【日本人のための環境用語集】気候変動適応(Adaptation)とは?

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気候変動適応(Adaptation)とは?

気候変動適応(Adaptation)は、気候変動の影響に対処し、脆弱性を低減する戦略と行動を指します。これには、極端な気象事象、自然災害、海面上昇、生態系の変化、食糧・水の供給の不安定さなどへの対応が含まれます。適応策は地域に応じて異なり、都市や農村などがその中心的な役割を果たしています。

例として、乾燥に強い作物を導入することで、耕作地の持続可能性を確保し、食糧供給の安定を図ることができます。再生農業の推進は、土壌や水資源を適切に管理し、農業の持続可能性を向上させる方法です。また、水資源の効率的な利用は、水不足に対処するために不可欠であり、地域の需要に適した方法で水を供給することを目指します。野火や洪水などの極端な気象事象に対抗するため、土地利用計画を見直して防護施設を強化することも重要です。

しかしながら、適応策は地域だけでなく、国や国際レベルでも推進される必要があります。政府は、適応策を支える政策の策定や、海岸インフラの強化、早期警報システムの改善、気候関連の保険制度の確立、生態系の保護など、大規模な取り組みを進めています。

世界で進められている気候変動適応

国際的なコミットメントも存在し、パリ協定においては、地球温暖化を2℃以下に抑え、できれば1.5℃に抑えるという長期目標が採択されました。持続可能な開発目標(SDGs)の中でも、ゴール13は「気候変動に具体的な対策を」を定め、気候関連の災害に対する強靭性と適応能力の向上を目指しています。

気候変動適応において、国ごとに異なる対策が求められるのは、気候変動の影響が地域の地理的、経済的、社会的な条件に大きく依存するためです。このため、日本では2018年に「気候変動適応法」が制定され、各地域が独自の適応策を実施することを奨励しています。

日本の気候変動適応について

日本は2020年に「気候非常事態宣言」を採択し、2021年には「地球温暖化対策の推進に関する法律」を改訂して、国際社会と協力し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化しました。また、地方自治体も気候変動適応法に基づいて地域の気候変動適応計画を策定し、未来の気候変動への準備を進めています。

まとめ

気候変動に対処するためには、温室効果ガスの削減(緩和)と適応の両方が必要です。国、地方自治体、事業者、国民が協力し、気候変動への総合的なアプローチを追求することが重要です。適応策の推進と緩和策の実施は、気候変動の課題に対処するために不可欠な取り組みです。

引用
UNDP 「The Climate Dictionary」
https://www.undp.org/publications/climate-dictionary
気候変動適応情報プラットフォームポータルサイト
https://adaptation-platform.nies.go.jp/

関連サイト
ベクターエネルギー
https://venergy.vector.co.jp/
ベクターエコサービス
https://vecos.vector.co.jp

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