アプリ開発事業で起業に成功するポイントとは?

投稿:
更新:


スマートフォンの普及によるアプリ市場拡大の影響で、アプリ開発によって起業を目指す方は増えています。実際メルカリをはじめとして、アプリ関連事業による起業で上場する企業は数多くあります。但し、実際に売上があって収益化できるケースはほんの一握りであり、アプリ起業を成功させるためには、激しい競争に勝つ必要があります。

今回は、アプリ開発で起業に成功するポイントについて解説していきます。

※この記事を書いているVector Venture Supportを運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。

アプリ開発に必要なものとは?


自分でアプリ開発をする際に必要なものについてですが、iPhone用のアプリを開発する場合はMacのパソコンが必須になります。Android用のアプリはWindowsとMacどちらでも対応可能です。また、アプリを開発してApp Storeや Google Playなどのストアにリリースするためには、アプリ開発のソフトとストアにリリースするためのアカウントが必要になってきます。

iPhoneアプリの場合は、開発ツールのXcodeとアプリリリース用のアカウントであるApple Developer Programが必要です。Androidアプリの場合は、開発ツールのAndroid StudioとJava Development Kit、アプリリリース用のGoogleアカウントのデベロッパー登録が必要です。

アプリ開発に必要なものの準備は初心者でも何とかできますが、実際に開発となるとそうはいきません。アプリ開発にはプログラミング言語の学習が必須ですが、iPhone用、Android用それぞれSwift、Javaという異なるプログラミング言語で、さらにプログラミングをやったことがない人にとってはこれらの言語を習得するにはハードルが高くなっています。

アプリ開発で得られる収益について

アプリ開発をする場合、アプリ作って終わりではなくその先の収益まで考える必要があります。主に収益を得られるのは以下になります。

有料アプリ

アプリ自体を有料で販売して収益を得る方法です。ただ、多くのアプリが無料で提供されている中、アプリを有料で販売することはかなり難しいと言えます。AppStoreでもGooglePlayでも販売手数料が30%も取られるので、300円でアプリを販売しても210円しか手元に残らないことになります。

広告収入

アプリ内で広告を表示してクリック数などに応じて収益が入ってくるものです。アプリ内広告の仕組みですが、クリックされるだけで収益が発生するクリック課金と、アプリのインストールなどの成果に対して収益が発生するインストール成果型の2つの収益モデルで成り立っています。クリック課金の場合は1クリックにつき5円~10円、インストール成果型の場合は1インストールにつき140円~210円程度の報酬になると言われています。

配信する広告の内容については、広告配信業者が最適な広告を選定して配信する仕組みのため、自分で広告を選定することはできませんが、基本的に審査のようなものはなく、誰でもすぐに広告を配信することができます。

アプリ内課金

RPGやパズルゲームなどの“ガチャ”や、漫画アプリなどのチケット購入のように、アプリ内で課金させる仕組みの収益モデルです。このアプリ内課金は、漫画やキャラなどコンテンツ自体に“購入したい”と思わせる魅力がないと成り立ちません。そのため、個人で取り組むのは難しいかもしれません。

定額課金

食べログやクックパッドなど、特別な機能が使える“プレミアム会員”が、定額課金の代表的なモデルです。定額課金では、無料のお試し期間を設定し、それが終わると解除しない限り自動的に毎月課金されるという形が主流になっています。定額課金の場合は、毎月継続的に課金されることになるので、コンテンツにより魅力を感じてもらう必要があります。

スポンサーシップによるマネタイズ

スポンサーシップとは、ユーザー自身が企業の広告スポンサーとなり、報酬としてスポンサー料を受け取ることが出来る新しい仕組みです。アプリ開発者にもその報酬は分配されます。このモデルはまだ業界では比較的新しいため、うまく収益化の仕組みを転用することができれば大きな可能性を秘めたモデルになるかもしれません。

【無料】起業相談会を実施しています。起業相談会申し込みはこちらから。

アプリ開発で起業に成功するポイントとは?

ユーザー目線になってサービスを検討する

アプリ起業を成功させるためには、アプリを使用するユーザー目線での開発が大前提になります。ユーザーがどんなアプリを必要としているのかを、「ユーザーの属性(年齢や趣味など)」や「ユーザーの悩み」などを元に見極めましょう。開発前に、複数のユーザ候補にインタビューを行い、自分達の考えている仮説が正しいかを検証するのも有効です。また、アプリ市場は競争が激しいので、競合アプリとの差別化も不可欠になってきます。
 

■ユーザー目線開発POINT
    ・ユーザーの属性
    ・ユーザーの置かれている状況
    ・ユーザーの困っていること
    ・ユーザーのニーズ
    ・ユーザーのネット利用状況  など

    市場のニーズを押さえた上でアプリ開発を行うのが重要

    そして市場のニーズを押さえた上でアプリ開発することが重要になります。自分が作りたいもの、面白いと思うものを作ることも大切ですが、それと同時にユーザーは何を求めているのかということを把握してアプリ開発をしていきましょう。市場のニーズを押さえて、それに応える形で自分の独創性を発揮したアプリを作れば、ヒットする可能性が高まります。想定するターゲット層がどんなアプリを求めているか、きちんと把握することが大切です。

    小規模な案件から徐々に拡大していくこと

    アプリ開発事業を軌道に乗せるには、最初は小規模な案件から確実にこなしていくことをおススメします。大規模なアプリ開発は開発コストもかかるため、資金力がない段階でチャレンジするのは危険です。まずは資金的にも開発工数的にも余裕のある案件から初めて、だんだんと利益を積み重ねていきましょう。

    プログラミング技術があるパートナー選びが重要

    もし、自分自身でアプリを実装する技術力がない場合は、プログラミングに長けたパートナーが重要になります。ただし、複数人でアプリの目的や機能を共有したり、求める機能をコーディングしたりするのは思いのほか大変です。そのため、要望をくみ取ってプログラムを実装する力に長けたエンジニアとチームを組むことをおすすめします。また、複数人で起業する場合には、それだけ人件費も発生するため、きちんと収益が生み出せるビジネスモデルが必要になります。起業がギャンブルになってしまわないよう、確実に利益が出せる人数でスタートさせましょう。営業や広告運営担当、プログラム担当などの分業をし、効率よくビジネスを回していくのがおすすめです。

    発売予定のアプリはどのくらいの期間使われるものなのか

    アプリ開発の世界は日進月歩です。ユーザーも皆飽きっぽいことは誰しも知るところでしょう。せっかくアプリがダウンロードされてもアプリ全体の75%は非アクティブであると言われています。

    つまり、常にトップをキープしなければせっかく開発したアプリも忘れ去られてしまうことになります。「ユーザーの飽きっぽさ」を見越して、常にトップを走り続ける仕掛けや、定期的なアップデートを企画の段階で考えておく必要があります。

    アプリ開発に失敗してしまうケースとは?

    アプリをリリースしてマネタイズするまでのプランがないケース

    アプリ開発で起業する場合に最も重要なのは、いかに収益を得るかというマネタイズのプランです。単にアプリを開発するだけでは利益を生み出すことができません。アプリ自体を有料にするのか、それとも無料アプリをダウンロードしてもらった後の追加機能で課金を行うのかなど、具体的なプランが必要になります。特に、ゲームアプリなどを作って一攫千金を狙いたいというような場合は、すでに出ているほかのアプリがどのようにマネタイズしているかを研究しましょう。うまくいっているアプリと、そうでないアプリの違いを分析し、自分が開発するアプリでどのように収益を作るかを考えることが重要です。

    アイデアが先行になってしまい、ビジネスモデルが弱いケース

    面白いアプリのアイデアが思いついて、それを形にしたいという思いが先行してしまうと、ビジネスモデルが弱くなる恐れがあります。自分が作りたいものと、多くの人がそれを使ってくれるかどうかは別問題です。いかに革新的なアプリだと自分が思っていても、市場で受け入れられなければ収益化は難しくなってしまいます。有料アプリの場合、価格をいくらに設定するかなども重要なポイントです。また、アプリを作ったあと、それを広めていく手段まで含めて戦略を練ることが大切です。せっかくアプリを作っても、誰もそのアプリのことを知らなければビジネスになりません。アプリそのもので収益を稼ぐのか、それともアプリ開発をほかの企業から受注することで利益を得るのかといった方法まで含めて、ビジネスモデルを練るようにしましょう。

    大量人数での開発が必要なケース

    大がかりなアプリ開発を行う場合、人数を多く割く必要がありますが、それだけコストや工数、チェックポイントが多くなってきます。当たれば元が取れますが、ビジネスに絶対はありません。ある程度大きな会社になってくれば別ですが、起業・開業直後には大量人数で開発するアプリはお勧めしません。

    まとめ

    実際にユーザーとしてよく利用しているアプリですが、いざ自分自身で事業にしようとすると大変です。アプリ開発で事業を検討されている方は、市場のニーズを押さえ、しっかりと収益が生み出せるビジネスモデルを計画するようにしていきましょう。

    より詳しい情報や起業・開業に役立つ情報は「起業のミカタ(小冊子)」を無料で贈呈していますので、合わせてお読みください。

相談会

相談会

今まで1,000人以上の相談会をしてきたアドバイザーが、豊富なデータ・最新情報とノウハウ、専門家の知見を元に、無料かつ約30分~1時間ほどで「起業・開業ノウハウ」をアドバイスします。