開業届の記入欄には『職業』の欄があり、何を書けばいいのか悩んでいる方も多いかと思います。
結論を言うと、職業の書き方に厳格な決まりはありません。しかし、開業届は税務署に提出する正式な書類になりますので、きちんとした職業を記入しておきたい所です。
今回は、開業届の『職業』記入欄の書き方について解説していきます。
目次
開業届の職業欄に書く内容と記入例
開業届の職業欄には書き方に厳しい決まりがあるわけでもないので、税務署職員の方に伝わる内容であれば問題ありません。それでも何を書けば良いのか迷ったなら、日本標準職業分類を参考にすれば手っ取り早いです。
職業の書き方に厳格な決まりはない
繰り返しになりますが、開業届の職業の記入に明確な決まりはなく、提出先の税務署職員の方がどの職種か判断できる内容であれば問題ありません。特に最近ではインターネット等の発達により様々な職業が増えてきました。YouTuberなどは例として挙げられます。YouTuberは正確には広告収入で利益を出していると思いますので、広告業などと記入することが適切かと思いますが、職業欄にYouTuberと書いても特に問題はありません。
開業届の職業は、あくまでも以下で説明する事業税の時に該当する業種を判断するために記入する欄です。滅多にありませんが、記入した職業がどの業種に当てはまるのか不明な場合は税務署の方から確認がされる程度でしょう。
複数の職業がある場合の職業欄の書き方とは?
個人事業主の方でも複数の事業から収入を得ている方もいるかと思います。例えば、自分で記事を書いてサイトを作ってアフィリエイトなどで広告収入を得る場合には広告業になりますが、依頼を受けてWEB上の記事を作成する場合には、ライター業(文筆業や請負業)になり、厳密には職業が違います。このように複数の職業が該当する場合、開業届の職業欄にはどのように記入すれば良いのでしょうか?
収入が多いメインの職業を記入する(複数記入も可能)
複数の職業がある場合、収入が多い方のメインの職業のみを書くだけで問題ありません。もちろん開業届でも『広告業/ライター業』などと複数書いても問題ありません。一方、確定申告書にも職業を書く欄があるので、そちらで収入がある全ての職業を記入しておきましょう。
職業が変わった場合の変更は不要(確定申告時に変更する)
また、開業してしばらく経ってから新しい事業を始めたり職業を変えるような方もいるでしょう。途中で職業が変わったとしても、新たに開業届を出し直す必要はありません。ただし、確定申告の職業を記入する欄には変更後の職業をしっかり変えて記入しましょう。
職業によって事業税が変わるので注意が必要
記入した職業によって業種が分類され、それによって個人事業税の税率や課税・非課税が変わってきますので注意が必要です。特に自分の職業が言いようによっては何とでもなるような方は、他の職業に言い換えられないかをいったん検討しましょう。
なお、個人事業税の基礎控除は290万円となっていますので、副業などで年間の利益が290万円以下になりそうな方はそこまで気にする内容ではありません。
事業税が発生する法定業種70種と非課税になる職業とは?
事業税は、70種類ある法定業種というものに沿って税率が決められます。反対に、この70種類に該当していなければ非課税になるわけです。事業税の非課税として代表的な業種は、農業・林業・スポーツ選手・芸術家などがあります。
例えば、どちらかというと芸術的な活動をしているのに、「デザイン業」という響きが良いからとデザイン業にすると、5%の事業税が関わってきます。上記でもお伝えしましたが、自分の業種がどのように申請すればいいか微妙な場合は、あらかじめ税理士に相談してみてもいいかと思います。
都道府県によって若干違いますが、東京都では職業と事業税の税率について以下のように決められています。
参考:「個人事業税 東京都主税局」
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、開業届の『職業』記入欄の書き方について解説しました。開業届の職業欄には明確な決まりがありませんが、事業税との関係から、記入前には法定業種の確認をするようにしましょう。