「創業」ではなく、「第二創業」という言葉をご存じでしょうか?
今回は、第二創業についてや第二創業のメリット・デメリットを解説していきます。
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第二創業とは?
第二創業とは、中小企業等の比較的規模が小さな会社が、新しい経営者を就任させ、先代から引き継いだ事業の刷新を図り、これまでとは全く別の分野に進出することを言います。企業の地盤はそのままに、経営革新を行ってさらなる飛躍を目指すのが第二創業です。
一般的なイメージでは第二創業といえば経営者の交代が伴うものと思われがちですが、同じ経営者が既存事業とは違ったまったく新しい分野に挑戦するケースもあります。
第二創業のメリット
第二創業は全くの新規創業と比べて大きなメリットがあります。
新規創業に比べると失敗リスクが少ない
「第二創業」は何もないところから起業する新規創業に比べると、失敗するリスクが少ないのがメリットです。これまでの事業活動で築いてきた信用、既存事業の収益などが活用できるため、これまで築いてきた地盤を活用しながら、比較的余裕をもって新規分野に参入できるという特長があります。
ただ、既存事業の収益は右肩下がりに減っている状況のケースも多いですから、既存事業の収益がある程度確保できている早い時期に、第二創業にとりかかることが大切です。
資金を調達しやすい
これまでの事業で、金融機関との良好な関係が構築されており、返済実績が良ければ金融機関はお金を貸しやすくなりますし、何よりこれまで事業を行ってきた「信頼」「信用」があります。
信用や収益、人的資源がそろっている
既存の経営陣や社員をそのまま新事業にコンバートできます。新しく人を雇うより、既にチームとして完成しているメンバーを使うことで、スムーズに進めることができるでしょう。
補助金の対象となることがある
第二創業は自治体等の補助金の対象になることがあります。資金繰りや投資についてもバックアップを受けることができます。
第二創業のデメリット
メリットがある一方、第二創業をすることで生じるデメリットも3つあります。
既存事業特有の制限を受けてしまうことがある
以前から行っている事業の慣習などを捨てられず、新規事業を起こしても古い事業運営のやり方に縛られて、柔軟な行動ができない恐れがあります。第二創業は、従業員への理解を得ながら、根気よく取り組みましょう。
既存社員が第二創業に意欲的でないことがある
2つのデメリットにも関連しますが、既存社員が新しい事業になじめなかったり、後継者に対して懐疑的であったりすると、第二創業自体に意欲的でないことがあります。真っ向からの反発ではないため、一見うまくいっているように見え、問題化しない分、解決に時間がかかってしまうでしょう。
第二創業で失敗しないためのポイントとは?
第二創業は、まったく何もないところから新しい事業を確立させるのとは意味が異なります。あくまで継承した事業の基盤(これまで築き上げてきた自社の資産、経験、ノウハウなど)をベースとして、どんなことができて何ができないのかを把握することから始まります。
その上で、その企業の強みや持っているノウハウを生かした事業計画を作成するのが第二創業で失敗しないためのポイントといえます。説得力のある事業計画を作成することで、補助金のみならず、銀行など金融機関からの融資も引き出しやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、第二創業についてや第二創業のメリットやデメリットを解説しました。
経営環境の変化は、これまでの事業にとってマイナスになる可能性もありますが、その変化を分析して自社の既存の経営資源、資産を活かせる方向に転換できれば大きなチャンスに変わります。
第二創業は、公的支援も充実していますので、検討してみてはいかがでしょうか?