。

      借用書を作成する際は、ボールペンや万年筆など書いた字が消せないペンを使用して作成するようにしてください。基本的にはA4普通紙にボールペンが良いでしょう。

      署名・捺印は必須

      借用書において「お金を貸す人・お金を借りる人」それぞれが誰なのかをしっかり明確にする必要があります。そのためには、借用書には必ず当事者それぞれが署名と捺印を忘れずおこなうようにしましょう。

      捺印をする際の印鑑に関しては三文判やシャチハタでも特に問題ありませんが、署名と捺印がない場合は借用書として無効になるので注意が必要です。

      まとめ

      親族間、友人・知人での金銭の貸し借りであっても借用書を作成しておくことでトラブルを防ぐことができます。借用書は、お金の貸し借りがあったことを確実に証明するとともに、金銭トラブルを未然に防ぐ役割を持つ非常に大切な書面です。

      但し、借用書を作成しても必ず返済してもらえるとは限りません。貸した相手に返済能力がなく、自己破産をしてしまった場合は基本的に貸したお金は返ってきません。お金の貸し借りを行う場合は、相手を慎重に見極めることも非常に重要です。

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