アパート経営・マンション経営について解説

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当記事では、アパート経営/マンション経営について解説していきます。

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アパート経営/マンション経営について

賃貸住宅経営は、安定収入(家賃の収入)、節税効果が得られるほか、比較的労力がかからず、専門知識が少なくても経営が可能であり、 地域の不動産管理会社に管理を委託することもできます。

ワンルームタイプは、回転率が高く賃料も高めにできますが、供給過剰ぎみの地域も少なくありません。ファミリータイプは、持ち家ではなく賃貸住宅を選ぶ傾向も強まっていますが、分譲マンションと競合します。収益をあげるには、立地条件の良さ、差別化された物件の企画が必要です。また、建設費用のほとんどは借入金に依存することが一般的です。しっかりとした収支計画で賃料収入と借入金返済額のバランスをチェックし、事業の成立を慎重に判断する必要があります。

許認可

アパート・マンション経営に参入するに際し、特別な許認可を受ける必要はありません。ただし、実際の賃貸住宅経営にあたっては、借地借家法に則って契約などを取り交わすことになります。

また、アパート・マンションの建設は、建築基準法、都市計画法、消防法などに則って行なわれなければなりません。とくに建築基準法上では、共同住宅であるアパート・マンションは「特殊建築物」に該当し、安全性の確保を最大の目的に一般の住宅よりも厳しい規制を受けます。また、用途地域のひとつである工業専用地域では、アパート・マンションなどの居住用建物の建設は禁止されています。

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不動産管理会社の業態

不動産管理会社の業態としては以下3つがあります。

不動産管理委託会社:大家が不動産管理会社に管理を委託

個人経営では、オーナーがアパートの清掃や家賃の集金業務、入居者募集業務などを自ら行うことになります。これをオーナーが設立した不動産管理会社に委託します。家賃収入の一部が管理受託料として管理会社の収入となります。標準的な管理受託料は家賃の5~10%程度です。このスキームでは、家賃収入の10%以下しか所得の分散効果がないため、節税効果はそれほど大きく望めません。

サブリース会社:不動産管理会社が物件をサブリース(転貸)

オーナーが設立した会社に物件をサブリース(転貸)します。管理委託と大きく異なるのは、入居者との契約名義がサブリース会社となり、家賃は入居者からサブリース会社に支払われ、オーナーには家賃保証がなされる点です。サブリース会社設立の場合、会社が入居者との契約主体になり入居者との再契約などに手間を要します。しかし、家賃保証によりサブリース会社の手数料を家賃の20%前後にすることができるため、管理委託会社よりも所得分散による節税効果は上がります。

不動産所有会社:不動産管理会社に建物を譲渡

個人所有の不動産を会社名義に変更する手法です。一般的に、「不動産経営の法人化」というと、このスキームを指します。この場合、建物だけを法人名義に変更するほうが譲渡所得の発生がなくなり、費用対効果の向上が見込めます。なお、資産移転に際して、登録免許税や不動産取得税などの費用が発生することがあります。

一般的なアパート経営/マンション経営の流れ

土地情報や市場調査、経営プラン、資金計画を終えたら、アパート事業・マンション事業計画書を金融機関へ提出し、融資の申し込みを行います。ローン審査確認が終わったら、不動産売買契約の締結を行い、建築会社の選定や、どのような工事を行うのかを確定させ、建築確認申請許可後、工事に着手します。

工事が終わり、行政機関の審査を通過したら、建物の登記を行います。土地も新たに購入して所有する場合は、土地の登記も行うことになります。土地と建物にはそれぞれ独立した登記簿が存在し、登記事項も若干異なります。登記にも費用がかかりますので、初期投資費用として計上しておきましょう。

建物のリフォームや建築が完了して、入居者募集を始める事業開始1ヶ月以内に、納税者の住所地を所轄する税務署へ「個人事業の開廃業等届出書」を提出しておきます。

そして入居者募集に着手します。工事に着工した段階で入居者募集の計画を立案しておくとスムーズです。不動産会社に仲介を依頼したり、入居者募集の広告を出したりなど、計画通りの内容で、入居者募集を行います。計画の実行は、自治会との調整や、行政機関への各種届出が済んだ段階で行うのが一般的です。竣工時に入居受け入れを開始し、同時に管理業務が開始されることとなります。

最後にワンルームマンション経営など、リフォームや建築工事の必要のない種類の経営形態の場合は、ローンの手続きと不動産の購入、登記、書類の届出と、工事の段階を飛ばして手順を進めて行きます。

アパート経営/マンション経営において個人事業主と法人、どちらがよいのか?

アパート経営/マンション経営での所得が多ければ、法人化することで税制面で有利になる可能性があります。所得にかかる税金は、個人事業主の場合は所得税ですが、法人の場合は所得税ではなく法人税を支払います。所得税は超過累進課税となっており、所得が高くなるほど税率も高くなります。税率は平成28年現在の法令では5%から45%までの7段階に区分されています。

一方、法人税は比例税率が採用されています。資本金の額が1億円以下の中小法人の場合、所得金額が年800万以下の部分には15%(特例として平成30年度末まで)、800万以上の部分は23.4%の税率で固定されています。所得が少ない場合は個人事業主の方が税率が低くなりますが、所得が多くなるほど法人税の方が税率面では有利になります。その他にも、損失があった場合の繰越控除は個人事業主だと3年間ですが、法人だと10年にわたって損金を繰越控除できるなどの違いもあります。

アパート経営/マンション経営は規模によって税制面での違いが生じます。事業規模で所得が多いのであれば法人化を検討することで節税にもつながる可能性があります。税制は年ごとに改正されていきますし、いくら以上の所得で法人税の方が有利になるかといった税金の計算は非常に複雑なので、税理士に相談するなどして節税も意識した上で、経営を行っていくようにしましょう。

まとめ

アパート経営/マンション経営では様々な節税のメリットを受けることができますが、以下の3つの申請書、届出書が必要になりますので準備しましょう。

・所得税の青色申告承認申請書(開業後2ヶ月以内)
・青色事業専従者給与に関する届出書(開業後2ヶ月以内)
・減価償却資産の償却方法の届出書(開業した年の翌年3月15日まで)

上記書類を提出しておくと、確定申告時に「賃貸経営の赤字が3年間繰り越される」「不動産所得から特別控除が差し引かれる」「10室以上の規模の経営で、専従者給与の支払いができる」などのメリットが受けられます。

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