【起業・開業者必見!】『見積書』の作り方や作成する際のポイントについて解説

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起業・開業をして売上をあげるために必ず通るステップが、クライアントへの見積書提出です。いざ自分で起業をしてみると、「会社員時代は決まったフォーマットがあったが、実際に見積書ってどのように書けば良いのか?」と迷われる方も多いです。

そこで今回は、見積書の作り方や作成する際のポイントについて解説していきます。

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そもそも見積書とは?

見積書とは、仕事の依頼や製品の販売を請けた側が、その仕事を達成するためにどれくらいの価格、期間になるかを計上して、依頼主に提出する書類のことです。一般的な書式は、納品する相手の名前、日付、自社の名前、連絡先、担当者、社印、見積金額等を記し、見積金額に至った各項目の詳細を表形式で記します。

また、見積書に有効期限を記載して提示することが多いです。依頼者が発注するかの判断を促しやすくなるだけではなく、時間経過に伴う価格変動などのリスク回避する備えになります。有効期限の設定は法的な制限はなく、一般的に6ヶ月以内に設定することが多いようです。

見積書の役割

見積書は「受注」のための大切なプロセスの一つです。特に、起業したばかりの経営者にとっては、まだ見積書のフォーマットが完成していない場合が多く、不完全な状態で出しているケースも多いのです。以下が基本的な見積書の役割になります。

認識の違いを防止する役割

見積書には価格、支払条件、納品内容を明記することで認識の違いによるトラブルを防止する役割があります。

情報伝達の役割

社内、取引先、そして仕入先など取引の相手と内容・納期の確認を行うという役割があります。

発注の決意を促す役割

見積書があることで正式な金額を認識し、意思決定ができる側面があります。発注の決意を促す役割があります。

見積書を作るのに必要なものとは?

見積書を作るのには、以下のものが必要になります。

・見積書用紙
・封筒
・見積書在中のスタンプ
・切手

見積書用紙や封筒に決まった規格はありませんが、用紙のサイズはA4サイズが一般的です。封筒や切手は、送付する見積書に合わせたものを用意しましょう。

なお、昨今は書類の電子化が進んでいるため、電子媒体で取引先とやり取りをする際には、これらの準備物は不要です。

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見積書の記入すべき16の項目

何のための書類かわかりやすくなるよう、大きくはっきりと「見積書」と記載しましょう。「お見積り」などの記載方法でも問題ありません。

見積り先の宛先

法人または個人のお客様の宛名が入ります。会社名や部署名が宛名の場合は「御中」、個人名が宛名の場合は「様」をつけます。但し「株式会社□□□□□御中 ××様」のように、「御中」と「様」を同時に使わないよう注意しましょう。会社名や部署名と担当者名を併記する場合は、「〇〇株式会社 ××様」のように御中を外してください。

見積書の発行日

見積りがいつのものかを確認するための項目です。見積の有効期限を設けるためにも必要になります。

見積書番号/通番

必須ではありませんが、あとから管理するためにあると便利です。

提出者の会社名、住所、電話番号など

電話番号やメールアドレスなどは見積書を見ただけで取引先に連絡ができるため親切です。

提出者の会社捺印

見積書としては必須ではありませんが、あると良いでしょう。

見積書の有効期限

見積書に有効期限を記載することによって、金額変更の回避や反対に期間が経ってからの申込などのトラブルのもとを回避できます。

見積り金額

最終的にかかる金額を税込で記載します。⑮と重複しますが、こちらはより分かりやすく、大きなフォントで表記するのが一般的です。

品名

相手に伝わるように、正式な品名を記入します。

商品の数量 商品の単価 商品の単位 商品の金額

間違いのないように確認しましょう

小計 消費税 合計金額

小計は提供する商品やサービスの金額をすべて合わせた料金です。そこにかかる消費税を計算し、合計金額を提示します。ちなみに消費税は切り捨てにする場合が多いです。合計金額は、⑦の金額と合致しているか確認しましょう。

備考

クライアントとの間で誤解が生まれないよう、上記で説明しきれない条件や納期、前提条件などを補足する部分です。

見積書と請求書、納品書の違いとは?

見積書、請求書、納品書は、商取引においてそれぞれ異なる性質を持っています。

見積書は契約取引前に作成するものです。民法や会社法、税法上必ず作成しなければならない書類ではなく、商慣習に基づき作成・発行されるものです。

請求書は契約取引後に作成するもので、主に代金回収のために使用されます。請求書そのものに法的効力があるかどうかは状況によって異なりますが、税法上一定期間保存しなければならない義務があります。法人規模にもよりますが、最長9年間の保存義務が生じます。

納品書は契約取引に付随する書類となり、引渡し日の法的根拠となります。注文した側の代金を支払わなくてはならない義務は引渡し日以降に発生することになり、注文を受けた側は引渡し日以降に代金を受け取る権利が発生することになります。

見積書を作成する際のポイントや注意点

見積書を作成する際のポイントや注意点について説明します。

明細や取引条件を詳細に記載する

見積書を作成する大きな目的はクライアントに取引金額を提示することですが、見積もりの明細や取引条件に関する認識違いをなくすことも重要な目的です。そのためには、品目欄と備考欄で以下のような内容を表現する必要があります。

・見積金額にはどんな作業が含まれているのか?
・納期はいつまでか?
・修正は何回まで対応可能か?
・見積金額が変更になるとしたら、それはどんな場合か?
・支払いサイトはどうなるか?
・着手金や中間金などは必要か?
・振込手数料はどちらが負担するか? など

詳細な内容や条件があいまいなまま取引を開始すると、後になって「そんなことは聞いていない」といったトラブルに発展してしまうことがあります。もちろん契約書に記載している内容もあると思いますが、念を押す意味でも見積書に明記するのが良いでしょう。

有効期限を明記する

「見積書の書き方」で解説したとおり、見積書には有効期限を記すのが通例です。見積書に有効期限を記載する目的は2つあります。1つ目は、将来のトラブルを防止するためです。もし見積書に有効期限を設けていないと、何年後になっても見積書に記載した金額で商品・サービスを提供しなければなりません。市況が大きく変化して、たとえば原材料費が高騰した場合でも、最初に発行した見積書の金額に拘束されるのは大きなリスクです。

もう1つの目的は、クライアントにすみやかな発注を促すためです。見積書に有効期限を明記しておくことで、「いつまでに発注する・しないの返答をしなければいけない」という心理的なアラートになるので、期限までに契約を促すことが期待できます。

できるだけ早く提出する

多くのクライアントは費用への関心が高く、「早く見積書を確認したい」と考えています。そのため、見積書を作成する側はできるだけ早めに提出することが重要です。見積書の提出が遅れると、他社で決まってしまったり、発注自体が流れてしまったりしてチャンスを逃すことになりかねません。

「◯日までに見積書をください」と言われている場合でも、期限より早めに提出したほうが印象は良くなります。受注率を上げるためにも、見積書は迅速な提出を心がけましょう。

安易に値引きをしない

駆け出しのフリーランスの方などは、契約を獲得するために大幅な値引きをして見積書を提示するケースがあると思います。気持ちは良く分かりますが、安易な値引きは結局、自分の首をしめることになります。

クライアントは、最初に提示された見積金額を基準にして値引き交渉をするケースも多いので、さらに値引きしないと受注できなくなるおそれがあります。その場合、受注できたとしても利益率が下がりますし、最悪の場合、赤字になってしまうケースもあります。継続的に取引をしていく場合、途中でフリーランス側から「値上げ」を求めるのは困難です。特に、初めて取引をするクライアントへの見積書は、安易に値引きするのは避けましょう。

もし値引きが必要な場合は、見積書の書き方に工夫が必要です。品名の欄に「割引価格」「特別お値引き」などと記し、金額の欄に「マイナス」を付けて値引き額を記載しましょう。こうすることで今回限りの値引きであることを認識してもらえ、次回以降、適正価格での取引が期待できます。

数パターンの見積書を作成する

必要に応じて、見積書を「松」「竹」「梅」の3パターンで作成するのもおすすめです。クライアントに対して「発注するかしないか?」の決断を迫るのではなく、「どのパターンが現実的か?」という複数の選択肢を提示することで、受注率が高まると言われます。また、ニーズに合わせて対応できるという柔軟性をアピールすることにもつながります。

3パターンの見積書は、「価格を抑えたパターン」「標準的なパターン」「フルオプションのパターン」で作成するのが一般的ですが、状況に応じて2パターンや4パターンでも構いません。

提出した見積書は保管しておく

見積書は、取引の証拠となる証憑(しょうひょう)書類として、一定期間の保管が義務付けられています(法人の場合は原則7年、個人事業主の場合は原則5年)。保管するのは、自社で発行した見積書の控えや、取引先に発行してもらった見積書です。

なお、見積書のなかには、見積書の有効期限内に契約に至らなかったものもあると思います。そのような見積書は保管する必要はありませんが、後に別の見積書を作成する際に参考になることがあるので、資料として残しておいたほうがいいでしょう。

見積作成ツールを使って作成しよう

現在、クラウド型Webサービスで簡易で作成できるサービスが多く出てきております。あてはまる項目を入力するだけで、見積書をすぐ作成でき、テンプレートのカスタマイズも可能といったものも多く、見積書の作成時間を短縮することが可能です。

以下でおススメの見積作成ツールをご紹介します。

マネーフォワード クラウド請求書Plus

マネーフォワード クラウド請求書Plusは、請求業務と債権管理を効率化するシステムです。取引情報をもとに売上を自動で算出し、手間いらずで正しい売上に計上。分割請求書の作成にも対応しており、指定の支払い回数に合わせてワンクリックで一括作成できます。

残高表から請求書や商談情報の詳細確認も可能です。さらに、マネーフォワード クラウド会計Plusと併用すると、自動で仕訳入力まで行ってくれるので、経理担当者の工数削減につながるでしょう。

MakeLeaps

MakeLeapsは、国内で多くの企業に選ばれている請求書発行システムです。シンプルで直感的なインターフェースで、すべての書類を効率良く作成可能。また請求書、見積書といった書類をオンラインで一元管理や送付できます。

ジョブカン見積

ジョブカン見積/請求書は、見積書や請求書、納品書などの作成から発送、管理まで対応できるサービスです。ワークフロー機能を完備しており、見積、請求書の申請/承認依頼と同時に承認者へメール通知してくれます。請求書や納品書などの書類データを自動集計でき、得意先ごとに請求状況を管理できます。請求書や見積書などの帳票と送信メールを複数テンプレート設定でき、メール送付もシステム上から対応可能です。

楽楽明細

楽楽明細は、請求書・納品書などの帳票発行を自動化させるWeb帳票発行システムです。請求データや支払データを一括で「楽楽明細」に取り込むだけで自動で帳票発行をしてくれるので、印刷・封入や、郵便局への投函作業といった手間を減らせます。請求書や納品書だけでなく領収書、検収書といった帳票を発行可能で、レイアウトも使用中の帳票デザインを再現できます。取引先ごとにWeb・メール添付・郵送といった発行方法を選択可能で、自動で割り振り発行もしてくれます。

Misoca

Misocaは、シンプルな操作と豊富な機能で請求業務の手間を大幅に効率化する、クラウド見積・納品・請求書システムを提供しています。きれいな見積書・納品書・請求書を1分で作成、作った帳票はワンクリックで郵送・メール送付・PDF発行・リンク共有できることが特長です。無料と有料サービスを提供しており、自社にあった使い方が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、見積書の作り方や作成する際のポイントについて解説しました。

見積書は、商品やサービスの金額を提示する大切な書類です。そのため、内容がわかりやすく記載された見積書を作成する必要があります。また、受注後には見積書の内容を引き継いで納品、請求、検収するため、しっかり情報を管理しなければなりません。

また最近では見積書をはじめるとする、請求関連書類の作成や一元管理ができるクラウドサービスもありますので、活用してみてはいかがでしょうか。

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