当記事では、弁護士での開業について解説していきます。
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目次
資格と開業費用について
自宅でも開業することは出来ますが、相談に乗る仕事柄、物件を借りて開業する方が良いでしょう。開業する為の初期費用がかかるものとして以下が挙げられます。
・物件の保証金
・事務所の内装費用
・机、椅子、本棚などオフィス家具の購入費用
・複合機や電話機、パソコンなどのオフィス機器の購入
・ネットワークの設置費用
・紙や文房具など、細々とした備品にかかる費用
当然ですが、物件の立地や広さによっても初期費用は変わってきます。上記の内容でしたら100~200万程度の初期費用で開業できますが、開業後の固定費や広告宣伝費などや最初から顧客がつかない事を考えると500万程度は自己資金として持っておいた方が良いです。更に融資などの資金調達も視野に入れておきましょう。
必要な資格については弁護士資格だけです。司法修習を終了しただけではなく、どこかの弁護士会に登録する必要があります。開業したら、住所や電話番号、FAX番号、事務所名などを所属する弁護士会に届けます。特に、事務所名は非常に重要です。これから事務所の顔になるものですから、印象に残る良い名前を慎重に考えましょう。
また、個人事業主として独立する場合は、通常と同様、開業届を税務署に提出する必要があります。また、確定申告を「青色申告」で行う場合は「青色申告承認書」も併せて提出しましょう。また、 雇用形態により社会保険事務所や労働基準監督署への諸手続きを行ないます。
場所選びは大事!?
一般的に弁護士事務所は裁判所周辺に所在しています。これは弁護士にとっての利便性の観点からです。
他方で、首都圏については、通常は弁護士事務所に顧客が来所するため、顧客による利便性(アクセスの良さ)は集客などにもある程度影響を与えます。従って、集客の観点から顧客にとって利便性の良い立地を選びましょう。地方であれば駐車場の有無などは気にして事務所選びをしましょう。
弁護士開業後に求められるスキル
弁護士は平均して30~40代で開業しますが、ただ単に資格だけ持っていても事業として継続しません。事務所の売上や業務を回すために、コネクションや知識、スキルが必要になります。
マーケティング能力
マーケティング能力は独立後に不可欠なスキルと言えます。事務所に所属しているうちは経営者である“ボス弁”の指示に従って働いていればよいですが、独立後は自力で仕事を取ってこなければなりません。そのため、対外的な営業力・集客力が必要になります。例えば、広告ひとつとってもどの様な手法が効果的か、費用対効果はどうか等、押さえておくべき点はいろいろあります。ポイントを把握しておかなければ、いくらお金をかけても無駄になってしまう可能性があるのです。
経営ノウハウ
開業後は経営者となりますので、経営戦略や戦術、仕事の回し方等経営に関する具体的なノウハウも欠かせません。事務所の立地に関しても、経営路線や地域のニーズの兼ね合い、競合他社はあるか等によっても変わってきます。また、成功要素・失敗因子を事務所内外の両面から的確に判断した上で、綿密な経営シュミレーションができる能力も大切です。
分野に特化する
インターネットの普及等により、昔と比較して一般人でも法律の知識を容易に得ることができる様になりました。それに伴い、顧客からの要求も専門性の高いものになってきているため、特定の分野に特化して深い知識をもって顧客の対応にあたることが望まれます。
差別化を図る
司法制度改革により弁護士の数は増加し、競争は熾烈化しました。そんな中で生き残るためには、他の事務所との差別化を図ることが非常に重要と言えます。事務所の方針を定めてセールスポイントを作ることも一つの手段です。
リスクへの対策ができているか
独立開業は様々なリスクが伴います。その来るべき脅威に備えてあらかじめ策を講じているかどうかが成功への分かれ道となります。近年、サイバー攻撃や不正アクセス等のインターネットを利用した犯罪が増えています。そのため、情報セキュリティーを強化することが重要です。また、なりすましやアカウントの乗っ取りなど新たな手口も次々と現れており、個人情報等の重要な情報の漏洩を防ぐための対策が求められます。
クライアント開拓
事業を続けていく為にはクライアントの開拓は必須です。開拓方法としては、先輩弁護士に紹介してもらったり、弁護士会が行う法律相談に行って事件を受任したりする従来の方法もありますが、今は顧客開拓にインターネットを活用する事務所も多いです。
まずは事務所のホームページを作って、事務所の専門性をアピールしましょう。たとえば、交通事故や遺産相続、離婚や企業法務、刑事事件など、得意分野を記載します。そして、できればその分野に関するコラムなどを書いて、ホームページに掲載しましょう。その分野に精通している弁護士を探している人が、ホームページを訪れる可能性が高くなります。無料法律相談を実施して、「お気軽にお問合せ下さい」と載せておくとなおのこと効果的です。
また、事務所のホームページを制作するだけではなく、法律事務所のポータルサイトも利用しましょう。ポータルサイトにはたくさんの法律事務所が掲載されており、依頼したい弁護士を探すことができます。登録しておけば、ポータルサイトを見た人から問合せが来ることもあります。できるだけ多方面からクライアントを集められるようにしておくことが大切です。
開業におススメのクラウドサービス
開業当初は顧客開拓などで外出しているケースが多いかと思います。仕事の生産性を上げる為にクラウドサービスを利用しましょう。クラウドサービスを上手に活用して、好きなときに必要なサービスだけを安心して利用して、お金も時間も節約することが出来ます。特に、インターネットに繋がっている機器があればどこでも利用できるというのは非常に便利で、仕事の進め方にも良い影響を与えてくれるはずです。
開業時導入したいクラウドサービス
・会計系のクラウドサービス:弥生会計、MF、freeeなど
・チャット系のサービス:slack、チャットワークなど
・実際の日常業務全般:クラウドワークス、ランサーズなど
・顧客管理系のサービス:サイボウズ、セールスフォースなど
・データ共有など: Googleドライブ、Dropbox、OneDriveなど
・クラウド勤怠管理システム:ジョブカン、jinjerなど
・請求書:Misoca、MFクラウド請求書、Makeleaps、freee
まとめ
弁護士事務所に在籍していた方が安心で、独立はそれなりにハードルが高く、リスクや負担も生じます。独立にはそれなりの覚悟も必要になってきますが、自分の理想の実現ができるメリットもあります。計画なしに独立すると、資金繰りができなくなったり、売上げが思うように伸びなかったりして失敗してしまうことがありますので、上記を踏まえて事前の準備をしましょう。