起業や会社経営に役立つ資格(学ぶべき知識)には、どのようなものがあるのでしょうか?選ぶポイントとしては、以下が挙げられます。
・そもそも資格を持っていないと起業(営業)ができない
・資格取得のために得た知識が経営に活用できる
上記を踏まえた上で、いくつかの起業や会社経営に役立つ資格をご紹介します。
目次
起業や会社経営に役立つ資格
あらゆる分野に関して豊富な知識や経験がある経営者は少なく、あまり知識のない分野でも経営者は立ち向かう必要があります。そのような場合において、資格を取得することは必要な知識などを効率よく得る方法の一つだと言えます。
また、会社の経営において利益を上げることが最も重要な目的であり、そのためにはお金に関する知識やマーケットに関する知見が必要です。そういった知識・知見を得るためにも資格取得を目指し、会社経営に役立てることが大切です。
1.MBA
MBAとは「Master of Business Administration」の略で、日本では「経営学修士」と呼ばれています。海外のビジネススクールや、日本国内でMBAプログラムを提供する大学院の修士課程を修了することで授与される学位です。MBAのカリキュラムには「経済学」「マーケティング・経営戦略」「人材マネジメント」「財務会計」などのプログラムが含まれており、経営に必要な知識を習得することができます。
2.経営士
経営士とは、経営者に対して、経営についてのアドバイスを行える資格です。中小企業診断士と内容が似ている部分が多いですが、中小企業診断士は国家資格であるのに対して、経営士は民間資格になります。そのため取得のハードルは中小企業診断士に比べると下がりますが、試験を受けるためには「経営管理の実務経験5年以上」という条件があります。
3.中小企業診断士
中小企業診断士とは、主に中小企業の経営課題への助言や診断を行う、経営コンサルティングに関する国家資格です。中小企業診断士を取得することで、経営に関して適切に判断を行えるというメリットがあります。中小企業診断士の取得のためには「経済学」「財務・会計」「運営管理」「中小企業経営・中小企業政策」など幅広く学習する必要があるため、取得することができれば、経営に必要な知識を一通り身につけたと言えます。
4.ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、保険・年金・不動産・投資・税金などの面から、顧客の資産運用や生活設計のプランニングを行う仕事です。資格を取得すると、経営上の様々なお金の問題を解決するための基礎知識が身につきます。
5.ビジネス実務法務検定
民法・会社法・労働法などを中心に、ビジネスに関わる法律の知識を習得できる検定です。ビジネスにおける業務上のリスク回避や、法的な問題解決が可能になります。
6.行政書士
行政書士は、官公庁に提出する書類の作成を代行できる専門家です。よく似た資格に司法書士がありますが、登記を除く会社設立や経営に関する書類の作成は、行政書士が行います。
7.税理士
税理士は、税務全般に関するスペシャリストです。会計帳簿から財務諸表、税法まで、税に関する幅広い知識を持ち、会社経営における重要な役割を果たします。
8.社会保険労務士
社会保険労務士は、人材に特化した資格で、雇用や労働、社会保障制度に関するエキスパートです。行政機関に提出する社会保険関係の書類作成や、人事・労務管理のコンサルティング、年金に関する相談に対応することができます。
9.公認会計士
公認会計士は、企業の財務諸表監査などの会計監査を専門とする国家資格です。公認会計士の資格を取得すれば、自分の経営する企業の会計監査・証明業務を行うことができ、問題がないかを判断することが可能です。
10.日商簿記検定
日商簿記検定は、日本商工会議所が主催する簿記の検定試験です。簿記は、企業活動の中での取引による資産や負債等の増減のほか、収益や費用を貸借対照表や損益計算書に記録するものです。そのため、企業のお金の流れを把握しておかなければならない経営者にとっては取得しておくべき資格の一つともいえます。
11.宅地建物取引士・不動産鑑定士
宅地建物取引士は、不動産取引の専門家です。不動産の売買や賃貸に関する契約を行うことを国から唯一許されています。宅地建物取引士を取得すると、不動産取引全般の専門知識や、不動産法・民法・宅建業法などの法的知識を身につけることができます。
不動産鑑定士は、土地の評価や不動産の活用提案などが主な仕事です。不動産の専門家として需要が高いため、起業後は多くの仕事が舞い込む可能性があります。
12.柔道整復師
柔道整復師は、けがの治療を行うスペシャリストです。骨・関節・筋・腱・靭帯などに発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫などのけがを治療できます。意外かもしれませんが、これらのけがを治療できるのは、国家資格である柔道整復師を持っている人のみです。柔道整復師の主な就職先は、スポーツトレーナーや医療・介護施設などで、接骨院や整骨院を独立開業する人も多く存在します。昨今では高齢者が増えたり、パソコン仕事で肩や腰を痛める人が増えたりしているので、これからも需要がある職業と言えるでしょう。
自身の起業に合った資格を取得することが大切
多くの方が、起業をする前に何らかの稼げる資格を取得しようとします。確かに稼げる資格があることで独立開業できる事業は多くありますが、稼げる資格に頼りすぎて自信過剰になってしまってもよくありません。
「資格を取れた=事業がうまくいく」のではなく、稼げる資格を取ったからといって安定した経営ができるとは限らないからです。起業のためにやみくもに稼げる資格を取るのではなく、実際には自分が独立開業や起業をしたい分野で本当に必要な資格を取ることが大切になります。
まとめ
一口に経営に役立つ資格と言っても、様々な資格があります。経営を行う上で自分が必要としている知識を把握し、その分野と関連している資格を取得して経営スキルを高めましょう。