創業当初に赤字が出たら知っておきたい『欠損金の繰越控除制度』について解説

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特にゼロからの創業する場合には、会社設立当初はなかなか得意先、取引先などの顧客が見つからずに赤字になることも珍しくありません。現在、全体で約7割の赤字会社があると言われています。そういう状況でも、法人税において、欠損金の繰越控除という便利な制度が設けられていて、創業当初の赤字も繰越ができる事はご存知でしたでしょうか?

今回は、中小企業における欠損金の繰越控除制度について解説します。

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繰越欠損金とは?

法人税を計算するために所得計算をする場合において、所得が赤字であるときのその金額のことを欠損金といいます。

現在、法人税法において、青色申告をする場合などには、一定の期間はその欠損金を将来に繰り越しをして、将来の一定期間に生じた黒字分の所得と相殺することを認めています。この法人税法の規定に基づいて繰越を行っている過去の欠損金のことを繰越欠損金と呼びます。

繰越欠損金は、繰越した期間における課税所得から繰り越された欠損金を控除することにより、それに対応する税額が減少することが出来ますが、繰越欠損金に税金を減額する効果があるのは、繰越欠損金の繰越期間に黒字になることが前提になっています。

欠損金の繰越控除制度とは?

事業年度に生じた欠損金について、翌年度以降9年間にわたり所得金額から繰越控除することができます。また、資本金1億円以下の中小企業は、欠損金の1年間の繰戻還付を受けることができます。

欠損金の繰越控除制度について簡単説明すると、法人で青色申告書を提出していれば、9年まで赤字を繰越できるということになります。

■ 法改正により欠損金額の繰越期間は10年に延長

平成28年度税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額の繰越期間は10年とされました。まだ起業1年未満の会社が適用となります。

ちなみに・・・・。
・平成13年4月1日前に開始した各事業年度において生じた欠損金額については5年
・平成13年4月1日以後に開始した事業年度から平成20年4月1日前に終了した事業年度において生じた欠損金額については7年
・平成20年4月1日以後に終了した事業年度から平成30年4月1日前に開始する事業年度において生じた欠損金額については9年
・平成30年4月1日以後に開始する各事業年度において生じた欠損金額については10年になります。

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欠損金繰越控除の要件

欠損金繰越控除を適用できる企業は一定の要件を満たしている企業に限ります。

・9年以内に開始した事業年度の欠損金である法人(平成30年4月1日以後に開始する各事業年度において生じた欠損金額については10年)
・青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額である法人
・欠損金額が発生した事業年度後も連続して確定申告書を提出している法人
・帳簿書類等を適切に管理・保存している法人

以上の4つの要件をすべてクリアする必要があります。適切に管理していて、青色申告をしていることがこの制度では重要になります。

但し、赤字が良いということではない

繰越欠損金は将来的に黒字に転換できることを前提に活用するものなので、本来の業務で黒字化できるようにすることが最優先です。

対外的に決算書の数字が赤字ということは、会社の状況が良くないということになります。取引先への見え方や金融機関から融資などのお金を借りる際にはマイナスポイントになります。更に、赤字企業でも最低でも年間で最低7万円の法人住民税を支払う必要があり、個人の所得税や住民税や社会保険料は取られますので、役員報酬の見直しなどが必要になります。

こちらから。

繰越欠損金の制度は法改正に注意

繰越欠損金の制度は、頻繁に税法の改正が行われている部分であるため、非常に複雑な制度となっています。特に、欠損金がいつの年度に発生したものかによって、繰越せる期間が異なってきますので注意しておきましょう。

まとめ

欠損金の繰越控除制度は、赤字が出たとしても、翌年度以降に繰越すことによって将来の法人税負担を軽減し、特に起業直後の会社については安定して存続するために必要な制度となります。青色申告の承認申請を行い、適切に帳簿を付けていく習慣を付けましょう。そして、抜け漏れのないように専門家である税理士などと相談しながら進めていきましょう。

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