ベビーシッターでの開業について解説

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子育ての経験を活かしてベビーシッターとして独立開業したいと考えている人もいるかと思います。ベビーシッターは、かつては富裕層向けのサービスと捉えられていましたが、核家族化の進展、共働き世帯の増加、そして、少子化に伴う1人あたり養育費の上昇等が背景にあり、日本においてもベビーシッターを利用するケースが増え、社会的認知度も上がってきています。

当記事では、ベビーシッターでの開業について解説していきます。

ベビーシッターの仕事とは?

ベビーシッターは利用者の自宅に訪問し保育を行うお仕事です。0歳から12歳の子どもを対象に1人、もしくは兄弟などで多いときは2、3人の子どもと遊んだり、身の回りのお世話をしたり、年齢が大きくなると宿題を見てあげたりすることもあります。

サービスによっては保護者に変わって、幼稚園や保育園の送迎や習いごと教室への送り迎えを担当することもあるようです。子どもを預かる責任ある仕事なので、専門の資格を持って仕事をすることは、利用者から信頼を得ることにもつながります。

ベビーシッターで独立・開業するタイプ

ベビーシッターで独立・開業するタイプは以下になります。

自宅型

自宅を保育所にして開業できるのが魅力です。

訪問型

子供がいる家に出向くこともできます。現在では出張専門のベビーシッターも多く活躍しています。

ベビーシッターの開業の手続き

ベビーシッター(サービス)を開業するにあたって必要な登録や許認可もありません。その為、個人でも比較的開業しやすいことが特徴であり、実際に自分一人だけでベビーシッターサービスを提供している人が増えているようです。

一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをします。

そして、平成28年4月から、保護者が安心して保育を利用できるように、個人で活動するベビーシッターにも認可外の居宅訪問型保育事業の届出制度を開始しました。これにより、法人・個人の別、事業の規模にかかわらず、全てのベビーシッター事業者の届出が義務付けられております。届出をしないまま、もしくは虚偽の届出をした状態で保育を実施すると50万円以下の過料に処するとされています。届出方法については各自治体のホームページ等でご確認ください。

ベビーシッターの資格

現在ではベビーシッターの仕事をするには国家資格は必要ありませんが、出来れば「認定ベビーシッター」というは全国保育サービス協会が認定する、ベビーシッターのための民間資格を取得しておく事をお勧めします。ベビーシッターとして在宅保育や個別保育を業務として行うために、基礎的、専門的知識や技術を身につけていることを証明します。取得している人の中には、国家資格である保育士資格だけでなく、さらに個別保育のスキルや専門性を向上させるために取得している人もいるようです。

また、子どもを預かるというサービスの性質上、万一のために損害賠償保険に加盟することが望ましいです。保険会社で設定している保険の他、全国保育サービス協会で設定している保険もあります。保険については、出来れば自己判断せず、保険の専門家の意見を仰ぎながら入る保険を決定するようにしましょう。

ベビーシッターでの開業は経験が必要!?

基本的に、ベビーシッターの多くは元保育士や元幼稚園教諭、看護師や助産師の免許を持っている人など、何らかの保育経験がある人です。他人の子供を預かる責任の重い業務になりますので、育児や医療などに関する幅広い知識も求められる仕事です。

その為、未経験者がいきなり開業して、経営を成り立たせるのはほぼ不可能だといえます。まずは保育施設に勤めて集団保育に携わったり、ベビーシッターとしての仕事を実際に経験したりして、さまざまな子どもの世話をしながら経験を積んでいくことが必要といえるでしょう。

開業資金

ベビーシッターで開業する場合は賃貸事務所を借りずに自宅で開業するケースも多い傾向です。 ベビーシッターの仕事は依頼を受けた住宅を訪問してシッターをすることになりますので、事業のためのスペースはほとんど必要ないでしょう。 特に個人で事業を行う場合は開業費用をできるだけ節約することが事業継続の役に立ちますので、自宅開業がおすすめです。 それでも開業にあたって一定の資金負担は発生します。

事業専用の電話やFAX、パソコンなどの事務機器は最低限そろえる必要があります。 チラシなどの広告宣伝費については小規模で始める場合はできるだけ費用を抑えることがポイントとなります。 しかし事業の顔となるホームページはプロに依頼してしっかり作ってもらった方がよいでしょう。 ホームページのできばえが信頼につながることもあります。

自宅開業であれば借入金を利用しない範囲で開業費用を抑えることできる場合があるでしょう。 法人設立して人を雇う場合は研修費や人件費がかかってきます。 収入に関しては、時間当たり2,000円程度の報酬が相場で地域や業務内容などによって上下します。 サービス内容や利用料金は自由に決められますが、営業エリアの相場を調べて設定することが大切です。

ベビーシッターで開業した場合に困るのは仕事獲得

ベビーシッターで開業した場合、一番困るのが仕事の取得です。以前は、まずは知り合いや親族などで、子供の預け先にお困りの方から依頼を受けるという方法でベビーシッターとしての活動をスタートさせる方が多かったようです。ただし、知り合いや親族などからはプロのベビーシッターとはいえ、金銭の発生を快く思わない方もいます。開業したプロのベビーシッターとして、対価を請求しづらいこともあると理解した上で、依頼を引き受けるようにしましょう。

ベビーシッターの仕事の取り方は他にも色々と方法がありますが、今はインターネット、SNS全盛期です。SNSやホームページ、ベビーシッターのインターネットマッチングサービスなどを利用して顧客を募っているケースが多くなりました。インターネットを利用すると、広く一般に安価で広告効果が得られることあり人気です。

また、ベビーシッターと顧客を繋げる、マッチングサイトなども多く誕生しており、昔に比べると比較的ベビーシッターとしての仕事は得やすくなっていると言えます。

ベビーシッターで開業して成功するためのポイント

ベビーシッターとして開業する人は増えていますが、実際に収入を安定させていくことはとても難しく、途中で金銭的な事情からやめてしまう人が多いのも事実です。ベビーシッターとして開業して成功するために抑えておきたいポイントは以下の5つです。

資格は取得しておく

ベビーシッターとして活動するために資格は不要ですが、ベビーシッターとして開業して成功している人のほとんどは保育士や幼稚園教諭、認定ベビーシッターなどの資格の保有者です。

ベビーシッターが預かるのは人の子どもです。大切な子どもを預けるにあたり、はじめて会うベビーシッターに対し、不安や疑念を持つのは親として当然のことです。親側からすれば、きちんと資格保有し、かつ保育実績が豊富な方が安心して子どもを任せることができます。特にインターネットマッチングサービスやWeb、SNSで仕事を取る際は、紹介プロフィールなどで顧客を安心させ、「この人になら子どもを任せても大丈夫」と思わせなければなりません。

対面以外で仕事を取る場合には、なおさら資格の有無は大きく影響します。そのため、ベビーシッターとして開業するのであれば資格は何か取っておいた方が良いと言えます。「保育士」や「幼稚園教諭」のように数年学校に通わなければならない資格があるに越したことはありませんが、「認定ベビーシッター」のようにベビーシッターに関する資格は色々存在します。

もしもに備えて損害賠償保険などに加入しておく

ベビーシッターに限らず、子どもの保育中にはどんな事故があるかはわかりません。ベビーシッターとして開業するということは、保育中に起きた責任はすべて自分持って引き受けるということです。そのため、もしも子どもに何かあった時には、補償や場合によっては高額な損害賠償を求められることもあります。

事故を起こさないことはもちろんですが、万が一に備えて損害賠償保険に加入したり、全国保育サービス協会などの組織に加入して、保険制度を活用するなど、もしもに備えた準備をしておくことが大切です。

契約関連は明確にしておく

開業すれば、お客様からのクレームや要求にも自分自身で真摯に向き合い、誠実に対応しなければなりません。最もよくありがちなのが「言った・言わない」の揉め事です。こういったことが起きないように、例え顧客と親しい間柄であったとしても、事前に契約書を作っておくなどして、こういった揉め事の予防に努めるのがポイントです。

また、開業して初めのうちはお客様が安定せず、ついつい過剰なサービスをしてリピートの獲得をしたいと思ってしまうことがあります。しかし、これは後々「やってくれると思ったのに…」「このくらい前は無料だったのに…」などといった顧客の失望の気持ちにつながったり、時にはトラブルに発展してしまうこともあります。

固定収入を1つもっておく

開業してからすぐには仕事は来ません。そのため最初は貯金を切り崩して活動していくことになります。ある程度貯金がある場合や、結婚し夫の収入だけで生活ができる状況であれば良いですが、貯金がなくなっていく不安と戦いながらベビーシッターとして活動し続けるのは非常に辛いと言えます。

そのため、何か安定収入となるものを1つ持っておくのがポイントです。ベビーシッターとして開業し、自分で収入を作れない人は、ベビーシッターの登録サービス会社に登録するのも良いかもしれません。ベビーシッター実績を積める上、収入もあるので、ある程度安定して仕事ができます。ただし、ベビーシッターの登録サービスで紹介された顧客と直接契約をすることは禁止になりますので、注意しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ベビーシッターは子供好きな人には楽しい仕事です。子供を預けながら仕事をするのは現在ではごく普通のこととなっています。これからの需要アップが期待できる仕事のひとつといえるでしょう。

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