中小企業景況調査(2021年1-3月期)の結果

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経済産業省中小企業庁と中小機構が3月30日に発表した2021年1-3月期の「中小企業景況調査」によると、全産業の業況判断DI(好転と回答した企業比率から悪化と回答した企業比率を引いた数値)はマイナス29.5(前期差3.4ポイント減)で、3期ぶりに低下した。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の再発出の影響を受けた。ただ製造業は前期比4.2ポイント増加しており、「足踏みのなかにも一部に持ち直しの動きが見られる」と判断した。4-6月期見通しはマイナス20.0と、今期に比べて9.5ポイントの上昇を期待している。

このうち製造業の業況判断DIはマイナス25.0で、3期連続してマイナス幅が縮小。製造業14業種のうち、鉄鋼・非鉄金属がマイナス2.2(前期差23.5ポイント増)、機械器具がマイナス19.3(同16.2ポイント増)、金属製品がマイナス15.6(同10.1ポイント増)、印刷がマイナス42.8(同8.3ポイント増)など12業種でマイナス幅が縮小した。

非製造業の業況判断DIはマイナス31.2(同5.8ポイント減)と、3期ぶりにマイナス幅が拡大。建設業はマイナス14.3(同2.8ポイント増)と好転した一方、サービス業はマイナス35.6(同10.3ポイント減)、卸売業はマイナス27.7(同6.2ポイント減)、小売業はマイナス35.4(同4.0ポイント減)と軒並み悪化した。サービス業のうち、特に宿泊業はマイナス53.2(同42.0ポイント減)、飲食業はマイナス51.3(同26.8ポイント減)と悪化幅が大きい。

コロナの影響については「社員の誰かがコロナにかかった時の事を考え休業保障の保険に加入した」(対個人サービス業・北海道)、「自動車やリモート需要で半導体が伸び、人手不足となっている」(その他製造業・山形)、「宴会などのスタイルや開催頻度・人数が大きく変わってしまい、変化に順応できるのか不安」(宿泊業・新潟)、「航空機製造業界の厳しさに変化は見られず、受注の激減と設備、人員の過剰が続いている」(輸送用機械器具・岐阜)、「従業員の生活も考え休業せずに週休2日の状況で営業している」(飲食業・福岡)などといったコメントが寄せられた。

調査は3月1日時点の景況感を全国の商工会・商工会議所の経営指導員と中小企業団体中央会の情報連絡員が全国の中小企業1万8912社を対象に訪問し、聴き取った。このうち1万8210社から有効回答(有効回答率96.3%)を得た。

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