ビジネス用語で『KPI・KGI』という言葉が使われることがあります。
大手企業やコンサルティング会社出身の方々には馴染みのある言葉ですが、「言葉自体分からない」「聞いたことはあるが意味を知らない」などという方は結構いらっしゃるかと思います。
今回は、目標達成の為に使われるビジネス用語『KPI・KGI』について解説します。
目次
KGI・KPIとは?
KGI(キーゴールインジゲーター)とは?
KGIは「Key Goal Indicator」の頭文字から取ったもので、「重要目標達成指標」と訳されております。簡単にいうと最終的に達成すべき成果を表した指標になります。
KPI(キーパフォーマンスインジゲーター)とは?
KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字から取ったもので、「重要業績評価指標」と訳されております。簡単にいうとプロセスの進捗状況を評価するための指標になります。
上記のように、KGI(最終的に達成したい目標数値)があり、そのプロセスにKGIを達成するためのKPI(目標数値を達成するための短期的・中期的目標)がいくつも並んでいるようなイメージとなります。
例えば、問い合わせ件数月間30件(KGI)とした場合、その為のプロセス設定として①広告予算〇万投下②SNSのファン数を〇人増加③サイトPV数〇〇〇件(①~③までがKPI)のように目標に対する行動をより明確にする事により、目標達成に導くことが出来ます。更に目標建てをしたKPIではKGIが達成できない為、都度KPIを見直していくことも大切です。
このように、どのような状態であれば目標を達成しているか、目標を達成するためには何をクリアすればいいのかを可視化できる「 KGI ・ KPI 」の設定は、目標をクリアするための大きな助けとなります。
KPI・KGIを設定する時の注意点
ただやみくもにKPI・KGIの設定していても意味はありませんし、間違った設定をしていた場合、その目標に向かって行動する分、逆に余計な時間と労力がかかってしまいます。ここでは設定するときの注意点をお知らせします。
必ず定量的に評価できる指標にする
まず、定量的に評価できる指標にしましょう。数値としてモニタリングできるものでなければ進捗度や達成度について、被評価者と評価者の間で認識のズレが起きやすくなるだけでなく、施策の効果検証もしづらくなります。職種によっては目標の定量化が難しい場合もあるでしょうが、できるだけ数値に置き換えるのがコツです。
たとえば、「ECサイトのユーザー満足度を上げる」という定性的な指標については、レビューの平均評価を取り入れたり、ユーザー満足度調査を実施したりして数値化しましょう。ただし、設定数値があまりに細かすぎると、逆にその指標に振り回されてしまい、本来の目的を見失いかねません。一例として、「1日あたりの来客数や営業機会数を伸ばす」などのスパンの短すぎる数値はKPIには不適切です
KGIと関連性の薄いKPIを設定しない
KGIを達成するための過程を定め、評価するためにKPIが存在します。KPIの方針がKGIと同じ方向を向いてない場合、計画どおりに進めていたのにも関わらずKGIが達成されないという事態が起きてしまいます。
そうならないように、KPIを確実に遂行することで本当にKGIの達成に貢献できるのかという点には細心の注意を払いましょう。
現実的な数値を目標に設定する
現状と達成目標があまりにもかけ離れていたり、達成のビジョンが全く見えない目標は、機能しないどころかモチベーションを下げる可能性があります。
そのような事態に陥らないよう、KGIを確実に達成できるような数値を考えつつも、実現可能な範囲でKPIを設定しましょう。もちろん、KPIの負担が増えすぎないようにするために、KGIも現実的な数値で設定することが必要になります。
間違った設定をしてはいけない
KPIの行動方針がKGIと同じ方向を向いていない場合には、計画どおりに進めていたのにも関わらずKGIが達成されないということになってしまいます。そうならないように、KPIを確実に遂行することで本当にKGIの達成に貢献できるのかという点には細心の注意を払いましょう。
設定を細かくしすぎない
KGIを達成する為にKPIを分解しようとすればいくらでも細かく出来ますが、あまりにKPIを細かくし過ぎると、行動する時に何故そのKPIを設定しているのかわからなくなってしまう可能性があります。
KGIとKPIの具体例
業種や職種ごとに適切なKPI・KGIが存在します。ここでは、KPI・KGIの具体的な例をご紹介します。
営業職
もともと成果が数字で表れやすい営業職では、比較的スムーズにKGI・KPIを設定できます。営業職のKGIに設定される機会が多いのは、以下の3つです。
・売上高
・成約数
・成約率
これらのKGIにマッチするKPIには、以下のようなものがあります。設定のポイントについては後述しますが、それぞれ期限を設定して具体的な改善率を数値で示していきましょう。
・○○ヵ月以内に見込み客への営業訪問数を○○%増やす
・今月中に新規顧客への営業電話数を○○%増やす
・○○ヵ月以内に見込み客の成約率を上げる
・○○ヵ月以内に平均顧客単価を○○円から○○円に改善する
・受注までの期間を2ヵ月から1ヵ月に短縮する
マーケティング職
営業職ほどではありませんが、マーケティング職も比較的数字で示しやすい業務が多く、特にKGI・KPIを設定しやすいのはWebマーケティング領域です。Webマーケティング領域でのKGIの候補には以下のようなものがあります。
・ECサイトの売上高
・ECサイトの商品やサービスの認知拡大
上記のKGIを達成するためには、ECサイトについて以下のようなKPIを設定するといいでしょう。
・○○ヵ月以内に新規訪問者数を○○%増やす
・○○ヵ月以内にPV数を○○%増やす
・○○ヵ月以内にCVR率を○○%上げる
・○○ヵ月以内にソーシャルメディアのエンゲージメント数を○○%増やす
最近注目されている「OKR」について
OKRとは「Objective and Key Result」の略で、「目標と主な結果」と訳されます。企業内、チームのマネジメントの仕組みでも良く話題になるグーグルでも採用されている手法です。特長はシンプルでブレにくいこと。だからこそ、成果を出すことのできる目標管理だと言われています。
前述した通り、KPIは、KGIをブレイクダウンすることで具体化させていきます。具体的なアクションはこれにより明確になりますが、「そもそもの目標・目的はなんだったのか?」を見失ってしまうことが良く問題視されます。これは例えば、教会を作るためにレンガを積んでいたはずが、いつのまにかレンガを積む作業そのものが目的となってしまうようなケースです。
このOKRは、「目標」とその目標を達成するために必要な「アクション」をシンプルに表現できるからこそ、「目標」と「アクション」の関係性が見失われづらいと言えます。グーグルなどの企業で採用されたことにより広く知られるようになった手法ですが、ポイントは、ゴールが定量化・数値化できるものでなくても良い、そして頑張れば届きそうなところよりも高いところにゴールを設定する、というところです。100%の努力をして届くであろうところを60点から70点くらいのところに設定することで、さらにその先を目指していく、という長期的な気持ちが込められたより野心的な手法だと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?KPI・KGIはビジネスの目標達成において大変重要な指標です。そしてKPI・KGIの設定をするときには必ずToDo(行動)の選定と管理をしておきましょう。
たとえば「月間の受注数を5%増やす」というKPIを設定したとして、そのために「いつまでに何を」を決めていないといけません。「受注数を増やす為に、1週間で5件の面談をする」といったToDo(行動)を設定することによって達成につながっていくことが出来ます。