フランス料理店は、本格的なレストランから気軽なビズトロまで数多くのお店があります。
今回は、フランス料理店での開業について解説していきます。
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フランス料理店の種類
フランス料理イコール高級料理という図式が定着しているので、料理とサービスに加えて、内・外装、インテリア、小物類にいたるまで専門性が要求されます。さらに社交の場であり団らんの場であることを意識した演出が、選ばれる店になるためには必要となります。落ち着いた雰囲気のなかで個性的なメニューを提供するが、お客様にフランスを満喫したという満足感を与えるポイントとなります。
正統なフランス料理が日本人の食生活になじみにくい上に、消費者の低価格志向から業種転換する店や同じフランス料理店でもカジュアルなブラッスリーやビストロに業態転換する店もあります。
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・オート・キュイジーヌ:ミシュランのような著名なガイドブックに、二つ星・三つ星という星つきで紹介される高級フレンチレストラン
・ビストロ:気軽なレストランの意味で、ワインと料理を組み合わせることでややカジュアル風な演出をする業態店
・ブラッスリー:大衆性の高い業態で、フランス版ビアレストランのこと
・サロン・ド・テ:軽食やお菓子(パティスリー)を提供するコーヒーショップ
フランス料理店開業に必要な手続きや資格
フランス料理店に限らず、飲食店を開業する場合には、いくつかの手続が必要です。
飲食店開業のための手続き
保健所での手続き
飲食店の営業では「営業許可」という許可をとる必要があります。営業許可は店舗の住所地を管轄する保健所で申請することが出来ます。この際に、店舗の図面などが必要となる事があります。
消防署での手続き
防火対象設備使用開始届などの届出が必要となります。また、収容人数が30人以上(従業員を含む)になる飲食店の場合には、防火管理者の選任届けも必要となります。
法人or個人事業主
個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
飲食店開業のために必要な資格
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、各店舗に必ず1人必要となります。調理師や栄養士、製菓衛生師等の特定の資格を取得していれば食品衛生責任者になることが出来ます。どの資格も取得していないという人は、都道府県の自治体や保健所毎に行っている食品衛生責任者講習に参加すると資格を取得することが出来ます。
防火管理者
防火管理者はすべての飲食店に必要という訳ではありません。消防署の手続でもお伝えしたように、収容人数が30人以上(従業員を含む)になる飲食店の場合、選任する必要があります。都道府県や市区町村など地域によって異なりますが、甲種新規講習は2日間、乙種は1日で取得することが出来ます。受講料は、甲種新規講習が7,500円、乙種講習が6,500円です。
開業資金
フランス料理店の開業に必要な資金は「物件取得費」「内装工事費」「運転資金」に分類されます。フランス料理店の場合には、お店の特徴として必要な設備があります。お金をかけるべきところ、あまりかけなくても出来るところを事前にしっかり考えておくようにしましょう。
物件取得と内装工事にかかる費用
フランス料理店を開業に際し、物件取得や内装工事にかかる費用はおおよそ800万-1,000万円程です。
このうち半分程度が物件取得費用で、家賃の14ヶ月分かかることがあります。仮に家賃が40万円だとすると、560万円かかる計算になります。 物件の条件によって大きく変わってきますが、内装工事費は坪単価30万~50万円が一般的です。そのため20坪の場合は600~1000万円ほどかかります。
これらに加えて、厨房設備や備品、従業員の募集費用なども必要になります。もし、1人で切り盛りする小規模なお店なら600万円程度で開業可能ですが、高級感のあるお店を作るとなると1,200万円以上かかることもあります。
店舗の運営(運転)にかかる費用
フランス料理店を開業して、いきなり連日満席になるようなことはまずありません。新装開店で初日から数日は客足が伸びても、経営が安定するには3ヶ月はかかるとされています。この期間は、収入がまったくなくても営業できるだけの資金を用意しておきましょう。
家賃や光熱費、人件費など、経営が安定するまでの運営資金として平均で350万円程度かかるといわれています。 重要なのは、きちんと収支計算書を作成するということです。平均が350万円だからといって、350万円用意するのではなく、自分のお店に合った計算を行ってください。同じフランス料理店でも低価格路線と高級路線では1ヶ月にかかる費用が全く違ってきます。
開業資金をどこから調達すればいいのか?
開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。
一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。
創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。
信用保証付の融資
「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。
手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。
親族、友人・知人からの借入
親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。
その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。
留意点や準備
売上高アップのためには商品単価を抑えつつも顧客単価を上げることが求められる。そのためにはオーナーがお客様に接近することが重要です。接客サービスや商品説明等を介して、お客様とのホスピタリティを高めることがリピートにつながります。
低い粗利益率で利益を確保するためには、特に人件費の効率的な活用がポイントとなります。従業員教育を十分に実施して商品知識とサービス力の充実を図りましょう。厨房からシェフが店内の様子をみながら従業員に与える指示が徹底するよう、従業員の個人能力を高める事も重要になってきます。
経営のポイントとしては、シェフやオーナーのコンセプトがお客様に十分伝わるように、店舗施設や商品・サービスに反映させることが大切です。さらに、幅広い顧客層を狙わないで、自店のコンセプトを認めてくれた顧客層に絞り込むことが永年にわたって信頼を得るためには大切です。
そして生鮮食品の仕入には市場から購入する以外に、契約農家や精肉業者から直接購入することが効果的です。調味料は輸入品が多いため、大手の食品問屋を利用しましょう。ワインやチーズ等には当店ならではの商品を用意することをおススメします。
またIT投資により地域情報を収集して、ホームパーティやウエディングパーティへのケータリングサービスを実施し、ワインやチーズ等は世界各国の特産品を購入するために、インターネットを活用しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、フランス料理店の開業について解説しました。
飲食店他の業態に比べ、什器備品や厨房機器などに拘わり、フレンチ専属の人材などを雇えば、多額の費用が発生します。開業する前に資金算段をしっかりとし、資金調達をする事を検討している方は早めに専門家などに相談するようにしましょう。