リラクゼーションサロンでの開業について~必要資格・届出や開業資金など~

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心身の癒しを提供できるリラクゼーションサロンのニーズが高まっています。そんな中でリラクゼーションサロンの開業を検討されている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、リラクゼーションサロンの開業について解説していきます。

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リラクゼーションとは?リラクゼーションの種類

リラクゼーションとは、肩凝りや腰痛といった身体の不調にマッサージなどでアプローチしてお客様の健康を増進していくことです。リラクゼーションは医療行為ではないため、お客様に「治療」ではなく「癒し」を提供します。

マッサージの種類は、大きく分けると「ドライマッサージ」「オイルマッサージ」の2つに分かれます。ドライマッサージとは、お客様の衣服の上から行うマッサージのことです。日本でもっとも多く行われているのも、このドライマッサージです。それに対してオイルマッサージとは、基本的に衣服を脱いでいただいてからオイルを使って行うマッサージを指し、欧米で主流となっています。

その他にも、「タイ式マッサージ」や「バリ式マッサージ」など、国によりマッサージの種類や技術が異なります。現在では、海外のマッサージが日本のサロンにも取り入れられ、さまざまな施術が行われるようになってきました。

では代表的なリラクゼーションの種類についてご紹介します。

指圧・あん摩

日本で昔から行なわれているリラクゼーションは「指圧」と「あん摩」です。指圧は筋肉やツボを押すマッサージ、按摩は筋肉やツボを揉んだり摩ったりするマッサージです。指圧やあん摩による施術を行う場合は、「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を取得する必要があり、大学や専門学校に通うことで取得が可能です。

アロママッサージ

女性に人気の「アロママッサージ」では、アロマオイルを使い、筋肉やリンパにアプローチしてマッサージをします。アロマオイルの種類によって異なる効果が期待できます。さらに香りによる癒しの効果もあるのが、このアロママッサージの特徴といえるでしょう。

基本的に裸の状態でマッサージを行うため、痩身メニューや小顔などの美容メニューも同時に提供するケースが多くなっています。

タイ式マッサージ

タイ式マッサージでは、施術の中にストレッチを多用して凝りや疲れをほぐしていきます。マッサージとストレッチの比率が5対5となっているのが、タイ式マッサージの特徴です。

施術者は肘や膝や足の裏なども使ってマッサージするので、非力な女性でも強めの施術が可能です。本場タイでは1日がかりで行われることもあり、日本のサロンでも基本コースが120分と長いケースが多く、サロンに導入することで単価アップが期待できます。

カイロプラクティック

「カイロプラクティック」はここまでにご紹介したマッサージとは異なり、骨格にアプローチしていく技術です。主に骨や関節の歪みを矯正し、健康を増進します。骨や関節からアプローチするため、姿勢改善といったメニューが導入しやすくなっています。

施術中に「ボキッ」という音が鳴るため、「怖い」「痛い」というイメージをもつお客様も多くなっていますが、関節の間の気泡が弾ける音なので、危険はありません。カイロプラクティックの施術者は、アメリカでは「カイロドクター」と呼ばれ、社会的地位も高い職業です。

足つぼマッサージ

足つぼマッサージは、足裏にある反射区を刺激して健康を増進します。足裏には全身の反射区が集まっているため、簡単な健康チェックも可能です。

施術方法は「中国・台湾式」と「英国式」で異なり、「中国・台湾式」は痛気持ち良さを売りにしていて、「英国式」は心地よさ、気持ち良さが売りです。足裏を刺激するので、冷えやむくみの改善をセットにして「美脚メニュー」とする施術者の方が多くなっています。

リラクゼーションサロンの開業タイプ

開業タイプは、主に以下5つになります。

賃貸の貸店舗物件を借りて開業

貸店舗、賃貸マンションを借りて開業するため、ターゲットを明確に絞り込んで立地を選べるメリットがあります。

自宅で開業

自宅に施術ベッドやシーツ、オイル等を設置するので、開業資金を抑えて開業できます。施術内容にもよりますが、家賃がかからず経費が抑えられるため、売上のほぼ全額が利益となります。また子供連れでも通いやすいことがメリットとなります。

レンタルサロンで開業

レンタルサロンとは、施術に必要なベッドを備え、使いたい時に好きなだけ借りられる施術場所を提供するサービスです。物件を借りて開業した場合には敷金・礼金に加え、事業の場合は保証金が必要になりますが、それらがかからず、初期費用を抑えて開業することができます。

出張で開業

場所や時間など顧客の望む都合に合わせて施術者が出張し施術を行います。顧客は主に高齢の人や、お店に通えない人が想定されます。

フランチャイズで開業

未経験でも経営ができ、集客面や技術面でのサポートがあります。また、個人店に比べて知名度とブランドイメージで信頼を得られることもメリットとなります。
 

◇主なフランチャイズを展開している企業
    ・Re・Ra・Ku(リラク):〈株式会社メディロム〉
    ・ほぐしの達人:〈株式会社オリエンタルシナジー〉
    ・MUU:株式会社癒しの手〉
    ・アジアンリラクゼーションヴィラ:〈株式会社ヴィラ〉
    ・全身ほぐし整処ゆるり:〈株式会社HCC〉
    ・手もみ屋本舗:〈株式会社 ミツバファクトリー〉
    ・サロンドチャチャ:〈ハワイアンフォレスト株式会社〉

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    リラクゼーションサロンの開業に必要な準備について

    リラクゼーションサロンの開業に必要な主な準備についてご紹介します。

    店舗

    リラクゼーションサロンの開業は店舗なしでも始められますが、物件を借りるなど店舗を構えて開業するケースも多いです。物件を借りる場合は物件取得費や内装工事費などが必要になりますが、居抜き物件や自宅で開業する場合には費用を抑えることが可能です。

    特に自宅で開業する場合は費用を抑えられる反面、お店が認知されにくいなどのデメリットもあるので、十分に理解したうえで最適な方法を選ぶように心がけましょう。

    採用・教育

    リラクゼーションサロンで従業員を雇用する場合、開業前に採用・教育が発生します。開業後の人件費にも大きく影響するため、計画的な採用が必要です。また、施術・接客におけるスキルを身につけてもらうため、十分な教育を行う必要があります。

    フランチャイズの場合、本部による採用支援や研修を利用できるため、オーナーの負担を抑えて採用・教育を進められます。

    資格・免許・手続き

    リラクゼーションサロンの開業には、特別な資格・免許はいりませんが、持っていることがお店の強みになるケースもあるので、事前にどのような資格があるか確認しておくことをおすすめします。

    また医療行為にあたるマッサージを提供する場合には、別途保健所への「施術所開設届」の提出が必要ですので注意しましょう。

    開業する場合の手続き

    個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

    法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

    リラクゼーションサロン開業で音楽を流す場合は著作権の許諾が必要

    ご自身のリラクゼーションサロンに最適な音楽サービスを選択する前に、知っておかないといけないが「著作権」に関する法律です。

    リラクゼーションサロン店舗などで音楽BGMを流す場合には著作権法により、著作権者の許諾を得る必要があると定められています。この著作権者の権利を「著作権」と言います。つまり著作権とは自宅リラクゼーションサロンの場合や貸店舗を借りて開業された場合も同様に、リラクゼーションサロンの規模や形態や業種を問わず市販のCDやインターネット配信された音源などを店内のBGMとして流す場合には著作権者の許諾を得る必要があるという事になります。「自宅だしバレないだろう」と無断で使用し、罰せられたケースは過去にも本当に数多く存在します。

    著作権者への許可を得る具体的な方法として、著作権協会 (JASRAC)に対して音楽BGM(背景音楽)の著作権使用料として年間6,000円(月500円)程度の支払う事で法律上、許諾を得た事になります。但し、テレビやラジオの放送をそのまま流している場合や有線音楽放送など、BGMの音源提供事業者から音源の提供を受けてBGMを流している場合は著作権使用料の支払いは不要となります。

    有料で店舗向け音楽BGMを提供しているUSENなどと契約した場合、それらのサービス元が利用者に代わってJASRACへ著作権手続きと著作権使用料の支払いをしてくれます。(※料金に著作権使用料が含まれています)したがって、店舗向け音楽BGM配信サービスと契約すれば、著作権協会 (JASRAC)との面倒な手続きなしで最新のヒットソングなどのBGMを手軽に自分のリラクゼーションサロン店舗で流す事が出来ます。

    また、それらの有料サービスに加入する事で、すでに所有している音楽CDを店内のBGMとして再生しても著作権使用料が別途発生する事はありませんので、手持ちのお気入りの音楽CDも店内で流すことも可能になります。

    集客はホームページやSNSを利用しよう

    リラクゼーションサロンをオープンしても、人に知られていなければお客様は増えません。最も効果的で有効な集客方法は、ネットを活用して宣伝をすることです。開業するリラクゼーションサロンのホームページを立ち上げたり、美容・エステ専門のポータルサイトに登録するのもひとつの手段です。Twitter(ツイッター)や Instagram(インスタグラム) などのSNSも有効に活用しましょう。サロンに来たお客様がSNSでお店の情報を発信すれば、それが拡散されて新たな顧客につながるという好循環が生まれやすいので、SNSでの宣伝・発信は特に重要です。ネットで地道に宣伝していけば、それなりの集客につながっていきます。

    昔ながらの方法ですが、地域性の強いフリーペーパーの利用も即効性があるのでおすすめです。

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    リラクゼーションサロンの開業に必要な費用

    リラクゼーションサロンの開業に必要な初期費用は、約500~700万円程度です。当然ですが、小規模でやればもっと費用を抑えることが出来ます。

    主な費用は、物件取得費や内装工事費、什器・備品費、広告宣伝費などで、店舗の立地や規模などによって変動します。新規で店舗を取得する場合、壁紙・床の張替えをはじめ、電気・水道・ガスなどの設備工事も必要なため、内装工事費が高くなる傾向にあります。できるだけ内装工事費を抑えたいという方は、居抜き物件の活用を検討してみると良いでしょう。

    また、リラクゼーションサロンの開業には施術用のベッドやイス、枕、カーテン、パーテーションなどの什器・備品も必要です。中古と新品のどちらで準備するのかによって費用が変わります。

    リラクゼーションサロンをフランチャイズで開業する場合には、加盟金や保証金、研修費など本部への支払いが発生します。本部によってさまざまですが、加盟金や保証金が低額で設定された加盟プランを提供するなど、初期費用を抑えた開業が可能なところもあります。

    そして、初期費用だけではなく、事業開始後にすぐに売り上げが立ちませんので、余裕をもって運転資金を1ヵ月に係る費用×6ヵ月分くらいは事前に用意しておきましょう。ちなみに運営資金の主な費用として、人件費や賃貸料、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費などが挙げられ、店舗の規模や仕入れなどによって変動します。

    開業資金をどこから調達すればいいのか?

    開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

    日本政策金融公庫

    日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

    一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

    創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

    信用保証付の融資

    「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

    手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

    親族、友人・知人からの借入

    親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

    その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

    まとめ

    今回は、リラクゼーションサロンの開業について解説しました。

    リラクゼーションサロンは、どうすれば固定客を獲得できるか、何度でも足を運んでもらえるようなお店づくりにできるかが重要なポイントといえるでしょう。たくさんの人がリピーターになってくれるような魅力的なサロンを作り上げるためにも、明確なコンセプトと独自性、そしてそれを実現するためのしっかりとした準備と計画が必要になります。

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