AI(人工知能)とは?概要や主な取り組みについて解説

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AI(人工知能)について近年よく耳にする機会が増えてきました。実際にAI技術を用いられた商品や取り組みも数多くあります。また1950年ごろから研究の始まったAIですが、近年急速な発展を遂げています。

そこで今回は、AI(人工知能)の概要や主な取り組みにについて解説していきます。

AI(人工知能)とは?

AIとは、Artificial Intelligenceの略称です。Artificial(人工的・人造の)+Intelligence(知能・知性) で人工知能を指す言葉として浸透しています。

そしてAI(人工知能)の意味は、コンピューターなどの技術を用いて、人間が行う知的な作業を模した働きを行う研究分野のことになります。AIは膨大なデータを処理することができ、学習内容によっては人間が判断するのに比べて高速かつ正確な判断を行えるのが特徴です。

AIの対義語

AIの対義語は、Natuar Intelligence(ネイチャー・インテリジェンス)という言葉です。「NI」という略称で呼ばれています。Natuar Intelligenceを和訳すると「自然知能」となり、人間や動物などの自然が生み出した知能のことを表した言葉といえるでしょう。

AIになぜ注目が集まっているのか?

近年急速に発展を遂げ、人間の知能を模倣することで、より複雑な問題の解決に取り組める可能性が高まっているAI技術は、自動化や効率化などの面で特に期待されており、さまざまな業界から注目を集めています。製造業では自動化による生産効率の向上、医療分野では疾患の早期発見や診断の支援など、すでにAIが活用されている事例も多く見受けられます。

AIの仕組み

AIは膨大なデータを記録することで、人間のような知的なふるまいを見せます。では、AIはどういった方法でデータを集めるのでしょうか? AIの学習方法には人間が定義したルールを基にAIが判断する「ルールベース手法」など、いくつかの種類が存在します。この項では、2023年現在主流となっている「ディープラーニング」を含めた機械学習について説明します。

機械学習

機械学習とは、大量のデータをもとにAIが自ら学習して、予測や分類の作業を実行するモデル・アルゴリズムを自動的に形成できる技術を指します。

機械学習の方法は、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類に分けられます。以下で、それぞれの種類ごとに機械学習の方法をご紹介します。

教師あり学習

ラベル(正解の情報)が付与されたデータを使って機械に学習させる方法で、データセット(標本データ)に基づいた予測モデルを形成する。

教師なし学習

ラベルを付与していないデータを使って学習させる方法で、データセットの規則性や類似性に基づいて機械が予測モデルを形成する。

強化学習

目的として設定した「スコア」を最大化できるように、機械に自ら試行錯誤しながら学習させる方法。

これらの機械学習は、画像に写っている人物の顔を判別できる認証機能や、過去のデータに基づいた株価の将来予測などで活用されています。

ディープラーニング

ディープラーニングは教師あり学習の手法の1つとして位置づけられている学習方法。多層的なニューラルネットワークを用いて、AI自体がデータから自動的に学習します。学習のためには大量のデータが必要で、学習に時間がかかりますが、通常の機械学習よりも精度が高いのが特徴です。

画像の自動認識、自動生成

機械学習でも加増判別を行うことは可能ですが、機械学習では色などのデータから判定を行っています。一方、ディープラーニングでは色などの決められた要素だけで判定を行わず、「どこを見るか」を自動で学習していくわけです。まさに、人間が画像を見て認識する際と同じようなイメージといえるでしょう。言葉では表現できない微妙な違いも表現できるのがディープラーニングの大きな特徴です。

こういった技術を活用し、最近では需要予測、株価予測などにもディープラーニングが導入され始めています。

AI活用例

AIの活用は世界中のさまざまな分野ですでに始まっており、発展を遂げています。

医療分野

症状や画像からどんな病気か診断する支援や、レントゲン写真などを解析して病気の早期発見や治療の有効性を評価、薬剤の開発支援、予防医療など、医療分野でのAI活用も進んでいます。

製造業

製造やロボット分野では、AI技術を用いることで生産ラインの自動化や品質管理など、作業者の負担軽減が進められています。画像解析技術によって、欠陥や不良部品なども人の目よりも正確に検出できます。

音声認識

近年身近な存在になっているスマートスピーカーや音声アシスタントなどは、AIによる音声認識技術で成り立っています。音声の特徴を解析し、即座にテキストに変換することで会話のような処理を行います。擬似的な会話を楽しむサービスもあれば自動で議事録を作成してくれるサービスなど、ビジネスの場で利用しやすいサービスが多いのも特徴です。

小売・流通業

小売や流通でもAIは活用されています。通販サイトなどでは購買履歴や閲覧履歴から、顧客がどういった商品を求めているか分析し、おすすめとして表示するなど、販売促進で活用。需要の予測を行うことで、在庫ロスの削減などにも役立っています。自動化によって物流の最適化、商品の品質管理など流通分野でもAIは欠かせない存在です。

イラスト・音楽製作

イラストや音楽など芸術分野にもAI技術は進出しています。いくつかの単語を条件として与えることでイラストを生成するサービスや描いたイラストの着色などを行うAIサービスなど、すでに多くのイラスト製作・補助のAIサービスが発表されています。

ただし、AIの学習元が明示されていないサービスも多く、他人の創作物を無許可で読み込ませているケースもあるようです。法整備が進んでおらず、倫理的にもグレーな部分が多いため、サービスの利用には注意しましょう。

その他

上記では一部分について紹介しましたが、その他にもゲーム(ビデオゲーム/ボードゲーム)、自然言語処理(機械翻訳/言語モデリング/質問への回答)、オーディオ(音楽生成/オーディオ分類)、スピーチ(音声認識/音声合成)など様々なところで活用されています。

AI導入のメリット・デメリット

今後、さらなる活躍が期待されているAIですが、企業活動にAIを導入する場合のメリットとデメリットを解説します。

AI導入する事のメリット

企業がAIを導入する場合の主なメリットは以下の通りです。

・生産性の向上
・労働力不足の解消
・ミスの減少や安全性の向上
・精度の高い分析や予測が可能
・コスト削減

まず、人間が行っていた仕事を人間よりもスピーディに休みなく、しかもミスなく行えるため、生産性が向上します。一部の業務においては省人化や無人化も可能になるため、昨今の労働力不足や人件費高騰を補えるのではないかと期待されています。また、単に人間の仕事を置き換えるだけでなく、高精度な予測によって人間の判断をサポートすることも可能に。具体的には投資における株価予測や、医療分野での早期診断などへの活用がすでに始まっています。

AI導入する事のデメリット

企業がAI導入する場合の主なデメリットは以下の通りです。

・雇用の減少
・責任の所在が不明瞭
・情報漏洩のリスク
・リスク管理が困難
・一時的なコスト増

AIに関するデメリットとしてクローズアップされているのが、これまでの業務がAIに置き換えられて雇用が失われるのではないかという不安です。特に、単純作業を中心とした定型業務については、実際にそうした動きが起きると言われています。加えて、昨今では画像生成AIや音楽生成AIなどの登場により、これまでは最もAIに仕事を奪われないとされてきたクリエイティブ領域にも影響を及ぼすとの議論も出てきました。(一方で、AIを活用する仕事や、AIで代替できない仕事などはむしろ新たな雇用を創出する可能性もあります。)

そのほか、AI自動運転車が事故を起こした場合に責任の所在が不明確になるリスクや、外部のAIサービスを利用する際に入力(送信)したデータが漏洩する(学習に使われてしまう)リスク、AIの学習データが著作権や個人情報保護法などを侵害しているリスクなども、AIのデメリットとして挙げられます。

AIを導入する際は、そうしたリスクへの対策をあらかじめ考えておく必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事ではAI(人工知能)について説明しました。

業種・業界、国や地域を問わず、さまざまな場所で活用されているAI技術ですが、「人の代わりにロボットが働く」など、フィクションで描かれた未来はすぐそこまで来ているのかもしれません。

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