起業して、最初は意気揚々とサービスや商品などを販売し始めますが、どのような商品・サービスであっても、永遠にブームが続くものはありません。何かが生まれ、それが成長し、成熟し、衰退していく。大まかにこの4つのフェーズが存在し、各フェーズによって都度最適な戦略や戦術が異なります。
今回は、中小企業のライフサイクルについて解説します。
中小企業のライフサイクルとは?
基本的におおまかに下記のような4つのステージを辿ることになります。
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幼年期(導入期) ~起業・開業~
商品に対する認知度や需要が低い
成長期 ~新規事業展開~
認知度が高まり、需要が増えて売上が右肩上がりになる
成熟期 ~事業承継・M&A~
売上のピークが過ぎ、業界内で淘汰が始まる
衰退期 ~事業撤退・改革~
ユーザーやニーズが減り、撤退のタイミングを図る
人間や生き物に寿命があるように、製品や会社にもその誕生から衰退までの寿命があります。近年はIT導入などにより、サイクルの期間がどんどん短くなってきているといわれています。
こうした中で、会社の経営者が陥りやすいのは、「衰退期が来る」という事実に目を そむけている、あるいは目をそむけてしまうということです。 目をそむけてしまうと後々、致命的な問題が起きてしまう可能性がありますので、今会社や自社の商品がライフサイクルのどのステージにあるかを把握し、成長・発展して いくためにはどのような手を打つべきかの戦略を常に検討しておく必要があるのです。
それぞれのステージの特徴について
起業したら、基本的に、幼年期(導入期)⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期といったステージを辿っていくことになります。もちろん、10年以上続けていて、ずっと成長期のまま会社が成長し続けている所もあります。
幼年期(導入期)
起業したばかりで、会社や商品・サービスの認知度が低い時期。広告費や販売促進費などのコストがかかる。売上の伸びは非常に緩やかで、経営を維持するために多くの資金が必要になる。
成長期
新規顧客がリピーターとなり、売上がもっとも順調に伸びていく時期。生き残る為には、新規・既存客を競合に奪われないよう、マーケットシェアの最大化を図らなければならない。管理体制の強化、資金ショートを防ぐキャッシュフローの見直しが求められる。
成熟期
売上が安定、または緩やかに下降して資金繰りが困難になる時期。普及率はほぼ限界に達し、飽和状態に達します。
競合他社との差別化、新たなビジネスモデルによる新規客の開拓、既存客の維持など、事業計画の見直しが求められる。事業継承やM&Aの準備が必要な時期でもある。
衰退期
需要が落ち込み、売上が下降する時期。借入金の返済について金融機関と交渉したり、赤字事業の撤退や売却、事業の抜本的改革などが必要になる。
ただし改革を実行することで収益が回復したり、より高い収益が見込めるような事業には様々な方法で改革を加えていきます。改革に成功すれば再び成熟期に入り、市場でより高いシェアを獲得していけるでしょう。
まとめ
例えば、楽天では楽天市場(EC)から始まって、親和性のある事業の買収や楽天スーパーポイントの活用、ブランディングの為の野球やサッカーチームの運営などで、創業してから今まで事業が伸び続けています。ファーストリテイリング(ユニクロ)も新商品開発や海外展開などで事業が伸びています。
ずっと伸び続けている会社は華やかに見えますが、実情は地道に事業のPDCAサイクルを高速で回し、現状の課題に日々向き合っているからこそ事業は続いているのです。自分の事業の最大化と事業に親和性のある新規事業などで、成長を止めない為には日々進化することが大事になってきます。