起業・開業する平均年齢は?年代毎のメリット・デメリットについて解説

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いつかは起業・開業したいと考えている人にとって、どの年齢で起業するかは気になるポイントです。特に、30代や40代になる節目の年には、起業・開業するタイミングについてより考える人が多くなっています。

今回は、起業・開業する時の年齢にフォーカスして解説していきます。

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起業・開業する平均年齢について

日本政策金融公庫 総合研究所が、「新規開業実態調査」の結果を一般公開しているデータがあります。

2020年度新規開業実態調査

要点をまとめると、まず開業直前の職業は、「正社員・正職員(管理職)」の割合が39.5%と最も高く、次いで「正社員・正職員(管理職以外)」が29.8%を占めます。起業した人の開業時の平均年齢は「43.7歳」で、年々起業する人の高齢化が進んでいます。起業した人の8割は男性で、女性は2割となっています。年々開業者に占める女性の割合が増加しています。

そして開業業種は、「サービス業」(26.4%)、「医療・福祉」(16.7%)、「飲食店・宿泊業」(14.3%)の順に多い結果となっています。

起業する年齢に遅かれ早かれはない!?

起業・開業して成功した人の中には、10代で起業した人から50代以降に起業した人まで様々なパターンが見られます。起業する年齢に早い、遅いといった決まりはありません。ただし、年代によってライフスタイルが変わるため、自分が起業する年齢について客観的に把握しておくことが大切です。

また、同じ年代の人であっても、起業するベストなタイミングは人によってそれぞれです。ひとくくりに「30代」と言っても、ライフスタイルによって、例えば独身か既婚か、または子どもが居るかいないか、賃貸か持ち家かなどといった環境によって条件が変わってきます。家族を養っている場合など、経済的に失敗するリスクを取りにくい場合には、事業経営に踏み切るためのしっかりした準備が必要です。また、育児や出産などのライフイベントを控えている場合には、ワークライフバランスをとることが大切になってきます。

自信をもって起業に踏み切れると思える条件や開業パターンも人によって様々です。重要なのは、できるだけリスクを抑えて、確実に経営を軌道に乗せていくことになります。

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各年代毎の起業・開業に対する強みと弱み

それぞれの年代毎の起業・開業に対する強みや弱みを解説していきます。自分の年齢的な強みを客観的に把握した上で、検討してみてください。

10代で起業・開業する場合

最近は学生起業家など、10代で起業するケースも珍しくなくなってきました。若い世代の豊かな発想とあふれる情熱は、世の中に新しい風を吹かす原動力になっています。

メリットを見れば10代の若者らしい強みがあり、勢いに乗れば社会進出も可能です。10代ならではの目線や鋭い切り口は大きな武器と言えます。10代の起業家はメディアからも注目されやすいので、支援を得られるケースもあります。

デメリットでは、未成年がネックになる場合もあります。10代という若さの武器は、ともすれば社会的信用の低さにつながり、ウイークポイントになってしまうのです。

本気で起業していても未成年であることには変わりません。別世代から見ても、社会経験や知識力は発展途上にある場合が多く、対企業間では相手にされないことも珍しくありません。ビジネスにおける社会的信用力を得るには、10代では難しいというところが現実でしょう。とはいえ、たとえ失敗してもライフプランの組み直しがきくのも10代の利点です。学生であれば学業に勤しむことで、新たな道を切り開くことが可能です。

20代で起業・開業する場合

近年は男女関係なく、20代で起業する人が増えていますが、経済産業省のデータによると、男性よりも女性が起業する傾向にあるようです。

20代で起業するメリットは10代同様、機動力や柔軟な発想、行動力にあります。20代になることで起業に対する理解者や賛同者が増え、自身のビジネス展開に意欲が湧く世代でもあります。勢いがある若い世代のベンチャーは注目を浴びやすく、支援者や協力者が現れることも珍しくないでしょう。また、20代で始めた事業はエグジットが見えやすい世代でもあります。20代前半でスタートアップし、20代後半でエグジットするというビジネスプランが組みやすいのも強みと言えます。

一方デメリットは、実はそう大したことはありません。10代、30代と違って一番のびのびと起業できる世代であるとも思います。もちろん20代後半までは、社会経験の乏しさや信用力において苦労することは否めませんし、起業時に収入源がないと生活の不安定さはあるでしょう。しかしそれらを差し置いても、20代で起業することはチャレンジそのものが資産になると言っても過言ではないでしょう。

30代で起業・開業する場合

年齢的なことで言えば、30代は20代よりメリットを享受しやすい年代です。社会的制約や環境的制約も薄れ、自分の力を試すには最適のステージでしょう。腰を据えて、じっくりと自身のビジネスに取り組める年代でもあります。

30代で起業・開業する場合のメリットは、それまでに積み重ねた社会人経験や業務スキルが活かせることです。本業と同じ業種や近い業種で独立する場合には、自分のスキルがより直接的に活用できます。

30代で起業・開業する際のデメリットとして、結婚や出産、育児といったライフイベントと時期が重なりやすいという点が挙げられます。子どもや養うべき家族ができると、起業・開業にともなうリスクを取るのが難しくなる場合も多いです。また、住宅を買う場合のローンや融資も、起業・開業直後は審査に通りにくいのも注意点となります。

40代・50代以降で起業・開業する場合

40代、50代以降に起業・開業する場合、若くして起業するよりも安定した経済状況が武器になります。また、それまでに培った人脈や経験が豊富なことも、事業をスムーズに立ち上げるためのリソースです。投資家とのつながりがあれば資金調達などの経営支援を受けやすくなります。本業で実績がある場合、その実績を活かしたコンサルティング業など高単価のビジネスにつなげることもできるでしょう。

40代、50代以降に起業するデメリットとしては、若いころと比較して体力や集中力が衰えていることがあげられます。起業時には仕事が忙しくなることも多く、体力と精神力が必要です。いざというときに踏ん張りがききにくいのが、年齢を重ねてから起業する場合のデメリットとなります。

こちらから。

年齢が高いからといって成功するとは限らない

50代といえば約30年のビジネス経験を積んでいることから、若年層の開業と比較して成功確率が高いかといえば、決してそういうわけではありません。年齢の分だけ堅実な独立計画を立てるのかというとその逆で、会社での経験が長い分だけ、固定概念が強く、逆に時代のニーズに合わなくなり失敗するケースもあります。

どんな年代でも起業・開業する準備は大切

起業・開業しても実際には「起業して3年後も生き残っているのは全体の3割程度」という調査結果が出ていることも事実です。起業をした全体の7割の人がたちが事業を続けられなくなっているという現実があります。どんな年代でも、準備は起業後の経営の成功率に直結しますので、適切な計画、適切なスキル、様々な人と会っておきましょう。

(参考記事)【会社設立】起業前に準備しておくこととは?

まとめ

今回は、起業・開業するのに適した年齢にフォーカスして解説しました。起業するのにベストなタイミングは、人によって様々です。これで「社会貢献したい」「一生この仕事を生業としていきたい」「これなら儲かる」など人どれぞれ価値観や尊重したい部分はあるでしょう。自分が起業・開業したいという意思を持ったタイミングで、その時の強みを活かしてビジネスを始めることをおすすめします。

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