当記事では、アクチュアリーでの開業について解説していきます。
アクチュアリーとは?
アクチュアリーは、確率や統計などの数学的な手法を活用し、おもに保険や年金の適正な掛け金や支払い金を決定する専門職です。個人の寿命や病気、事故にいたる確率など「将来」という不確定な事象の動向に関して、膨大なデータをもとに計算し、予測することが役目です。
このようなスキルを利用して、保険商品の開発に携わったり、企業経営における市場リスクの予測を行ったりと、社会のさまざまな場面で必要とされています。アクチュアリーと名乗って働くには難関の資格試験に合格しなければならず、まだ需要の高さに比べて人材不足が課題となっています。
キャリアパスと資格
キャリアパスについては、一般的には保険会社、信託銀行などに入社し、経験を積みながら、アクチュアリーを目指す人が多いです。
資格について、日本アクチュアリー会主催の資格試験全科目合格が必要です。資格試験合格状況に応じ、研究会員、準会員、正会員、という3つの区別があります。基礎科目5科目のうち1~4科目に合格すると研究会員です。5科目に合格すると準会員となります。さらに2次試験で、専門科目2科目に合格すると正会員となり、アクチュアリーを名乗れます。
アクチュアリーを目指す専門学校などは、他の資格試験に比べ、少ないのが実態です。多くの人は、まず教科書、参考書を使用し、独学で勉強することになります。
過去の問題は、日本アクチュアリー会公式HPで公表しています。
日本での独立は少ない?
欧米諸国では独立開業しているアクチュアリーが多いですが、日本ではアクチュアリーが独立開業しているケースはそれほど多くありません。日本で独立する場合、コンサルティングとして事業を行っているケースが多いです。
開業する場合の手続き
個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
まとめ
今後AIが台頭し、アクチュアリーの仕事はなくなるのではともいわれていますが、アクチュアリーの仕事は、計算だけでなく、それを人に解説し、商品の設計に役立てることです。そのため、AIが普及しても、アクチュアリーの仕事そのものがなくなることはないでしょう。