本記事では、便利屋での開業について解説していきます。
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便利屋とは?
従来の便利屋といえば、引越、運送、不要品の回収・処理、雑務などが主な業務内容でしたが、最近では買い物代行や付き添い、話し相手、謝罪代行など多岐にわたっています。その気になれば開業に際して資本も必要なく、小規模な事業者に向いたスキマ産業となっています。
開業タイプ
フランチャイズ型
フランチャイズの加盟店になるためには、一般に加盟金(初期費用)とロイヤリティ(継続的にかかる費用)があります。便利屋では、加盟金が100万円程度、ロイヤリティは固定で5~10万円、研修費用が50万円程度必要となるところが多いです。ここで示したのは概算のため、金額については、各チェーンに確認しましょう。200万円から300万円の初期費用が見込まれるが、未経験の方が始めるには選択肢の一つとなります。
独立型
便利屋は地域に根差した事業が基本となるため、顧客の開拓や提供サービスの開発に努力を要するが、工夫次第で高収益が期待できます。店舗を持たず自宅を拠点とする場合、独立型として開店することも現実的な選択肢となります。
必要な手続き
便利屋そのものに許認可は必要ないですが。事業によっては必要となるケースがあることに留意してください。例えば、顧客から何かを引き取った物を売却するのであれば古物商があげられる。廃棄が伴うのであれば一般廃棄物収集運搬業などがありますが、許認可部分の事業に関しては協力会社を見つけ、業務委託する方法もあります。
古物商
便利屋の場合、仕事上で中古品やリサイクル品を取り扱うケースが多い事から、古物商を取得しておいた方が良いです。最寄りの警察署で申請書を提出し、通常であれば一か月以内程度には取得ができます。ただし古物商は中古品等を取り扱う資格であり、不用品やゴミを廃棄処分できる資格ではありませんので注意が必要です。
一般廃棄物収集運搬業
一般廃棄物を収集・運搬するために必要な許可です。家庭から出る一般廃棄物や事業所などから出る一般廃棄物を収集運搬するにはこの許可が必要となります。
産業廃棄物収運搬業者
飲食店や工場・施設などのゴミ(産業廃棄物)を扱う場合には自治体からの産業廃棄物収運搬業者の許可が必要です。
一般貨物自動車運送事業
運送屋など自分のトラック等を利用して、顧客の依頼により有償で荷物を運送する事業で必要となります。
貨物軽自動車運送事業
軽貨物自動車や125cc以上のバイクを利用して、顧客の指示により貨物を輸送する事業で必要となります。
普通免許
依頼主宅への移動などで普段から使用します。
そして、個人事業主の場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
便利屋の多い依頼内容とは?
便利屋に多い依頼を以下に挙げてみました。
・部屋の片付け
・家具の移動・組み立て
・引越し・梱包
・張替作業(網戸・障子・襖など)
・並び屋・買い物代行
・PC修理
・不用品処分
・ゴミ屋敷掃除
・庭の剪定
・トイレ・タンク内修理
・探偵依頼
・水道パッキン交換
・害虫駆除
・鍵交換
・排水管掃除
・エアコン修理・掃除
・草むしり
・ハウスクリーニング
便利屋には多くの仕事の依頼がきますが、最初から全てをこなせる人はいません。一つずつ技術を習得し、自分でカバーできる作業範囲を広げていくようにしましょう。
まとめ
便利屋は初期補用がかからずに開業でき、作業内容によっては特別な資格も不要な事から開業者も多いのが実際ですが、参入障壁が低い分、独立開業をしても便利屋としてまともに生き残れるのは僅かな数となっています。本格的な高齢化を迎える今後において、便利屋のニーズは増々注目されていく筈です。