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カーボンフットプリント(Carbon Footprint)とは?
カーボンフットプリント(Carbon footprint)は、個人及び団体、企業などが生活・活動していく上で排出されるCO2などを調べて把握すること。また、ライフサイクル(商品が市場に提供される過程)のCO2排出量を商品に表示させることです。
カーボンフットプリントに関する主なライフサイクル
1. 原材料調達(原材料、生産サイトまでの輸送)
▪原材料
▪生産サイトまでの輸送
2. 生産(工場などの生産サイトでの生産)
▪使用する水、製造時の廃棄物
▪生産の各段階でのエネルギーの使用、排水処理
3. 流通・販売(生産サイトから顧客の手元に届くまで)
▪輸送途中の倉庫で積み替える段ボール(※原材料調達に含める場合もあり)
▪輸送、輸送途中での倉庫での保管
4. 使用・維持管理(顧客の使用)
▪製品使用時に必要な電力や水
▪家庭内での冷蔵保管
5. 廃棄・リサイクル( 顧客の手元から廃棄・リサイクルサイトへの輸送、廃棄・リサイクル処理)
▪ 廃棄物輸送に必要な梱包材
▪ 廃棄物処理場への輸送、廃棄・リサイクル処理
カーボンフットプリントのこれまで
カーボンフットプリントはイギリス政府のPAS2050規格の創設をきっかけに、各国に広がりました。現在、国際標準化機構(ISO)はカーボンフットプリントの算定手法と制度として、2018年にISO14067を公開しています。
日本においては、2008年度よりカーボンフットプリントの制度が検討され、その後、運営開始されました。これにより、個人及び企業は、自身の生活や事業において、どの部分でどれだけのCO2を排出しているのかを理解し、CO2排出量を削減する動きが活発化しました。カーボンフットプリント表示により、商品が作られる過程のCO2排出量の可視化が可能となり、消費者は目視でCO2排出量の確認ができるようになり、商品の選択時に考慮し、購入できるようになりました。
カーボンフットプリントのこれから
消費者が環境を考慮し、CO2排出量の低い商品を選択・購入することにより、企業はカーボンフットプリント表示により意欲的になり、環境を考慮した商品を生産することになるため、CO2排出量の削減が進んでいきます。
但し、CO2排出量の削減には費用がかかるため、商品の価格設定が高くなる可能性があります。この点で、価格と品質に対する消費者の選好と、CO2排出量削減の課題が交錯します。この課題においては、消費者の環境問題及び環境改善の重要性についての意識、カーボンフットプリントの認知、また、消費者の商品選択肢にカーボンフットプリント表示が組み込まれることが必要です。
カーボンフットプリントの効果と課題
カーボンフットプリント表示は商品の生産だけでなく、不動産や公共事業、サービスなど様々な分野に適用可能なため、さらに広範囲な効果が期待されます。
一方で、カーボンフットプリント表示の普及には課題も存在し、具体的にはCO2排出量の計測方法や証明の信頼性、算定の透明性、表示の正確性などが問題となることがあります。しかし、企業においては、CO2排出量を開示することで、環境に配慮した商品の生産を行う企業としてブランディングとなり、他社との差別化、そして、商品やサービスの競争力にもなります。
まとめ
カーボンフットプリントは持続可能な環境への取り組みの一環として重要な指標であり、個人や団体、企業および社会全体に啓蒙的な影響を与える可能性があります。これからの展開について、世界中から注目されています。
引用
UNDP 「The Climate Dictionary」
https://www.undp.org/publications/climate-dictionary
環境省
https://www.env.go.jp/press/press_01409.html
関連サイト
ベクターエネルギー
https://venergy.vector.co.jp/
ベクターエコサービス
https://vecos.vector.co.jp