起業・開業を検討している方で「自分のアイデアは世の中に受け入れられるのか」「メディアに取り上げられて早くスケールしたい」「協業できるパートナーを発見したい」と考えている方は多いかと思います。そのような課題を解決できるのがピッチイベントです。日本国内には数多くのピッチイベントやビジネスコンテストがあります。
今回は、ピッチイベントに出る目的と成功する為の方法について解説していきます。
ピッチイベントとは?
複数のスタートアップ企業などが登壇して、自社のサービスをプレゼンテーションを行い、入賞すると多額の資金提供が行われるというシステムのイベントことをピッチコンテストと呼んでいます。一般的には、ベンチャー企業やスタートアップが集まりアイデアや技術を短時間でプレゼンする場として知られています。
ピッチイベントに参加する目的とは?
ピッチイベントに参加する目的としては、以下3つが挙げられます。
・資金調達
・自社サービスの認知拡大
・パートナ企業の発見
資金調達
スタートアップの時点では、会社を立ち上げたはいいが資金不足によりサービスをローンチさせることはできていないような会社も沢山います。そんなとき、サービスの将来性、市場優位性、収益性を示すための事業計画などをプレゼンし、投資家やVCなどからサービスをローンチするため、グロースさせるための資金を出してもらうため場でもあります。
自社サービスの認知拡大
認知拡大であるがイベントには各方面のメディアなども出席していることが多いです。また賞などを獲得できればイベントページに掲載されたり、プレスリリースなどで取り上げられたりするのでお金をかけることなくサービスの認知を拡大することができます。
パートナ企業の発見
自社ではできないことを業務提携という形により他社のリソースを借りながらお互いにシナジー効果によりサービスを強化させることができるかもしれません。サービスにもよるが大きい会社の支援を受けることができれば一気に世の中の注目を集めることもできるのでスポンサーサイドの企業もチェックしておく必要があります。
効果的なスピーチの方法
効果的なスピーチの方法として、まずは相手に自分にビジネスが伝わらないといけません。前置きの話や長い自己紹介は不要です。情報を詰め込みすぎるのも逆効果です。スライドの枚数は少なめにテキストフォントを大きめに自社の商品サービスがなぜ良いのかというポイントを、できれば数値などわかりやすい指標を交えて作ります。
そして市場全体が延びている、自社が特許を持っている、競合に負けない要素がある、この分野で何年継続して利益率を上げているなど、観客を納得させるに足る理由が必要になってきます。少しの工夫として、相手を惹きつける為に、フックになる情報を最初のスライドにいれたり、聞く側が興味を持つように質問形式にする内容も良いでしょう。
また、設定された時間の中で盛り上がりを作れるよう、時間配分やアニメーションの作成にも気を配りましょう。人前で話すのに自信がない人は原稿メモを基に、何度も練習をしてのぞみましょう。
ピッチイベントの主なスライド構成
ピッチイベントの趣旨やスピーチできる時間などの違いがあり、一概にはいえませんが、ピッチイベントで話す主なスライド構成になります。
①サービス(会社)概要
具体的にどんな業界のどういった問題を解決しようとしているのか、全体像を示します。
②成長性
現在の市場環境を示し、自社がどういった位置付けになるのか、「なぜ今なのか」を説明し、自社の成長性を訴求します。
③課題
解決しようとしている課題と、なぜ解決すべきなのかを表します。ここで聞き手の共感を得られるかが重要になってきます。
④解決策
課題に対し、どのように解決していくのかを示します。箇条書きや口頭での説明のみに頼らず、短い動画やイラスト、プロトタイプ等を使って出来る限りリアルに伝えます。
⑤ビジネスモデルの可能性
ビジネスモデルの成長可能性を説きます。売上やユーザー数の推移といった評価指標や、それを選んだ根拠や顧客接点や誘引・販売・アフターサービスといった一連の営業プロセスを示すことで、自社が思い描く仮説が検証されつつあることや、本当に大きな成長が見込めるかどうかを示します。
⑥顧客または市場
顧客像や市場、予想される売り上げについて、データを基に具体的に解説します。
⑦競合
競合をリストアップし、現在の市場でどのように競いあっているかを示します。それらの中で自分達がどのように差別化を図っているのか、独自の優位性を明確にすることが大切です。
⑧ビジネスモデル
どのように収益を得るのかを示します。売り上げが立つ前であっても、ある程度現実的な数字を算出することが重要です。
⑨チーム/パートナー
他のメンバーがいる場合、メンバー1人ひとりの役割や経歴、実績等を紹介します。目標達成に向けてふさわしいチームであることを簡潔に表現します。また、既に投資家やアドバイザーがいるようなら同時に紹介します。
まとめ
国内外には数多くのピッチイベントがあります。会社の認知度を上げ、サービスや理念に共感してもらい、目的であるパートナー企業の発見や資金調達をする為には、ピッチイベントの準備にはある程度時間がかかりますが、その分価値があります。特に自身のアイデアが検証できる場でもありますので、検討してみましょう。