世の中に、税理士はたくさん存在していますが、自分(自社)で税理士が必要になった時に、どんな方法で探せばいいのでしょうか?
今回は、税理士に相談したいとき、失敗しない税理士の探し方をご紹介します。
目次
そもそも税理士とは?
税理士とは、国家資格を持った会計・税務のプロフェッショナルです。具体的には、税金の申告や納付に必要な税務や会計業務を専門的に行う職業です。
税理士は国家資格を取得し、税理士会に登録しないと名乗ることができません。法人・個人問わず、税に関する業務を担当し、銀行から融資を受けやすくするためのアドバイスや節税対策のアドバイス、決算書の作成などを行います。
どのような人が税理士になっているのか?
税理士になるためには、大きく分けて以下の方法があります。
・税理士試験に合格、および2年以上の実務経験(租税または会計に関する事務)を積む
・国税従事者として税務署に一定期間以上勤務し、税理士試験に合格する(特定科目の免除あり)
・公認会計士または弁護士の資格を取得する
公認会計士や弁護士の資格があれば、税理士として仕事をすることができますが、最も一般的な方法が、2年以上の実務経験を積み、税理士試験を受験する方法です。どのルートから税理士になったのかによって、得意分野に違いが出ることもあります。
税理士の業務について
ここからは、会社や個人向けの税理士の業務をお知らせします。
≪法人・個人事業主向けの業務≫
・毎月の月次訪問を通じての月次試算表、経営分析表等の情報提供と業績検討
・記帳代行
・節税対策の提案
・決算申告書の作成業務
・経営計画・事業計画の策定支援
・資金調達の支援
・M&Aの仲介/事業継承
・保険を活用したリスク管理業務
・税務調査の立ち会い及びその対応
・その他会計・税務に関する相談に応じること
≪相続税申告に関する業務≫
・相続の事前対策の提案
・相続税・贈与税の申告書作成業務
・税務調査の立ち会い及びその対応
このように、税理士の業務範囲は多岐にわたります。そして各々の事務所によって得意・不得意とする分野も異なります。要するに、ご自身が抱えている悩みや相談したい事項を確認した上で、そのニーズに応えてくれる税理士を探し出す必要があるわけです。
自社に合った税理士を選ぶコツとは?
税理士は中小企業や個人事業主にとって欠かせないパートナーです。そのため、依頼する際は誰に依頼するかが重要になります。ここでは選ぶコツについて簡単に解説しましょう。
経営者と税理士の相性が良いかどうか
選ぶ基準の一つには事業の経営者と税理士の相性が良いかどうかという点です。税金や融資など経営に密接に関わる内容について相談するため、相性が合うかは重要です。専門知識があったとして、馬が合わなければコミュニケーションにミスが発生するなどのトラブルが起きてしまいます。
安心して任せられるかどうかのポイントとして税理士との相性は大切です。相性が合えば、税理士側としても親身になって対応してくれるでしょう。
税理士の得意分野と当てはまっているか
税理士と一口に行っても得意な分野やこれまでの実績は千差万別です。例えば、個人の税務に強い税理士もいれば、法人の税務に強い税理士もいます。法人の税務の中でも「法人税に強い」「事業税に強い」といったケースもあるのです。得意分野がそれぞれありますので、依頼する際は税理士の得意分野を確認しましょう。
また、自社の業種や規模と近しい企業との取引実績があるかも重要です。実績があれば、税理士は過去の経験から顧客自身がまだ認識していない経営の問題点を指摘してくれます。
複数の税理士事務所と比較して選ぶ
依頼する際は複数の税理士事務所に相談すると良いでしょう。1社だけで選んでしまうと、相性が合わない税理士と仕事をすることで不要なトラブルを招いたり、相場より高い顧問契約料を支払うリスクが出てしまったりするからです。
こうしたリスクを回避するためにも、複数の事務所で比較。費用感やサービス内容、税理士の方の相性などの観点で自社に合った税理士事務所を見つけるようにしてください。
税理士の探し方とは?
それでは、税理士はどのようにして探せばよいのでしょうか?以下に、税理士の探し方をいくつかあげてみましたので、ご参考してください。
税理士紹介サイトで検索する
特に大きなこだわりがなく、とにかく色々な税理士から見積もりが欲しい、安くやってほしい、という方には税理士紹介サイトで検索する探し方がおすすめです。
税理士紹介サイトの大手には、「税理士ドットコム」、「税理士紹介センタービスカス」、「ミツモア」などがあり、登録をして希望条件を入力すれば、複数の税理士事務所から応募があり、その中から気に入った税理士事務所とコンタクトを取って価格交渉して契約という流れです。
税理士を探す利用者は無料で利用できる反面、登録している税理士は高額な登録料・成約手数料がかかっており、それがサイトの収入源となっています。相見積もりという性質上、価格競争になりやすいことから、そもそも登録していない税理士事務所も多くあります。ただし、それを差し引いても登録している税理士事務所はかなりの数があり、一度に複数事務所を簡単に比較することができますので、まずはこの方法から試してみるといいと思います。
インターネットで直接検索する
業種に特化した税理士や、こだわりの条件がある場合には、YohooやGoogleでキーワード検索する方法がおすすめです。
税理士紹介サイトでも業種の選択欄などはありますが、「〇〇業に対応可能」なのか「〇〇業専門」なのかでは意味合いが違ってきます。業種や分野特化の税理士はある程度限られていますので、「税理士 〇〇専門」等のキーワードで検索してヒットした上位からいくつかHPを見ていけば、大体の相場感やイメージがつけられると思います。
ただし、インターネット検索の場合は、HPがない場合やHPに力を入れていない税理士は見つけることができません。代々続いているような税理士は紹介のみでやっている場合もあり、インターネットの検索上位にいるからといって必ずしも実力のある税理士とは限らないという点に注意が必要です(ほとんどの場合は実力や実績があるため上位表示されていますが念のため)。
知人から紹介してもらう
交友関係がある知人・友人や銀行などの金融機関から紹介してもらう方法です。
メリットとしては、その知人・友人等を通じて、税理士事務所の業務内容や税理士の人間性・性格等の情報を事前に得ることができる点があげられます。逆にデメリットは、その税理士と面会した後に、やはりその事務所とは顧問契約をしたくないと思ったとしても、せっかく紹介してくれた知人のことを考えると、断りづらくなってしまうこともあり得ます。また、いったん顧問契約をした後、やはりその契約を解除したいと思ったとしても、紹介者の立場等を考えるとなかなか言い出しづらいものです。
商工会議所などの無料相談に行ってみる
税理士を探すことが絶対、というわけでなければ商工会議所などの無料相談に行ってみる方法もあります。商工会議所では定期的に無料の税務相談などを開催していますので、参加して実際に話してみて、その税理士さんが気に入れば、直接お願いしてみるという流れです。
直接会って雰囲気や知識・丁寧さが分かる点はメリットですが、そもそも税理士さんが営業目的で来ているか分かりませんので断られてしまう可能性がありますし、料金が希望と合わない可能性もあります。あくまでも、メインは無料相談で、もしちょうどいい人がいたらくらいで考えている方にはおすすめの方法です。
確定申告セミナーなど、セミナーに参加する
上記、商工会議所と似ていますが、税理士が行っている確定申告セミナーなどのセミナーに参加してみる方法もあります。確定申告の時期が近づいてくるとセミナーがたくさん開催されていますので、お好きな内容のものに参加し、セミナー講師が気に入れば仕事を依頼するという流れです。商工会議所と違い、セミナーを開催している税理士はほとんどの場合が営業目的ですので、仕事をお願いして断られてしまう可能性はほぼないと言えます。
ただし、ある程度大規模なセミナーや有名な税理士の場合、仕事には直接関与してくれなかったり、1年に1度少し顔を出してくれるだけという場合もありますので、実際に依頼をする前には確認しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、税理士に相談したいとき、失敗しない税理士の探し方をご紹介しました。
初回の相談は無料の税理士がほとんどですので、最低でも2人、可能であれば3~4人の中から探すと色々なタイプの人を見比べることができるのでおすすめです。