近い将来、Web3.0(Web3)の時代が到来すると言われています。ブームに先駆けて、Web3.0(Web3)への理解を深めてみてはいかがでしょうか。
そこで今回は、Web3.0(Web3)の基礎知識や特徴について解説していきます。
目次
web3.0(web3)とは?
Web3.0とは、「分散型インターネット」と称される次世代のインターネットです。何か情報を調べたり発信する、動画コンテンツを視聴したり配信する場合、GoogleやInstagram、YouTubeなどのプラットフォームを利用するのが一般的です。このようにプラットフォームの管理者が中心に存在している中央集権型のサービスでは、管理者が定めたルールに反してしまうとアカウントが凍結されたり、サービスを利用できなくなる可能性もあります。
一方、web3.0(web3)は「分散型インターネット」とも呼ばれています。管理者が存在しなくても、ブロックチェーン技術を活用してユーザー同士でデータを管理したり、個人間でのコンテンツの提供、デジタルデータの販売、送金などが可能です。
Webにおける時代の流れ
Web3.0を深く理解するためには、それまでのWebにおける時代の流れを把握した方がわかりやすいでしょう。これまでのインターネットは、Web1.0とWeb2.0の時代に分けられ、それぞれの時代の特徴は以下になります。
Web1.0(1990年~)
・「ごく一部の人が」情報を発信する
・コミュニケーション:メールなど
Web2.0(2000年~2020年)
・「多くの個人が」情報を発信できる
・個人同士のコミュニケーションが可能
・画像や動画が中心
Web3.0(2021年~)
・ブロックチェーン技術の活用
・分散型の考え方
・国や人種を超えたコミュニケーション
Web1.0は、インターネットが始まったばかりの時代で、「情報の流れが一方通行な時代」と表せます。当時、ネットワークの速度が遅かったこともあり、テキストが主体であるWebコンテンツが一般的でした。発信する側の数も少なく、ユーザーは情報を得るために新聞やテレビと同じような感覚でWebサイトを閲覧していました。一方通行の通信がメインで、コミュニケーションの手段としてはメールでのやり取りが主流でした。
2000年~2020年頃は、Web2.0の時代とされています。TwitterやYouTubeなどのほとんどのサービスがWeb2.0に分類されます。インターネットにおける通信速度が高速となったため、双方向でのコミュニケーションが可能となりました。それにより、大きなデータのやり取りができるようになったため、動画サイトや動画広告が一気に普及し、テレビや新聞広告の総売り上げをインターネットの広告が初めて追い抜いたのもこの時代でした。また、TwitterやInstagram、FacebookやLINEなどのSNSサービスも大きく拡大し、ユーザー同士が簡単にコミュニケーションを取れる時代へと変化しました。しかし、さまざまな情報やモノがインターネットに接続されるようになり、便利になった一方で、情報漏えいなどの「セキュリティリスク」が問題視されるようになりました。
これらの時代を経て、今後Web3.0の仕組みへと徐々に以降していくことが予測されています。
Web3.0の特徴
Web3.0は、これまでのWeb2.0のようにプラットフォームに依存することなく、個人間でも自由にやり取りが行なえる特徴があります。
ここでは、その他のWeb3.0における特徴について説明していきます。
データの所有権がユーザーにある
まずデータの所有件ユーザーにあることです。Web2.0では、Web上におけるデータを所有しているのはプラットフォームの提供企業です。仮にプラットフォーム側でデータが削除されてしまえば、購入したデータであっても利用することができなくなります。例えば、Spotifyでダウンロードした楽曲は、もしSpotifyがデータを削除してしまうと、購入したデータを失うことになります。
しかし、Web3.0では、複数のコンピューターが分散管理しているため、ユーザーがデータを所有できます。したがって、データの改ざんや消失するリスクを抑えられるのです。
セキュリティ性能の向上
続いての特徴は、セキュリティ性能が向上する点です。Web2.0では、Web上における個人情報を含んだあらゆるデータを、プラットフォーム企業が管理・運用しています。もし、サイバー攻撃にあえば個人情報が流出してしまう可能性があります。
しかしWeb3.0では、ブロックチェーンの技術によって、複数のコンピューターでデータを分散管理しているので、情報漏洩が発生することがありません。またWeb3.0は、メールアドレスやパスワードの登録を行わなくても、サービスを安全に利用できます。
通信に仲介組織が不要
続いての特徴は、通信の際に仲介組織を介す必要がなくなることです。Web2.0では、ユーザーは自信のパソコンやスマホなどの端末から、Webサービス提供会社が運用するサーバーへアクセスすることで、Webサービスを利用していました。
Web3.0では、P2P(ピア・ツー・ピア)と呼ばれる方式によって、企業のサーバーを介さなくても、ユーザーの端末同士でネットワーク通信が可能となります。
サービス利用がグローバル化
Web3.0の分散型アプリケーションDApps(ダップス)は、国境や人種を超えて自由に利用可能です。DAppsを活用することで、自由に誰もが世界中のサービスへアクセスできるようになります。また、匿名での利用も可能なため、企業や国が規制できないという特徴もあります。
Web3.0のメリット
では、Web3.0にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下でWeb3.0のメリットを紹介していきます。
個人情報の漏えいリスクの低下
まず挙げられるのは、個人情報の漏えいリスクの低下です。先ほど述べた通り、YoutubeやInstagramなどに代表されるWeb2.0のサービスは、利用するために個人情報を入力する必要がありました。ユーザーの個人情報は、これらのサービスを運営している企業のサーバ内で管理されていたため、外部からのハッキングや管理者による誤操作などで、それらの情報が一気に流出してしまうというリスクを抱えています。
一方Web3.0のサービスを利用するためには、どこかの企業のサーバに情報を登録するというステップは必要なく、個人情報の登録は基本的に不要です。これによって個人情報の漏えいリスクが大幅に減少しています。
セキュリティの向上
また、ブロックチェーン技術の採用により、セキュリティも向上しています。分散型のシステムであるため、データの改ざんも困難です。
サービスの安定化
その他にも、Web3.0には、サービスの安定化というメリットもあります。Web3.0では、管理者を必要としないサービスが展開されています。それらのサービスは、管理者がいないかわりにプログラミングされたとおりに動くため、プログラミングに変更がない限り、定期的なメンテナンスなどの必要がありません。メンテナンスのたびにサービスが利用できなくなるといった心配もなく、24時間使うことが可能です。
まとめ
Web3.0は次世代のインターネットとして注目を集めていますが、まだまだ発展途上にあります。これからさまざま分野で幅広いサービスが展開されていくことが見込まれる一方で、匿名性を活用した犯罪などのリスクを指摘する声も見受けられます。今後は、新たなサービスを消費者が安全に利用できるための法整備も求められてくることでしょう。
何よりも、インターネットの新たな時代が始まろうとしているこのタイミングでは、Web3.0について理解を深めることが何よりも大切になります。今のうちにWeb3.0について理解しておくことで、今後のインターネットに適したビジネスを展開できる可能性も高くなります。自社のビジネスに活用するためにも、Web3.0の知見を深めておくことをおススメします。