日本商工会議所が2021年12月28日に発表した同年12月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)は、前月比5.3ポイント好転のマイナス15.8と、3カ月連続で改善した。景況感は調査対象の全業種で改善し、回復基調が続くものの、力強さはいまひとつだ。
業種別では建設業が前月比2.0ポイント好転のマイナス16.3、製造業は同4.4ポイント好転のマイナス9.3、卸売業は同9.2ポイント好転のマイナス同11.6、小売業は同5.2ポイント好転のマイナス30.0、サービス業は同6.4ポイント好転のマイナス12.5。外出機会増加や自治体による需要喚起策で飲食・宿泊業を中心としたサービス業の回復が続くほか、小売業で衣料品需要に持ち直しの動きがみられる。一方、製造業を中心に部品供給制約による納品遅れ、原油価格を含む資源価格や鉄鋼などの原材料費の上昇などのコスト増加が続いている。
1月から3月の先行き見通しDIは、前期に比べ2.2ポイント好転のマイナス18.0。感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた国や自治体の支援拡充で個人消費拡大や国内の観光需要回復などへの期待感がうかがえる。一方、オミクロン株による感染拡大への懸念や、円安、資源価格の高止まり、最低賃金引き上げによる人件費増などから先行きに慎重な見方も根強い。
調査は12月13 日から17日、全国337商工会議所の経営指導員や職員が会員2619社に調査票を配布。75.9%にあたる1989社の回答を得た。