過去に諸事情で自己破産をしたが、今後、会社を作りたいという方はいます。では自己破産後に会社は設立できるのでしょうか?
今回は、自己破産後に会社は設立できるのか?自己破産後の会社設立方法について解説していきます。
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目次
自己破産しても会社設立は可能!?
自己破産をして免責許可決定を得ると、借金は全て免責されます。その代わりに、手続中は社会生活を送る上でさまざまな制約が課されます。
会社設立もその1つで、自己破産をした場合、従来は破産後に復権していない人(免責許可決定を受けていない人・破産者)は、取締役の欠格事由に該当していたことから、新たに会社を設立することができませんでした。しかし、平成18年の新会社法でその事項が削除され、現在では法規上、会社設立が可能になっています。
自己破産後、会社設立に際し注意すべき点
実際に設立するとなると注意すべき点もあります。
前述でもお知らせしましたが、過去に自己破産をしており、すでに免責許可の決定を受けている状態であれば、いかなる制限も受けることはありませんので、会社を設立することも出来ますし、取締役などに就任することも可能です。
但し、実際にはさまざまな壁があります。例えば、クレジットカードを作れなくなることや事業資金の工面、事務所や店舗を借りる際の保証会社の審査が通らない、事務用品などのリースなどです。自己破産をしていますので、自己破産者が会社を設立するのは容易ではありません。自己破産後は、信用情報機関に事故情報が登録されるため、5~10年ほどは新たな借入ができなくなります。
よく自己破産をするとブラックリストに登録されてしまうと言われることがありますが、実際にブラックリストと一般的に呼ばれるものが実在するわけではありません。ブラックリストと言われるものは、信用情報機関が保有する契約者の情報のことをいいます。信用情報機関とは、金融機関やクレジットカード会社が加盟する組織のことで、顧客の与信判断のために、顧客の信用情報が登録されるものです。信用情報は、クレジットカードやローンを利用した際の契約内容や返済状況、債務残高などに関する情報をいいます。
その他、各種業法上、許可が取得できないケースが想定されます。例えば、建設業の場合、破産後復権を得ない者は欠格要件に該当し、許可を取得することができません。会社設立はできたが、営業することができなければ意味がありませんので、該当される方は行政書士など、許認可の専門家に相談して進めるようにしましょう。
(参考記事)融資検討者必見!~個人信用情報を調査できる3つの情報機関をご紹介~
自己破産後の会社設立方法とは?
自己破産後は基本的に新たな借入ができなくなりますが、「そんな状況でも会社を設立したい」という場合には、以下の4つの方法があります。
自己資金を蓄えたあとで起業する
自己資金を蓄えて起業するのは、時間はかかりますが確実な方法です。元手がそれほどかからない業種であれば、しばらくお金を貯めて再チャレンジすることも十分可能です。
ちなみに、自己資金とは、自ら貯めて準備をした資金のことです。そして、自己資金の基本的な考え方は「通帳で確認できること」と「出所が不明な資金ではないこと」「返済義務がない親族からの支援金」などになります。
親族を会社の代表にする
会社代表を親族にする方法があります。ブラックリストが抹消されるまでは会社代表を他の人に任せることで、事故情報の問題をクリアできます。特に、親族であれば安心です。お金を借りるにしても、自分が借入した場合とほぼ同じ状態で運用できる点でメリットが大きいと言えます。
公的融資制度を利用する
自己破産をすると、原則借入はできなくなりますが、公的機関の融資制度であれば破産者でも利用できるものもあります。
例えば、日本政策金融公庫の融資制度で「再挑戦支援資金」というものがあります。過去に事業を失敗して廃業した人で「既に債務整理などしている」「廃業の理由がやむをえない事情だった」という2点です。自己破産をした方も含まれますが、倒産した理由に違法行為や着服などがあった場合には、融資を受けられない可能性があります。
日本政策金融公庫HP 再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
小資本ビジネスを行う
例えば、飲食店などのように物件・内装。仕入れなど、多額の費用が発生する、多額の融資などが必要となる事業は難しいですが、アフィリエイトなどの広告ビジネスやコンサルティング事業など、事業資金も事務所を借りる必要もない事業であれば始めることが出来ます。
但し、ラクに儲かりそうというイメージで参入すると痛い目に遭います。経験があるという前提になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?自己破産をしても、新たに会社を設立することはできますが、様々な難点があるのも事実です。但し、以前に比べて、自己破産者に対して、再チャレンジの機会を与えることが出来るような制度などが出てきているのも事実です。
色々な方法はありますが、まずは専門家である司法書士(会社設立)行政書士(許認可)弁護士(法律)などに相談するところから始めましょう。